写実画家役への挑戦は「必死にもがき、悩み抜いた」
西島秀俊×広瀬すず共演『存在のすべてを』キーパーソン役は志尊淳、未解決事件の“謎多き被害者”に
2026.09.18 06:00
Ⓒ2027「存在のすべてを」製作委員会 Ⓒ塩田武士/朝日新聞出版
2026.09.18 06:00
2027年2月5日(金)に全国公開される映画『存在のすべてを』に志尊淳の出演が決定し、ソロカットとコメントが解禁された。
原作は、数々の賞に輝いてきた塩田武士による傑作ミステリー小説『存在のすべてを』(朝日新聞出版刊)。同作は第9回渡辺淳一文学賞を受賞したほか、「本の雑誌」選2023年度ベスト10では第1位、2024年本屋大賞でも第3位に選ばれるなど各界から絶賛を浴びた。
物語の始まりは、1991年に発生した前代未聞の「二児同時誘拐事件」。一人はすぐに保護されたが、もう一人の少年・内藤亮(ないとう・りょう)は3年もの間行方が分からず、無事に帰還したのちも「空白の3年間」について一言も語らないまま事件は時効を迎えた。
それから30年、新聞記者・門田次郎(もんでん・じろう)は事件の真相を追い始め、画廊を営む土屋里穂(つちや・りほ)と出会う。彼女もまた、高校時代に絵を通じて不器用に心を通わせた内藤亮をずっと忘れられずにいた。一方の亮は、新進の写実画家として美術界に衝撃を与える存在へと変わっていく。
この重厚な物語の映像化で監督を務めるのは、『64-ロクヨン-』(2016年)や『ラーゲリより愛を込めて』(2022)など数々の名作を手がけてきた瀬々敬久。主人公・門田次郎役を『ドライブ・マイ・カー』(2021)で第45回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した西島秀俊が演じるほか、土屋里穂役には『三度目の殺人』(2017)で第41回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した広瀬すず。さらに仲村トオル、斎藤工、青柳翔、光石研、永島敏行、奥田瑛二ら日本映画界を支える名優たちが集結した。
志尊淳が演じるのは、彗星のごとく美術界に現れた謎の写実画家でありながら、実は未解決誘拐事件の被害者として物語の核心を握る内藤亮。未解決事件の真相を握る“沈黙の被害者”という影を抱えつつ、現代写実画家としての技術的な説得力も求められる難役となっている。さらに広瀬すず演じる里穂と心を通わせる高校生時代も演じ分ける必要があり、志尊にとって新たな挑戦の場となった。
志尊は、2018年に文化庁芸術祭テレビ・ドラマ部門「放送個人賞」、2019年にエランドール賞「新人賞」、第11回コンフィデンスアワード・ドラマ賞「主演男優賞」など、数々の権威ある賞を受賞してきた実力派俳優。徹底した役作りで作品ごとに声のトーンまで変える変幻自在な芝居を見せ、その演技力と表現力は各方面から高い評価を得ている。なお本作の役作りにあたり志尊は、本作に絵画の提供・監修を担当した現代写実画家・大畑稔浩のもとで写実の技法を一から学んだという。
併せて解禁されたソロカットは、自然光が差し込む室内でイーゼルとキャンバスを背に腰掛ける亮をとらえた一枚。多くを語らない抑えた表情から、「空白の3年間」を誰にも明かさなかった幼少期からの意志の強さと、孤独を胸に長い年月を過ごしてきたことが窺える。
志尊淳(内藤亮役)コメント全文
以前から拝見していた瀬々監督の作品に参加できる喜びを胸に、自分にできることを追求して臨みました。情に厚く、現場の先頭を走る監督に食らいついていくぞ、という熱量を持てるのは瀬々組ならではの魅力です。
初挑戦した写実画は、テクニックはもちろん、それ以上に本作のテーマにも通じる「写実画を通じて何を表現するか」を、役として咀嚼していきました。非常に奥深い世界ですが、役に説得力を持たせるためひたすら練習し、必死にもがきました。
演じる上では、月日を経た変化や描かれない空白の期間をどう構築するかを悩み抜きました。特に『沈黙』を体現する高校時代については、立ち姿やふとした仕草、独特の間合いなど、言葉に頼らない表現を徹底的に追求し、目に見えない空気感を作り上げました。
見る人や着眼点によって、捉え方が大きく変わる作品だと思います。是非劇場でこの世界を体感してください。
