2022.08.14 12:00
2022.08.14 12:00
自分の中でネガティブを探さないようにしていきたい
──福地さんの過去のインタビューを拝読したら、今後やってみたい作品について「SF作品」とお答えされていて。SF作品もお好きなんですね。
本で読んでいるものもあるので、お芝居するとなると、またちょっと違うかもしれないですけど。自分では考えつかないようなことが当たり前に起こったり、規模が大きかったり、夢があるなと思います。
──職業柄、映像で観るといろいろな感情が入ってきそうですが、本なら素直に読める、ということもありますか?
それも、あるのかなと思います。中学生のときに初めて読んだ本を大人になってまた読んだときに、当時と感じることがまた違ったという体験があったんです。“ああ、こんなことを言ってたんだ”って。それは単純に大人になったから読み取れてなかった部分が読めたということだけではなくて、今の自分がこれを読んだことで受け取るものがあって、その感覚が少しだけSFに近いような気もする。自分が想像していなかったところまで連れてってくれるところが好きです。
──10代の頃からお芝居を始められて、女優というお仕事に対する想いに変化はありますか?
もともと、いろんなことに興味を持てる性格ではなくて、お芝居という興味を持てたお仕事を続けられていることはとても有難いなと思います。
──とくに「この仕事で生きていこう」とスイッチが入った瞬間はなく、ずっとフラットな気持ちで?
そうですね。目の前のことを一生懸命やっていこうという気持ちでいます。一つの撮影が終わってしまうのは寂しいけれど、同時に新しいことが始まるところに、このお仕事の楽しさを感じています。
──現在地にたどり着くまでに、迷いもなく?
大丈夫だったかなぁとはいつも思っています。
──常に不安?
不安でもなくて……結果として大丈夫だったなら、それで良かったんだなっていう気持ちです…(笑)。
──(笑)。女優という職業は、ご自身に向いていると思いますか?
向いていると思ったことはないです。でも、作品の感想をいただいたり、自分が表現したことが誰かの心に残るって、改めてすごく嬉しいことだなって。そういうのもあって、自分はお仕事が好きなんだなと思います。
──これからもいろいろな役柄に挑戦されると思いますが、変わらずに持っていたいものを教えてください。
何度か「頑固だね」と言われたことがあるのですが、それが「お芝居にも出ている」と言われたことが自分の中に残っていて。初めはネガティブな意味として受け止めていたけれど、どうやらそうではなかったみたいなんです。そのときに、自分が「これでいいのかな」と思っていることを受け入れてくれる場所があることを知りました。この先も、ネガティブに捉えていた部分を好きになることがあるかもしれない。だから、あまり自分の中でネガティブを探さないようにしていきたいなって。誰かが「いい」と言ってくれるところを、自分の好きな部分に変えていくことが出来たらいいなと思っています。