2023.01.20 18:15
By Carl Lender, CC BY-SA 3.0
2023.01.20 18:15
1973年にリリースされたクイーンのデビューアルバム『Queen』。イギリスとアメリカでヒットし、全米で50万枚を売り上げた当アルバムであるが、ギタリストのブライアン・メイは、アルバムのサウンドに納得がいっていなかったと明かしている。
Total Guitar誌のインタビューに登場したブライアン・メイは、プロデューサーのロイ・トーマス・ベイカーと『Queen』を制作しているときの経験について以下のように語っている。
「ロイ・トーマス・ベイカーに“ロイ、これは私たちが求めているサウンドじゃない!”って伝えたのを覚えている。でも彼は“心配しないで、ミキシングで全部直るから”って言われたんだ。でもそれが最善の方法ではないし、全員が絶対に直らないとわかっていた!
当時、みんながマルチトラックで録音する手法を知って、全てのものをマルチトラックでレコーディングしないといけないみたいな風潮があった。だからギターソロを弾いて、最初に言われることは“これをダブルで重ねたい?”ということだった。重ねたくないときもあれば、重ねたくないときもある。ギターソロのパーソナリティ、アタック感、そしてひとつのトラックで録ったときに感じるものが欲しいときもあるから」
結果的に自分たちが求めているサウンドではなく、デビューアルバムに満足いかなかったと明かしたブライアン・メイ。しかし彼は当時の楽曲は、そのときのクイーンの状況を表しているとも発言している。
「だからあのアルバムはたくさんトラックが重なっていて、今考えるとあんなに重ねる必要はなかったと思う。必要以上に固いサウンドになってしまったように感じる。それを踏まえた上で、あのアルバムの曲たちは、そのときのクイーンの状況を表したものだと思う。私たちは進化の途中だった。あのアルバムを聴くと、自分のスタイルを探している最中だったことがわかる」