2026.02.20 19:00
2026.02.20 19:00
自分の目で見たものしか信じない。迷いのない目で、彼女はそう言い切った。
『僕達はまだその星の校則を知らない』『ミーツ・ザ・ワールド』と話題作が続き、最旬女優の筆頭に躍り出た南琴奈。記念すべき初主演映画となるのが『夜勤事件』だ。
ホラー好きの間で話題をさらった同名ゲームを、『きさらぎ駅』シリーズの永江二朗監督が実写化。南は、夜勤バイト中に不可解な現象に巻き込まれるコンビニ店員・田鶴結貴乃を演じている。
ホラーや幽霊は苦手。一方で、虫も雷もバンジージャンプもへっちゃらだと言う。怖がりなのか、それとも肝が据わっているのか。19歳・南琴奈の内にあるのは、目に見えないものに対する畏怖と決別だった。

私だったら、夜勤には入りません(笑)
──情報解禁のときに「ホラー映画が少し苦手」とコメントされていましたが、撮影はいかがでしたか。
いろんな人から「ホラーの撮影の裏側ってこんなふうになっているんだと知れるから楽しいよ」と聞いていたんですけど、ちゃんと怖かったです(笑)。
撮影技法とか演出は新鮮なことばかりで。たとえば、私の演じる役はゲームのプレイヤーなので、額にカメラをつけて撮影するというシーンが結構あって。口を大きく動かすとカメラの位置がズレちゃうから気をつけなきゃいけなかったり、お茶を飲むときも口に持ってくると見え方的に下すぎちゃうので、もっと上に持っていかなきゃいけなかったり。いつもの作品とは勝手が違うところがたくさんあって、すごく楽しかったんですけど。今回はナイターシフトというのもあって、ずっと夜中の撮影で。しかも一人の撮影が多かったから、そんな孤独もあって結構怖かったです。
──となると、ホテルに帰ったあともちょっと怖かったりしません?
それが、他の作品がどんなふうに撮ってるのか知りたくて。ホテルに帰ったら、真っ暗な部屋の中、一人でホラー映画を観ていました。
──むしろ耐性がついていますね(笑)。今までは何にそんなに怖がっていたんでしょう。
たぶん小さいときに観たものを覚えてて、それで勝手に苦手意識を持っちゃったんだと思います。
──ちなみに当時何を観て怖かったか覚えてます?
『ほんとにあった怖い話』とか……。
──あれ、そんな怖かったですっけ?
あの頃は本当に怖くて……! 今回もまだ生身の人間がやっているやつは無理だなと思って、アニメならいけるかなということで、ホテルで『パーフェクトブルー』を観ていました。

──ホラー映画ならではの怖がるお芝居というのはどうでしたか。
すごく大変でした。体力的なこともそうですが、難しかったのが息遣い。結構カットが割られていたんですけど、ちゃんと画がつながるように、テイクが変わっても同じ感じの息遣いにしなくちゃいけなくて。監督に「さっきのテイクはもっと緊張感のある息遣いでしたか」って確認したり、「ここはもっと激しくてもいいと思う」と指示をいただきながら演じていました。
あとは、本当にびっくりしたときって、人って声が出ないと思うんです。でもホラーとして楽しんでいただくためには、悲鳴は欠かせない。より臨場感のある恐怖を感じていただくために、声の出し方も意識しました。
──結貴乃は夜勤バイト中に奇妙な出来事に遭遇していきます。もし南さんが結貴乃の立場だったらどうしてると思いますか。
まず夜勤を入れない……(笑)。

──大前提が崩れましたね(笑)。
だからたぶん何も始まらないと思います。結貴乃は果敢ですよね。自分からドアを開けていくから、すごいなって。
──この映画を観て、ワンオペ勤務は嫌だなと思いました(笑)。
嫌ですよね(笑)。しかもこのコンビニは結構田舎のほうにあって、周りに街灯もないから、自分が働くとなると考えられないです。
──同僚の店員さんも変な人だし……。
船橋さんですよね(笑)。たぶん船橋さんは船橋さんなりに結貴乃と距離を縮めようとしてくれているんだと思います。でも、あんな先輩がバイト先にいたら嫌です(笑)。 というか、このお話って出てくるキャラクターが全員怪しく見えるんですよ。信用できる人が一人もいない。会話をしているのに、できていないという人ばかりで、すごく不気味でした。この映画の怖さは、お化け的なものもありますけど、なんというか、人間の怖さなんじゃないかなという気がします。
次のページ
