2023.01.26 19:00
Ⓒ橋⽖駿輝/講談社 Ⓒ2023映画『スクロール』製作委員会
2023.01.26 19:00
2⽉3⽇(⾦)より全国公開される映画『スクロール』から、北村匠海と中川⼤志を映した本編映像が公開された。
原作は、YOASOBIの⼤ヒット曲「ハルジオン」の原作者としても知られる橋⽖駿輝が2017年に発表した同名小説。理想と現実のギャップに溺れながらも、社会、そして⾃分と必死に向き合う若者たちの姿を描く。
学⽣時代に友だちだった“僕”とユウスケのもとに、友⼈の森が⾃殺したという報せが届く。就職はしたものの上司からすべてを否定され、「この社会で夢など⾒てはいけない」とSNSに想いをアップすることで何とか⾃分を保っていた“僕”と、毎⽇が楽しければそれでいいと刹那的に⽣きてきたユウスケ。森の死をきっかけに“⽣きること・愛すること”を⾒つめ直す2⼈に、“僕”の書き込みに共鳴し特別な⾃分になりたいと願う“私”と、ユウスケとの結婚がからっぽな⼼を満たしてくれると信じる菜穂の時間が交錯していく。⻘春の出⼝に⽴った4⼈が⾒つけた、きらめく明⽇への⼊⼝とは。
“⽣きること”そして“愛すること”をエモーショナルに表現し、光が射す明⽇を強く感じさせてくれるストーリーを独創的な世界観で描くのは、様々な映像のジャンルをクロスオーバーして活躍する清⽔康彦監督。W主演の北村匠海と中川⼤志と共に、話題作への出演が続く古川琴⾳と、これまで数々の映画賞を受賞してきた松岡茉優が本作を彩る。
今回公開された本編映像は、ユウスケ(中川⼤志)が「俺、同じ⼤学だったユウスケ。分かる︖」と電話をかける場⾯から始まる。その電話越しには屋上で⼀⼈佇む“僕”(北村匠海)の姿が。突然の旧友からの連絡に「え、何︖」と⼾惑いを⾒せる“僕”だったが、ユウスケから告げられたのは「森っていたでしょ⼤学に。亡くなっちゃって……」という内容だった。⼤学の同級⽣が⾃殺したという突然の知らせに、ただ呆然とする“僕”。ユウスケが続けて「⼿伝って欲しいことがある」と何かを頼むところで本編映像は幕を閉じる。
本作の撮影を担当したのは、清⽔とも以前から親交のある川上智之。グラフィックデザイナーを経て現在写真家、撮影監督として活動しており、⽶津⽞師、King Gnu 、あいみょん、 Suchmos 、藤井⾵、椎名林檎と宇多⽥ヒカルなど、錚々たるアーティストのミュージックビデオを⼿掛けているほか、映画、広告、ファッションなどの様々な分野で活躍している。川上は映画制作では異例だが、脚本開発の段階からチームに加わり、撮影監督の視点から物語作りに貢献した。清⽔は川上に全幅の信頼をおいており、「⾃分がこの作品で⼤事にして込めた思いを彼なりに受け取ってくれて、それならこう撮らなきゃいけないという感覚がとても鋭いんです。だからほぼディスカッションはなく、出てきたものに対して『いいね、そうきたか︕』という感じでした」と撮影時を振り返った。
また、こだわったシーンやカメラワークについては、かっこいいミュージックビデオのような映画ではなく⾃然な⼈間を切り取ったポートレートの連続のようなイメージを共有したという。限られた撮影スケジュールに苦労もあったというが、清水は「このスピード感の中で描くべきものがあるぞという使命感があった。時間をかけて悠々と撮ったものとは違う“今”この瞬間を撮り逃したらもう撮れなくなるぞ、という緊張感を⼤切にしていました」とチャレンジングな撮影について語った。本編映像では、前半部分ではそれぞれ引きの画⾓で撮られているが、会話の核⼼に迫るシーンでは細やかな表情までカメラに納められるように、寄りで⼆⼈の会話が撮られている。