2022.10.10 17:00
2022.10.10 17:00
全体的にレベルが上がってるのを感じさせたい(RYO)
──いつもと矢印が反対になっていたわけですね。それはNAOTOさんにとってはどうでした?
NAOTO 楽しかった。RYOからオーダーっていうか、「こういう曲をやりたいんだ」みたいな構想を言われて、デモの最初の段階からやりとりして、ワンコーラス聴いてもらって、それにさらに意見をもらって。わりと細かいところまで突き詰めながらできあがったものをさらにRYOが歌詞を書いて。HIROKIも「これはもうできあがってるから、ラップはRYOに教わりながら歌うよ」って。それもやっぱりこういう時期とタイミングと、コロナがあったからこそできたことなんじゃないかなって。決して僕ひとりではできなかったと思います。
──RYOさんが今回そういうアプローチをしたっていうのは何か理由があるんですか?
RYO やっぱり時間もあったっていうのもあって、ここで今後に向けて何か新しい道を作っておいたほうがいいっていう。こういう曲の作り方ができるようになれたら強いなって。あと、この時間があってよかったなっていうところに繋げたかったんですよ。コロナ禍に対してすごくそれは思っていました。じゃないとなんか悔しいじゃないですか。
──でもその「トカトカ」は、作り方としては新しかったのかもしれないけど、Disc 1に入っている7曲の中ではどちらかというと一番王道ORANGE RANGEな感じがするんですよ。
RYO そうですね、確かに。だから一周回って、全体的にレベルが上がってるっていうのはずっと思っているんですよ。そういうのを感じさせたいっていうのはありますね。
──うん。だからすごく絶妙なバランスでアップデートされていて。21年目にしてすごくフレッシュなアルバムが生まれたなと思います。「恋はRock’n’ Roll」とかもいいですよね。何なんですか、この「弁当に刺身」って。
RYO いや、ほんとよ。何なのよ(笑)。
NAOTO なんか(笑)、たとえば「Illusion feat.ペチュニアロックス」とか「Typhoon」とかって、結構僕の好きなタイプの曲で、この2曲を作ってるときっていうのはやっぱり前のめりになって突き詰めて、のめり込んでいる時期だったんですよ。それが終わった瞬間に、逆の反動で「音楽的なことをしばらくやりたくない」って思って(笑)。何も考えずにバカな曲をやりたいみたいな。「Pantyna〜」もそうなんですけど、ストレスがたまって、もう難しいことは何もやりたくない、アホなことやりたいってなって作ったのが「恋はRock’n’ Roll」」なんですよ。だからすべてにおいて意味がなくて、セリフも、そのイライラをRYOに八つ当たりするみたいな(笑)。
──なるほど(笑)。どうでもいいことを──。
NAOTO しっかり歌ってもらうことのどうでもよさっていうのをやりたかったっていう。まあ、こういうキャラの曲は毎回アルバムになると入ってくるので。箸休めみたいなものですね。
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