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三浦ジュンの「あなたに届けたい音と薬。」 #6

「食券」

2022.12.18 12:00

2022.12.18 12:00

おはようございます。こんにちは。こんばんは。三浦ジュンです。

あと数日で2022年も終わってしまいますが、皆さんいかがお過ごしですか?もうすぐ訪れるクリスマスに向けて、街はキラキラし始め、世間はワクワクしているのでしょうか? とはいえ、12月はテレビ業界は繁忙期。特番で忙しくなり、僕の生活の一部とも言えるライブハウスにも足を運ぶヒマがなくなるくらい仕事に追われてしまいます。

そして、毎年クリスマスシーズンになると、コンビニや飲食店だったり、テレビから広瀬香美さんの冬の名曲が流れてきますが、忘年会やらクリスマスパーティーなどほぼ無縁な僕にとって、この時期にBOYがGIRLにMEETSすることもなければ、「ロマンスの神様」 に感謝こともありませんでした。

……と思っていたのですが、つい先日ワクワクすることが起きたのです……!

・・・

12月7日に『FNS歌謡祭』という5時間生放送の大型音楽特番が放送された。前日も朝から夜中までリハーサルをして、当日も朝から「ランスルー」と呼ばれる通しリハーサルを行い、ほぼ休むことなく生放送に突入。若い頃は1〜2時間睡眠でも乗り切れた生放送特番も、年々キツくなってきたことを実感する。おかげさまで、大きなトラブルもなく、出演者もスタッフも睡眠不足や疲労以上に充実した生放送となった。
とても心地良い余韻の中で、出演者、スタッフの挨拶とお見送りし、雑務処理をしたのち、現場を出られたのが夜中の1時。帰りのタクシーですぐに眠ろうと思ったら、乗車したタクシーのドライバーさんが府中から来た方で、この辺りの土地に慣れていなかったため、猛烈な睡魔と闘いながら僕がナビをしてなんとか自宅に到着。

手洗い、うがいをして、着替えて、コンタクトを外して、歯を磨いて、眠りにつこうかな…と思った瞬間に、今度は強烈な空腹が襲ってきた。生放送の前後で、差し入れでいただいたまい泉のカツサンドや、菓子パンをつまんでいたものの、ちゃんとした夜ご飯を食べたなかったことを思い出した。

このまま寝てしまおうか、お腹を満たしてから寝ようか…? こういう時は考ても時間の無駄だ。夜中の僕は睡眠欲より食欲が勝ってしまうのだ。冷蔵庫から缶ビールを取り出し、持ち帰った夜ご飯のお弁当を一気に胃の中に流し込んでいたら、お風呂のお湯が溜まったお知らせが鳴った。バキバキになっている身体を少しでも休めるためにも、冬場はシャワーでなく、お風呂に浸かることが多い。僕はお風呂に入る時、スマホをジップロックに入れて持ち込み、ドラマやバラエティを見ることが多い。この日は「水曜日のダウンタウン」の放送があったため、迷わずTVerで「水ダウ」を見始めた。さすがに疲れていて、湯船に浸かって5分もしないうちに寝落ちしてしまった……

・・・

特番の翌朝は、前日の御礼の電話やメール、さらに溜まっていたメールの返信やら資料の提出などで、いつもバタバタする。作業を一気にこなして時計を見たら、すでに12時を回っていた。14時から年末特番の大事な打ち合わせがあったため、急いで準備をして渋谷に向かった。あまりに空腹だったため、近くの「立ち食いそば屋さん」に立ち寄った。

まさかこんなすぐ「そば」に、ワクワクする出会いがあるとは思いもしなかった……

この日は比較的暖かかったので、冷たい蕎麦を食べようと決め、券売機で「ざる蕎麦」と「おいなりさん」のボタンを押し、出てきた食券をカウンターに持っていき、「お願いします」と言いながら置いた。僕は移動中は大体ヘッドフォンをしながら音楽を聴いているのだが、電車を降りて、渋谷駅の改札を出たら物凄く騒がしかったため、いつもより少し大き目のボリュームで聴いていた。
お店に入る直前に、SUPER BEAVERの「予感」という大好きなナンバーが始まったため、ヘッドフォンをつけたまま店内に入り、ヘッドフォンを外すのも忘れ、夢中になって音楽を楽しんでいた。

「……お待ちのお客さまー!」

ヘッドフォンから流れる爆音のせいで、店員さんの呼ぶ声がハッキリ聞き取れなかったけど、注文待ちをしていた客は僕しかいなかったので、迷うことなく料理を受け取りにカウンターに向かった。トレーには「ざる蕎麦とおいなりさん」と、なぜか「ミニカレー」が乗っていた。

えっ…!? ミニカレー?
ひょっとして店員さんのサービス…!?

僕の心拍数が急に速くなった。カウンターにいる女性店員さんに気づかれないように、僕はこっそりと店員さんの顔を見た。

そしてSUPER BEAVERが爆音で流れるヘッドフォンを外して、おそるおそる店員さんに声をかけてみた。

「あの…ミニカレーは頼んで無いですけど…」

「え? 食券いただいてますよ?」

逆に不思議そうな顔をする店員さん。

あれっ…? どういうこと…!?

「あっ、それ私のかもです…」

ざる蕎麦のトレーを持ったまま、セルフサービスの水を入れていた女性が申し訳なさそうにこちらに向かってきた。どうやらその女性はミニカレーの食券を券売機から取り忘れていたようだ。そのあと僕が自分の食券と一緒に、その食券をピックアップして無意識に出していたらしい……

「すみません。私、ミニカレーの食券を取り忘れました」

「こちらこそ気づかずすみませ…」

!!!

その時、彼女の洋服に目が留まった……なんと彼女はSUPER BEAVERのロングTシャツを着ていた!!僕はミニカレーのことを忘れて無意識のうちに話しかけていた。

「あの…SUPER BEAVER好きなんですか?」

「えっ!?」

僕はスマホを取り出し、音楽プレイヤーで「SUPER BEAVER」の「予感」を再生している画面を彼女に見せた。

「あっ…!!!」

「僕もSUPER BEAVER好きなんです」

「えー!凄い!偶然ですね!!」

「食券」の取り間違えから、こんな偶然の運命的な出逢いが訪れるなんて…こんな偶然あるのだろうか…!?

♪予感のする方へ 楽しい予感のする方へ

SUPER BEAVERの「予感」の歌詞とメロディが頭の中を駆け巡る……



へっくしゅん。

……?

気がつくとお風呂の中で、寝落ちして夢をめていたようだ……どのくらいの時間寝落ちしていたのだろう?お風呂のお湯もかなりぬるくなっていた。このままだと風邪をひいて、SUPER BEAVERの「予感」でなく、「悪寒」になってしまう……まだまだ年末まで仕事が続くので風邪をひくわけにいかない。慌てて追い焚きボタンを押して、42度の温かいお湯が出てくる吹き出し口に身体を近づけ、さっきの夢を思い返す。

そういえば、以前トラウマになりそうな似たような体験をしたことがあった……
数年前に、僕が中華料理のお店の券売機で食券を購入した時に事件は起きた。前の人が取り忘れた食券が残っていたのだが、僕はそれに気づかず、前の人が取り忘れた食券をピックアップし、カウンター越しに店員さんに渡してしまった。

その日の僕もヘッドフォンをしたままで、店員さんの「●●ですね」という料理の確認を聞きそびれてしまった。

「はい、お待たせ!」

そして出てきた料理は僕の頼んだモノとは違う料理で、しかも僕のアレルギーである甲殻類が入っていた。チラッと店員さんを見たら、かなりガタイも良い男性の後ろ姿が目に映った。それでもアレルギーが出るよりはマシだと、勇気を振り絞ってメニューの変更を頼んだ。

「はぁ!? だったら食券出す時に言ってよ。
作っちゃった料理がムダになっちゃうでしょ💢」

と、なぜかめちゃめちゃ怒られる……という最悪な経験をしました。

という訳で「食券」の取り間違えで起きた素敵な出逢いは単なる夢の中(妄想)の話。



今日のテーマは「食券」です。なぜ突然、この話をしたのには理由があるのです。

先日「FNS歌謡祭」の現場で「食券」ならぬ「職権」を使ったのです(笑)。

日本を代表するアーティストたちが続々と出演してくれた「FNS歌謡祭」という大舞台に、僕の大好きな●●ちゃんがやってきたのです!

会う前の印象は「小さくて、可愛い」という印象でしたが、実際に会ってみると、めちゃくちゃ可愛いのですが、思ったより大きかったです。

あまりに好きすぎて興奮した僕はリハーサルと本番の間の短い時間に、スタッフに頼んで記念撮影をさせてもらいました!

仕事を初めて25年、沢山の有名人や憧れの人たちと沢山会ってきたし、仕事もしてきたけれど「一緒に写真を撮って欲しい」と頼んだのは初めてかもしれません。

毎日その一緒に撮った写真をスマホで見てはニヤニヤしています(о´∀`о)

えっ? その人は誰かって!?

「なんか小さくて、かわいいやつ」

です(ˊo̴̶̷̤  o̴̶̷̤ˋ)

以上、今回のコラムおしまい。

♪オススメの音
「ひとりごつ」ハチワレ(CV:田中誠人)

「予感」SUPER BEAVER

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