2023.02.21 15:00
© 2022 KENNEDY MILLER MITCHELL TTYOL PTY LTD.
2023.02.21 15:00
2月23日(木・祝)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開されるジョージ・ミラー監督最新作『アラビアンナイト 三千年の願い』から7点の場面写真、併せて総勢70名による本作への推薦コメントが公開された。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のミラー監督は、最新作の本作で物語の舞台を灼熱の荒野からイスタンブールのホテルの一室へと一転させ、前作とはまったく異なる題材に挑戦。人類の歴史の中で語り継がれ、そして書き継がれてきた神話、伝説、おとぎ話……といった無数の物語を、造形美と絢爛たる色彩美で描いている。
今回、熱い推薦コメントを寄せたのは世界的なゲームクリエイターの小島秀夫をはじめ、『劇場版 呪術廻戦 0』で知られるアニメーション監督の朴性厚や映画監督の押井守、声優の津田健次郎や池澤春菜、作家の深緑野分や王谷晶、ミュージシャンのシシド・カフカやOKAMOTO’Sのオカモトコウキ、お笑いコンビ・ゾフィーの上田航平、YouTuberの酒村ゆっけ、そしてRaMu、文筆家の岡田育や戸田真琴、漫画家の内田春菊など、各界のクリエイターたち。また、アラビアンナイトの専門家して知られる西尾哲夫や、物語論の研究者・橋本陽介、評論家の大塚英志など、“物語”の専門家たちからもコメントが到着している。
コメント一覧(順不同・敬称略)
小島秀夫(ゲームクリエイター)
誰もが“願い”を諦めている時代。
ジョージ・ミラー監督は『アラビアンナイト 三千年の願い』で、“願い”の物語を描いた。
誰もが知っているお伽話をモチーフに、“願い”が持つ呪いからの解放を、科学的、哲学的、寓話的に、映像の魔術によって問いかける。
お互いの“願い”は束縛にもなる。これは、ある種の恋愛物語でもある。
物語が消費される今だからこそ、物語論の巨匠たるミラー監督の物語は、“願うこと”の意味を我々に優しく伝えてくれる。
押井守(映画監督)
いやあ、凄いなあジョージ・ミラー。
暴力に全振りした「怒りのデス・ロード」も吃驚したけど
そのあとでこんな優しい映画を撮ってたなんて。
八十路近い御老体とは思えない。
★★を過ぎた孤独な女性に絶対のお薦め
朴性厚(アニメーション監督)
歴史が始まって以来私達に寄り添い続けたあらゆる物語、空想、神話、夢、願い、呪い。
分断された虚構と現実の融合を、かつて無い極限の映像美で描いてくれます。
ジョージ・ミラー監督から全ての物語る事を諦めない人達への供物です。
津田健次郎(声優)
映像の魔人ジョージ・ミラーは3000年の物語を語り始める。
やがて物語は時空を越えてコロナ禍の現代に。
塵と炎の愛の物語は、国境を人種を思想を、孤独を差別を憎悪を、様々な境界を力強く越えゆく。
これは映像の魔人が語る希望の物語か。
映画が終わっても魔人は語りかけてくる。「三つの願いは?」
シシド・カフカ(ドラムヴォーカリスト・女優)
時間と人間の欲の濁流
そのストーリーの先にあったアリシアの願い事に
強い喜びと共感を感じる
私だったら一体何を願うだろう
ジョージ・ミラー作品の強く汪溢な美しさに
また魅了される作品
上田航平(ゾフィー)
「3つの願いを叶えてやろう」もしも魔人に会えたならどんな願いを頼もうか?
これまで数多くの願望が頭をよぎりましたが、今回の映画ではじめて魔人の気持ちを想像しました。叶えたい願いと叶えてあげたい願いが交差する物語。
内田春菊(漫画家)
推しが魔人! オーストラリアとアメリカ合同作品、主人公の住まいはロンドン……かの国のおひとりさま女性事情が気になるけど、ティルダ・スウィントンはほんとに純情文学少女のまま大きくなった研究者のよう。皆さんも、身をゆだねて楽しみましょう。口を半開きにしてればこの映画が全部見せてくれます。
オカモトコウキ(OKAMOTO’S)
3000年の時を超え、見たこともない場所へ。
この映画は「物語」というフォーマットの無限の可能性を教えてくれる。
この一作を、自分の物語に加えよう。
きっと時が経って、無限の意味を持つことになる。
入江悠(映画監督)
映画で“ものがたる”ことを追求してきたジョージ・ミラー監督。
『マッドマックス』シリーズという神話から、今度は寓話の世界へ。
この優しい物語があれば、わたしたちは、もうひとりぼっちになっても大丈夫だ。
RaMu(タレント/YouTuber)
繊細な砂や塵の表現、女性の美しさを存分に引き出してくれる今作は今を生きる私たちにとって唸るような物語でした。見終わったあと流れる涙は悲しみなのか嬉しさなのか。そんな映画でした。いやぁ……。何が言いたいかと言うと、とにかく目と心に良い。笑
大槻ケンヂ(ロックミュージシャン)
さすがだジョージ・ミラー監督。
怒りのデス・ロードからのアラビアンナイトってなんて振り幅!?
でも、どんなにぶっ飛んでても優しさ切なさ希望を与えてくれるところは変わらない。心にジンと来る幻想の名作。
宇垣美里(フリーアナウンサー)
孤独な2人の紡ぐシェエラザードは、夢のように美しく、鮮やかな涙に彩られて切なくて。運命を物語るということ、人と対話し愛するということそのものを描いた大人のお伽噺に、いつまでも浸っていたくなった。
池澤春菜(声優・日本SF作家クラブ第20代会長)
起きてみる夢、醒めない夢
万華鏡の中を彷徨うような、どこまでも美しい体験だった
心と目を満たす、至福のご馳走
酒村ゆっけ、(酒テロクリエーター・作家)
わたしたちが孤独だったからこそ巡り会えた愛がある。
暗い闇の奥底から本当の愛に辿り着けるのであれば孤独も悪くないとさえ思う。
夢想と空想の間にふわふわ浮かぶようなちょっと切ない作品でした。
小川紗良(俳優・映像作家・文筆家)
時を超えてめぐり逢った人間と魔人が、互いの過去に耳を傾ける。
ファンタジーに包まれながらも、そこにあるのは普遍的な孤独の物語だった。
何かを強く願うことは、ひとりぼっちの心を抱きしめることなのかもしれない。
マハラージャン(ソロ・ミュージシャン)
イガイガした服の敵もイカれたカースタントもないが、パニックムービーのようなご時世に監督が寄り添うようにくれたギフトのような映画。
現代に困惑する我々に作中で宝探しのように惜しみなくヒントを与えてくれます。
加藤るみ(タレント・映画コメンテーター)
ああ、私はこの物語が大好きだ。
切ないけれど、ずっと心の中がぽかぽかしている。
愛の意味が少しだけわかったような気がした。
ティルダ・スウィントンとイドリス・エルバが寄り添う大人のシルエットは、この上ない美しさ。
戸田真琴(文筆家・映画監督・元セクシー女優)
あるシティホテルで交わされる、マジカルな語りの応酬。物語を語り、語り、語り合いは愛を呼ぶのか? シェヘラザードの語りの如き語り倒される物語と、ふと現代で見つめ合った主人公とジンがひらめくこととは。
挑戦的な構成に不思議な浮遊感を感じました。
岡田育(文筆家)
人はなぜ「十分な幸せ」からこんなに遠く生きるのか。
あなたはなぜ、それをもたらしたいと熱く熱く願うのか。
塵と炎が交わるとき、魔女と呼ばれた孤独な魂たちは
それぞれに「最も望むもの」を手に入れる。
千野帽子(文筆家)
騙された……俺の知ってるジョージ・ミラーと違う!
でもこのキラキラで意地悪なミラー監督も好きだ!
物語という奇蹟のドラッグに溺れてきた人はヒロインに、
物語を恐れる人は〈ジン〉に、自分の姿を見て胸が痛むはず。
橋本陽介(お茶の水女子大学准教授)
主人公・アリシアは魔法のランプを手に入れるのに、出てきた魔人に願い事をしない。
逆に魔人はこれまでに仕えてきた女性の物語を語りに語る。
よく知られるアラビアンナイトを反転させる物語。
西尾哲夫(国立民族学博物館教授)
最愛の人からのそれも心からの願いを三つ叶えなければ、あなたは幸せになれない。
あなたなら何を願われたいですか。シェヘラザードの物語が今あらためて問いかける、混沌とした世界の中で他者と共に生きることの意味。
深緑野分(作家)
科学がすべてを説明し、立ち止まる暇もない時代、伝説の生き物や摩訶不思議な冒険はどこに潜んでいるのだろう。物語にまだ価値はあるのかと疑ってしまう混沌とした今こそ、私たちはまた魔人(ジン)に会いたいのだ。
王谷晶(小説家)
極彩色の夢のような映像の中に、孤独にまつわる人の業が確かに見えた。
人生には物語が必要だ。たとえそれが悲しみや苦しみに彩られたものでも。
ジョージ・ミラー監督が愛を信じ、人を信じ、そして物語を信じているのを感じた。
長谷川町蔵(文筆家)
目眩く色彩に彩られた「癒しのラヴ・ロード」に迷い込んだら、もう帰れない。
『マッドマックス』から『ベイブ』まで、大きすぎる作風の振り幅をさらに振りきるとはジョージ・ミラー、恐るべし!
大塚英志(国際日本文化研究センター教授)
「スターウォーズ」以来、物語論に支配されているハリウッド映画が、物語論の研究者を主人公に物語の因果律に抗ってどう自身の物語を成就させるのかを描く。それは、SNSや報道など「物語」の姿でない「物語」に無自覚に翻弄される「現在」に案外、必要な寓話なのかもしれない。
伊藤さとり(映画パーソナリティ)
欲望と残酷の先に見出す愛とは?
魔法にかけられたような残像が心地良い。
女性の才能を閉じ込めるのが男性ならば
開放するのもそうであるはず。
これはジョージ・ミラーから全ての人へのラブレターだ。
石野卓球(DJ/プロデューサー)
どのシーンも美しく、夢をみているようでした。もしかしたら寝ていたのかも?
DIZ(映画アクティビスト)
1人でも楽しく幸せに生きれるけど、ときどき孤独を感じるそんな私にとっての“本当の幸せ”って一体なんだろう?
その答えがこの映画にありました!
人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
ほぼ全編ホテルの一室のみで繰り広げられる、とてつもなく壮大な愛のお話。
イドリス・エルバの妖しい魅力は過去イチ。
3000年モノのエルバが伝える物語、
そしてその結末は、この映画を観る者を強く鼓舞してくれるはずだ。
ダースレイダー(ラッパー)
人は言葉、物語でしか世界を理解できない。
ジンは言葉で捉えられない世界も理解していて、だからこそトリックスターでもある。
それでも愛は人とジンを結ぶことが出来るのか? 口の中で溶けるような味わいの作品である。
テラシマユウカ(GANG PARADE)
愛と欲望は表裏一体なのだろうか。
独自の視点から極彩色で描かれるイスラムの世界は妖艶で視覚的な幸福感に魅了される。
ちいさなホテルの一室にて語られる三千年もの壮大な物語は、まるで、子どもの頃に部屋の片隅で読んでいた絵本の世界に迷い込んでしまったかのようだ。
かいばしら(俳優/YouTuber)
「願いを3つ叶えてやろう」そう言っていた青い魔人は陽気な歌と踊りで幼い僕を笑顔にしてくれた。この物語の魔人にその気配は一切無く沈んだ表情に暗い過去、ドヨ〜ン
しかし、2人の背中を見送っている頃には僕の頬は緩んでた。
彼もまた”笑顔をくれる魔人”の一人だった。
柿沼キヨシ(映像作家/おまけの夜の人)
人は愚かにも、たった一度の人生で崩れることのない永遠の愛を得ようとする。
この映画はそんな人間の“物語”も一つの愛の形だと教えてくれる。
きっと私たちはその永遠の物語〈愛〉の一部なんだろう。
ゆっこロードショー(YouTuber)
3つの願いを叶えたら自由になれる魔人が3000年という長い期間主人公アリシアと出会うまで、なぜ誰の願いも叶えることができなかったのか。壮大な歴史の中にアリシアや人々の想いが心を動かされる作品でした。
映像もさることながらアリシアの最後の願い事まで、とても美しい物語です。
もっちゃん (映画YouTuber)
文章で、映像で、音で、今はどの時代よりも物語が溢れている気がする。科学が進歩しても、人を惹きつける「物語」とは何なのか?
そんな問いを奇妙で美しい物語に包んで、届けてくれる作品だった。
沖田遊戯(芸人/映画YouTuber)
彼は願いを求め、彼女は物語を求める。
こんなにも居心地のいい“カオス”は初めてだった。枕元でおとぎ話を聞かなくなった大人たちに捧げる昔々の物語……
デッドプー太郎(「ビーパワーハードボイルド/Monstar Of Fire」)
「マッドマックス」のジョージ・ミラーが作る「アラジン」は一味違う。
瓶から出てくるのは裸のイドリス・エルバだし、寝起きでいきなり自分語り(しかも3000年分)。
さすが「心は常にティーンエイジャー」と語ったジョージさんだ!!︎(御年77歳)
ジャガモンド斉藤(映画紹介人)
ジョージ・ミラー監督の前作は”走り続ける寡黙な男”の映画だったが、今回は“ひたすら語り続ける魔人”が登場する。語りの熱量V8エンジン並み。これは壮大な冒険活劇かと思いきや「物語」についての「物語」だったのだ。「物語」は人の欲望や野心を掻き立て、時には教訓を与えてくれる。魔人が叶えてくれる3つの願い。あなたなら何を願う?
あんこ(映画大好き芸人)
魔人に願いを叶えてもらうなら僕はこう願う。
みんなにこの映画観てもらえますように……と!
バスローブ姿の魔人と物語学者2人の物語は、知的でロマンチックで魅惑な大人のおとぎ話を観ているようだった!!
茶一郎(映画レビュアー)
「アンチ・怒りのデス・ロード」という監督の言葉に相応しい、ホテルの一室から3000年の時をわたる静かだが壮大な愛の物語。
ここでの愛は「物語」それ自体への愛。物語を語ることは人の心を癒す、そんな物語のパワーを謳うクリエイターから「物語」へのラブレター。
小林麗菜(タレント)
こんなアラビアンナイト観たことない!
おとぎ話と現実社会に挟まれる感覚が面白い。3000年の歴史を軽快に辿るなかで広がる妖艶さや怪しさに引き込まれました。3つの願い、自分だったら何をお願いしようかとワクワク。ティルダ様の衰えぬ美しさにも注目です!!
GOMA(ディジュリドゥアーティスト/画家)
愛は理性では得られない。
たまに現れては夢蒸気のように世界を魅惑的なものに変え二人は心に宿る余韻に耐えながらその瞬間を生きる。真実はすぐそこにありながら気付かれるまで時を待つのだ。
山崎まどか(コラムニスト)
壮大な戦いの神話も、女たちの苦難の歴史も、悲しい人類の過ちさえも、全てはただこのささやかな恋物語のために。ジョージ・ミラー監督、フェミニストにして無類のロマンティストだな。
あたそ(ライター)
待ってた、ジョージ・ミラー!
どのシーンを切り取ってもため息が出るほど美しく作り込まれた世界観に惚れ惚れしながら、切ないストーリーに最後まで目が離せない。
女である自分にとっての本当に幸せって一体なんだろう? そう問いかけるような作品だった。
知的風ハット(映画ライター)
今回のジョージ・ミラー監督最新作は、マッドでマックスな輸血袋とは無縁のラブ・ストーリー!
ファンタジックな魔人の語りには、思わずあなたも引き込まれ、そして“物語の力”を知ること間違いなし!
ISO(映画ライター/Fan’s Voice)
人は物語を語ることで時空を越え、経験を共有し、孤独を埋める。そんな「物語が持つ力」に向けられた至純なる賛美に深い共感を覚えた。まさか“怒りのデス・ロード”の次作がこれほど慈しみに満ちた作品だなんて。
SYO(物書き)
魔人にも秘めた物語があり、
願いごとのない人間もいる。
両者を繋ぐ共通項は、孤独。
帰ってきた巨匠が紡ぎだす、マジカルな愛と哀の対話劇。口を塞いで生きる私たちの空っぽな心を、優しく満たす。
ビニールタッキー(映画宣伝ウォッチャー)
人はなぜ物語を語るのか。なぜ物語に魅かれるのか。
己の中の形容しがたい心情を紡ぐことが物語だとするならば、この映画は人が内に秘めた思いを異様なほど豪華絢爛に紡いだ物語だ。
はたして狂っているのは私か、それとも現実世界か。
加藤よしき(ライター)
悠久の時を巡る遥か壮大な物語……と思いきや、それはフェイント! 孤独な中年男女が織りなす、ささやかな人情劇が胸に迫る!
『怒りのデス・ロード』の剛速球から、一転しての超魔球勝負! 恐るべし、ジョージ・ミラーという男!
ナイトウミノワ(映画ライター・アクセサリー作家)
欲望は尽きることがなく、魔人は意外にも、とても人間味にあふれている。完全に自立したひとりの女性が魔人に願うこととは一体なんなのか。
大人の魅力がいっぱいの美しいおとぎ話に魅了されること間違いなし!
高橋芳朗(音楽ジャーナリスト)
愛と欲望と孤独を描いた壮大な動く絵本であり、ストーリーテリングの力を讃える「物語についての物語」でもある。映画の冒頭、アリシアは我々に語りかける。伝えたいことを伝える最善の方法は物語の形式をとることである、と。
堺三保(ライター)
誰もが知る『アラビアンナイト』と「3つの願い」のお話から、ジョージ・ミラーは蠱惑的な寓話を紡ぎ出した。〈物語〉の中に愛を求め孤独を癒す全ての人々に、このいっときのめくるめく映像体験をお薦めしたい。
児玉美月(映画批評家)
なぜ物語を語るのか、なぜ物語を求めるのか、なぜ物語が世界には溢れているのか……。
数え切れぬ物語を手にする魔人と、ナラトロジーを研究する学者が対峙したとき、その秘密のヴェールがはがされてゆく。そしてそこでは、女性が物語によっていかに解放されうるかという道筋が、照らし出されてもいるのだ。
奥浜レイラ(映画・音楽パーソナリティ)
日本でもお馴染みの『アラジンと魔法のランプ』がモチーフになっているが、魔人が仕える主人が女性であることから見えてくる景色の変化が興味深い。ときに夢想的だと見下げられる“物語る”ことのかけがえのなさを教わり、あたたかい涙が流れた。
辰巳 JUNK(ライター)
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、アクションが無限展開する暴走機関車のような映画だった。『アラビアンナイト 三千年の願い』の場合、激流のごとく押しよせるのは物語だ。映画、つまり物語を愛する我々は、その先になにを視るだろう。
ナマニク(文筆業/映画評論家)
孤独な魔人と人間の会話が紡ぐ、大人の恋愛事情。
“年輪”を重ねたもの同士が寂しさを紛らわせる様は感傷的。だが、“語る”喜びも感じさせてくれる。
”ファンタジーは自分で作るもの”……とても夢のある作品だ。
松崎健夫(映画評論家)
ジョージ・ミラーは人生の過酷な局面においても“生きることを諦めない”姿を描いてきた映画監督だ。今を生きる姿が重要だからこそ、“人生は終わりのある物語”だという今作の真理に、私たちは諭されてしまうだろう。
オスカーノユクエ(総合映画情報)
ジーニー、君は自由だ。かのディズニーアニメで感動的に描かれたあのひと幕を、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』監督が撮るとこんなことになるのか! と大興奮。ブッとんだ映像に痺れつつ、愛にさまよう大人の物語を堪能しました。
村山章(映画ライター)
ソリッドな「デス・ロード」のせいで忘れていたがジョージ・ミラーってもっと一筋縄ではいかない監督だった。観るものを翻弄する珍奇なおとぎ話の先に、”映画”の未来、“物語”の未来を浮かびあがらせる。77歳にして野望がデカい!
ギンティ小林(ライター)
『マッドマックス』(1979年)以来、ジョージ・ミラーはジャンルにとらわれることなく、常に我々が観た事がない、個性的で新しい、ジョージ・ミラーにしか作る事ができない映画を作り続けてきた。今回もミラーは、「孤独な学者と魔人の恋バナ」という彼にしか作る事ができない斬新かつクレイジーな題材を、ファンタジックで極彩色に彩られた、感動的なおとぎ話に作り上げた!
ミルクマン斉藤(映画評論家)
何たる「物語」への信頼!
主演ふたりのほぼ対話劇に過ぎないのに、枠物語の型を借りて旧約聖書時代から現代にまで渡る欲望と純愛の物語が、エキゾティックにエロティックにダイナミックに綴られて圧巻。『マッドマックス』とは真逆の、ジョージ・ミラーがここに炸裂!!
青野賢一(文筆家、選曲家)
ジンが語る悠久のストーリーにどんどん引き込まれ、願いをめぐるやりとりにこちらまで一喜一憂してしまう。人間的な感情のすべて、とりわけ思いやりに満ちた本作はまた、極上の対話劇でもある。
添野知生(映画評論家)
物語には私たちを救う力がある。
孤立や分断や不寛容に心が流されそうになる今、ジョージ・ミラーのその確信こそが、私たちに必要なものだ。ベイブの農場のように、マッドマックスの水の恵みのように。
柳下毅一郎(映画評論家)
物語によって人は傷つき、物語によって人は救われる。
銀河一の美女ティルダ・スウィントンと世界一セクシーな美声を持つイドリス・エルバを通じて、ジョージ・ミラーは永遠の、ありふれたラブストーリーを語る。
それは我々自身の物語なのだ。
高橋ヨシキ(映画評論家/アートディレクター/サタニスト)
人間は「物語」なしに生きられない。
だが我々は往々にして自分が「物語」の傍観者にすぎないという錯覚に囚われてしまう。
生の実感を取り戻すためには自分の「物語」を主体的に生きる必要がある、と本作は優しく教えてくれるのだ。
谷口キヨコ(DJ/タレント)
本気で何がほしいかを口に出すのは、恥ずかしいやら怖いやらでなかなか勇気のいるものだ。
それはその願いこそがその人の本質を表すからではないだろうか。
この映画を観ていくうちに、主人公の二人の願いとともに『自分の願い』を本気で考えていた自分に気付いた。自分の人生の価値ある願いに気づかせてくれる作品です。
サニー・フランシス(テレビ/ラジオパーソナリティ)
願いごと3つ叶える言われても、いざとなったら願えないな〜 一方魔人自身は自分の願いが叶わず無力。上手いことできてる話や。願いごとは、自身のためではない方が効き目あり。作品見て子供の自分にタイムスリップや。
野村雅夫(ラジオDJ/翻訳家)
「もしも願いがかなうなら……」。
古今東西、物語を駆動させる究極のパターンではあるけれど、なぜ、何を願い、その結果どうなるのかについて突き詰められることは稀だったかもしれない。
ジョージ・ミラーは、この根源的な問いを、古典中の古典アラビアンナイトをモチーフにして突きつける。面白くないわけがない。
akane(振付師・ダンサー・FM 大阪DJ)
もしも私が3つの願いを叶えられると言われたらどうするだろう。3000年にも及ぶ巨大な魔人〈ジン〉の孤独な物語の描写が切なくも美しい。
アリシアの自分のことを顧みず思いやる気持ちにとても心を打たれました。