世の中の“普通”は誰のもの?安田が企画に込めた思いとは
安田章大×のんW主演映画『平行と垂直』8月公開決定、“ASD”の兄と結婚控えた妹の心温まる物語
2026.02.13 07:00
©2026「平行と垂直」製作委員会
2026.02.13 07:00
SUPER EIGHT・安田章大とのんがW主演を務める映画『平行と垂直』が8月28日(金)に公開されることが決定した。
本作は、障がいのある兄と結婚を控える妹が紡ぐ心あたたまるヒューマンドラマ。安田章大が“劇団ふくふくや”を主宰し女優としても活躍する山野海のオリジナル脚本に感銘を受けて、旧知の佐藤現プロデューサーに「これを映画化できないだろうか?」と持ち込んだことから本企画が始動した。
主人公は自閉スペクトラム症(ASD)の兄・大貴とその妹・希。大貴は清掃の仕事に就き周囲のサポートを受けながら自立した生活を送っており、また、希はカウンセラーとして働きながらそんな兄を支えていた。2人の生活は変わることなく続くと思っていたが、希の結婚話をきっかけに兄妹はお互いのこれから、そして“これまで”に向き合うことになっていく。
監督を務めるのは、『毎日かあさん』(2011)『マエストロ!』(2015)など心あたたまる作品を生み続ける小林聖太郎。本企画に共鳴した小林監督は、ASDの専門家の方々に監修を仰ぎながら約2年をかけて脚本を練り、企画を実現させた。そして舞台となった大阪府堺市出身で、これまで3度の日本アカデミー賞音楽賞優秀賞に輝いた気鋭の作曲家・富貴晴美が劇中の音楽を手掛けている。
また、安田は役を演じるにあたり幾度となく専門家のレクチャーを受け、ASDなどの特性をもつ方々が通う教育機関を訪れて生徒の方々と交流を持つなどして理解を深めたという。一方でのんも本作の脚本に感銘を受けて希役のオファーを快諾し、実際に障がいのあるきょうだいを持つカウンセラーの方々から話を聞く機会を持つなど、誠実に役作りに取り組んだ。
安田章大(大貴役)コメント
この映画、“平行と垂直”は自閉症の大貴と定型発達の希、そんな兄妹の微々たる成長物語でありその2人と関わる人々が心に棲まわせる寛大、辛辣、はたまた無関心というあらゆる本音たちと共に生きていく物語です。
人は必死に生きていこうとすればする程沢山の否定と肯定、そして無視に出逢います。
僕は日々生きていてこう思うことが多々あります。
ただ病名が付いていて診断されただけで、定型発達の方の中には変わった表現者もいて、自閉症の方の中にも何ら変わりない表現者もいる。
どんな人も伝えたいことをしっかり思考を巡らせ持っていて何より気持ちが動いている。
ただ、表現することや伝達することが不得手なだけ。
少し時間がかかってしまったりするだけ。
街中では誰かがこんなことを口にします。
“普通は〜…”
いったい誰が定めた普通なのでしょうか。
僕が感じるにこうです。
”誰かが言う普通は、とある誰かにとっては異常”
“誰かが言う異常は、とある誰かにとっては普通”
意見を持つことも時に大事、しかし、それ以上に大事にする必要があることは“自分の中にはまだ存在してくれてなかった言動に対する受動力”です。
すると、新たな存在の種が芽生えます。
そして繋がり合えた同志は確実に世界が和みます。
その1つ1つが大きな気付きを世界に産み落とします。
僕たちって急な成長を望みたがるし、望まれます。
誰だってアゴあげ息切らして必死に息吸って吐いて懸命に生きてます。
だけど生きる速度は “人、それぞれ”。
生まれ落ち方が少しずつ違っただけで。
なのに、偏見という名の“安心材料になる普通”で判断しがちに感じています。
今日、日が明けてまた今日
また日が明けてまたしても今日。
僕たちは毎日微々たる成長しかないかもしれないけれど
誰かが誰かにおもいやりを持って生きてくれるだけでどれだけ心強くあったかくて、泣けてくるか。
忘れないでください。
「味方だよ。」
“平行と垂直”から少しでも伝播することの願いを込めて
安田章大
のん(希役)コメント
脚本を読んだ時、大貴と希の一生懸命に生きる姿が思い浮かんで、胸が締め付けられました。
参加できて、本当に嬉しく思います。
社会に溶け込んで生きていく上で何を頼りに自分を支えるのか。希は、何を支えにしているのか。
安田さんには感謝の気持ちでいっぱいです。大貴が素晴らしくて、毎日感動していました。安田さんのおかげで、希としてカメラの前に立てた気がします。
たくさんの方にこの物語が届きますように。
小林聖太郎(監督)コメント
山野海さんによるオリジナルシナリオ「平行と垂直」と出会ったのは2年前のことでした。
企画を立ち上げた安田章大さんと原案・脚本の山野海さん、プロデューサーの佐藤現さんとの4人で初顔合わせの日、いつの間にか其々の生い立ちや心の内を吐き出しあったあの時間が、その後のホン作りの核になったと思います。
人生にめったに訪れない不思議で豊かな時間でした。
世界はますます余裕をなくし相互扶助から遠ざかっていくばかりですが、人の善性を「偽善」だと大声で糾弾する「ホンネ」の荒波に呑まれるがままに「(経済的に)役立つものにしか存在意義はない」と嘯(うそぶ)くのはもう沢山です。
様々な困難を抱えた人と人とが、葛藤を抱えたり小競り合いを繰り返しながらも共に歩むことができるよう、この作品がその一助となればこの上ない幸せです。
「行く先を 海とさだめし しづくかな (成石平四郎)」