岩松了が手掛ける“赦し”の物語
黒島結菜&井之脇海が支え合う兄妹に 舞台『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』6月より上演
2023.01.24 12:00
2023.01.24 12:00
M&Oplaysプロデュースの舞台『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』が、6月3日(土)から6月25日(日)まで東京・本多劇場にて上演されることが決定。東京公演後は、富山、大阪、新潟と全国へ巡演される。
本作は『結びの庭』(2015年)、『家庭内失踪』(2016年)、『少女ミウ』(2017年)、『二度目の夏』(2019年)など次々と話題作を発表してきたM&Oplaysと岩松了が定期的に行っているプロデュース公演の最新作。アキオとイズミは早くに両親を亡くし、二人寄り添うように生きてきた。アキオは銀座の広告代理店で働いており、忙しい兄のためにイズミは手作りの弁当を職場に届けている。兄が大好きで、いつまでも二人で一緒にいたいと思っている。ある時、イズミは銀座の街で「のぼる」と「とみ」と呼び合う二人の若い浮浪者に出会う。そして、アキオは父親の愛人だった葉子に出会い、だんだんと惹かれてゆく。それぞれのドラマが絡み合い、やがて兄と妹にもたらされる恩寵とは――。
物語の主軸となるイズミ役には、連続テレビ小説『ちむどんどん』にて主演を務め、ドラマ『クロサギ』で第26回日刊スポーツ・ドラマグランプリ秋ドラマ助演女優賞を受賞、本作が『少女ミウ』以来6年ぶりの舞台出演となる黒島結菜。アキオ役には、第82回キネマ旬報ベスト・テンで新人男優賞、第23回高崎映画祭で最優秀新人男優賞を受賞し、ドラマ『失恋めし』『クロサギ』や映画『とんび』『犬も食わねどチャーリーは笑う』、舞台『エレファント・ソング』などへ出演し活躍が目覚ましい井之脇海が決定した。
また、銀座の街にいる若い浮浪者・とみ役には、映画『うみべの女の子』『はだかのゆめ』にて主演を務めたほか、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』などに出演し、主演映画『まなみ 100%』『神回』、ドラマ『EVOL』の公開を控える青木柚。同じく若い浮浪者・のぼる役には、ドラマ『祈りのカルテ』『一橋桐子の犯罪日記』や映画『海の夜明けから真昼まで』、舞台『パラダイス』に出演し、舞台『檸檬』への出演を控える櫻井健人。田宮役には、本作の作・演出を務める岩松了。そして、葉子役はドラマ『祈りのカルテ』や舞台『世界は笑う』、現在ゲキ×シネでも公開中の「いのうえ歌舞伎『神州無頼街』」へ出演するなど、高い演技力で数多くの賞を受賞してきた松雪泰子が務める。
岩松了(作・演出、田宮役) コメント
今回の舞台はクリスマスが終わった年の瀬1週間の話です。おしゃれな銀座の街を舞台に二人の兄妹がかつて自分の家庭バラバラにした父親の愛人と出会い、当時は赦せなかったことが年を重ねることに徐々に打ち解けていく過程を描きます。銀座は都心ですが、実は海に近いんです。海の匂いを感じてもらえるよう「カモメ」をタイトルに入れました。公演は6月なので季節的には真逆になりますが、年の瀬を懐かしむように楽しんでもらえたらと思います。どうぞご期待ください。
黒島結菜(イズミ役) コメント
岩松さんとは、またご一緒したいとお会いするたびに話をしていたので、6年ぶりに叶って嬉しい気持ちでいっぱいです。そして共演者のみなさんと、岩松さんの世界の中でお芝居できること、とても楽しみです。私にとって舞台は、役と自分自身と素直に向き合うことができる場所だと思っています。今回は赦しの物語です。みなさんに感動を与えられるよう精一杯頑張りますのでよろしくお願い致します。
井之脇海(アキオ役) コメント
初めて岩松さんの舞台を観たのは『恋する妊婦』でした。当時はまだ12歳でしたが「何か分からないけど、すごいものを観た」と感じたことを覚えています。それ以降も岩松さんの作品を観てきましたが、わからないことが多いのに感じることや伝わるものがたくさんあって、不思議な魅力のある世界だと感じていました。今回、そんな岩松さんの世界に存在できることが楽しみで仕方ありません。「わからない」からこそ、真っさらな状態で役にぶつかっていきたいと思います。
松雪泰子(葉子役) コメント
岩松了さんの台詞の響きの中にまた存在出来る事に幸せを感じております。2020年『そして春になった』の公演で久しぶりに岩松さんの作劇の世界に触れました。今回また新たな世界に身を置ける喜び。岩松さんの美しい台詞を演じる喜びに溢れています。静かな中にある熱を、丁寧につみあげる。そんなあり方で臨みたいと思います。楽しみです。