江﨑文武、小島秀夫、鈴木敏夫らのコメントも到着
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』トルナトーレ監督が秘話を語るメッセージ動画公開
2022.12.14 13:00
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2022.12.14 13:00
2023年1月13日(金)から全国順次公開される映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』より、トルナトーレ監督からのメッセージ動画と著名人からのコメントが公開された。
本作は、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネに、弟⼦であり友でもあるジュゼッペ・トルナトーレ監督が密着した⾳楽ドキュメンタリー映画。500作品以上の映画とTVの⾳楽を⼿掛け、アカデミー賞に6度ノミネートされ『ヘイトフル・エイト』(2015年)で遂に受賞、全功績を称える名誉賞にも輝いたモリコーネの半生が、数多の傑作の名場⾯とワールドコンサートツアーの演奏と共に紐解かれる。さらに、クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーンら70⼈以上の著名⼈のインタビューによって、モリコーネの仕事術の秘密が明かされる。モリコーネは2020年に享年90歳でこの世を去ったため、本作は結果的に⽣前の姿を捉える最後の作品となった。
今回公開されたメッセージ動画でトルナトーレ監督は、モリコーネの家を訪ねた時いつもピアノの前で聞かせてくれた⾳楽の新しいアイデアのことや、「まるで同い年のように」仕事抜きで⾳楽や映画、⼈⽣や家族について語り合ったたくさんの時間を懐かしむように語っている。最後「⽇本の皆さんこんにちは。この映画はエンニオ・モリコーネに捧げた作品です。この映画が皆さんのお気に召せばと願っています」「この映画がエンニオ・モリコーネの⽣涯について情報を提供して、彼の⾳楽を愛する⽅々が⼈間性や個⼈史という視点から彼のことを知ってもらえたら嬉しい」「『モリコーネ 映画が恋した⾳楽家』を⾒てくれてありがとう。とても感謝しています。私と協⼒してくれた⼈がこの映画を慈しんだように、皆さんがこの映画を慈しんで下されば幸いです」「ありがとうございます、映画をお楽しみに」と笑顔で⽇本へのメッセージを締めくくった。
なお、⽇本発信のオリジナル・コンピレーション盤『ENNIO MORRICONE』や書籍『エンニオ・モリコーネ 映画⾳楽術』の発売に加え、モリコーネが⼿がけた名曲の数々を存分に堪能できるDJイベント「ラ・カーサ・デ・ムジカ featuring ENNIO MORRICONE」の開催など、公開を記念した企画も続々決定している。
本作を鑑賞したスタジオジブリの鈴木敏夫や歌手の平原綾香ら著名人から推薦コメントは、以下の通り。
コメント一覧
江﨑 文武 (音楽家)
人のために、音楽のために、映画のために、一途に向き合い続けた音楽家の記録。美しい調べの裏側にある圧倒的な誠実さに、時を超え、魅了され続けるのだろう。
川井 憲次 (作曲家)
エンニオの音楽の考え方や作り方を細かく知ることができる貴重な映画でした!何だか自分と似ているようで嬉しくもなりました。もちろんエンニオの足元にも及ばないのは言うまでもありません。
菅野 よう子 (作曲家)
天地創造中の神様を見ているよう。
小島 秀夫 (ゲームクリエイター)
モリコーネは、映画音楽に導かれ、孤独を編曲し、反発に抵抗し、多くのフォロワー達に影響を与え、偉大なるマエストロであり続けた。その生き様に誰もが感涙する。彼が“映画音楽”そのものであるなら、このドキュメンタリーは、彼が奏でる永久保存版のサントラであり、人生のメロディだ。モリコーネのような音楽家は、もう現れない。
佐渡 裕 (指揮者)
<ニュー・シネマ・パラダイス>が大好きで、これまで何度もテーマを指揮してきた。モリコーネのこのメロディーはとにかく美しい、そして懐かしさと共に自分が子供の頃から大切にしてきたものへの愛情が、静かにけれど立体的に聴く者の感情を揺さぶる。彼の音楽は私の心に真の音の喜びを与えてくれる。モリコーネが映画音楽と絶対音楽との狭間で大きな苦しみと葛藤を抱えていたことを初めて知った。そして彼にこんなにもバッハから超現代音楽までの知識と挑戦があったことは大きな驚きだった。絶対音楽と映画音楽の融合、これこそがマエストロ・モリコーネが我々に残してくれた、とてつもなく大きな遺産だと思う。
鈴木 敏夫 (スタジオジブリ)
この人の半生をみていくと、その生き方がぼくの親しい久石譲さんと折り重なってしまう。
種田 陽平 (美術監督)
タランティーノ監督の『ヘイトフル・エイト』でモリコーネと同じ映画に関わることができ、本当に光栄でした。オスカー授賞式会場で、6度目のノミネートでついにエンニオ・モリコーネの名前が呼ばれた時、僕も夢中で拍手喝采をしていました。本作を見るといかに彼が挑戦を続けてきたのか、そしていかに映画音楽を愛してきたのかがわかりました。映画への愛に貫かれた人生に、本当に刺激を受けました。
平原 綾香 (歌手)
開始5分で涙が溢れました。音楽家として生きるためのヒントがここにはあります。大好きなモリコーネと同じ時代に生きたこと、このドキュメンタリー映画に出会えたことに感謝!
弘兼 憲史 (漫画家)
漫画が映画に叶わない部分があるとすれば音楽である。偉大なる作曲家エンニオ・モリコーネの楽曲は、私が作品を描く時に常に頭の中を駆け巡っている。
富貴 晴美 (音楽家・作曲家)
傑作!『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』と出会い、子供心にも映画音楽に魅了されました。その瞬間を思い出し、懐かしい灯火が心に宿った。
町山 智浩 (映画評論家)
口笛、鞭、空き缶、鐘……。あらゆるものを楽器に使い、対位法、不協和音、12 音技法、具体音楽、絶対音楽……。あらゆる実験に挑戦しながら、同時に人種や民族や文化や世代を超えて心揺さぶる音楽を作り続けたモリコーネ。本人が語るその創造の秘密は驚愕の連続! 『シシリアン』のテーマにバッハが隠されていたなんて!楽器も弾かず、歌も歌わず、いきなり譜面を書いてたなんて!
湯川れい子(音楽評論・作詞家)
何てスゴい!!と、157分観入ってしまった。90歳になる人が、500以上も手がけた自分の作品を、歌いながら語ってくれるのだ。私なんか、自分が書いたわずかなヒット曲の歌詞も覚えていないのに〜。『夕陽のガンマン』『ニュー・シネマ・パラダイス』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『ミッション』どれも音楽があってこそ、今も感動がリフレインしている。