2026.02.06 14:00
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舞台『黒百合』が2月4日(水)より東京・世田谷パブリックシアターにて上演中。明治32年(1899年)に泉鏡花が読売新聞に連載した長編小説「黒百合」の舞台化で、藤本有紀の脚本、杉原邦生の演出により情緒豊かな鏡花作品を現代に浮かび上がらせる。
本作で盲目の恋人・拓〈ひらく〉(白石隼也)の目を治すため、魔所のそばに咲くと言われている幻の花・黒百合を探しに行く雪を演じるのが岡本夏美。自身のPodcast番組『岡本夏美の近距離ラジオ+』で「代表作になりそう」と話していた本作についてはもちろん、2024年のNHK連続テレビ小説「おむすび」出演を経たことでの変化、昨年夏より始めたYouTube Vlogチャンネルについてなど、さまざまな話題から近況を聞いた。

私にとって、白井晃さんは演劇界の父
──岡本さんは2024年にNHK連続テレビ小説「おむすび」に田中鈴音役で出演されました。朝ドラ出演は岡本さんにとってどのような経験になりましたか?
どの作品でも、自分の中で何か得られるものはないかを探しながら取り組んでいるので、他作品と同じようにいろんな経験をさせていただいていたのですが、観てくださった方がとても多かったので、沢山の視聴者の方との出会いの作品になりました。例えば、家族がわかりやすく喜んでくれたり、「おむすび」で私を知ってくださった方がいたりして、うれしかったです。
──単純に、毎日出ていたわけですしね。
そうですね。毎日、告知させてもらっているありがたさを感じていました。あと、あるカフェで朝ごはんを食べていたときに、ひょんなことから隣の席で朝ごはんを食べているおばあちゃん2人と一緒にご飯を食べることになったことがあって。そのときに朝ドラの話になり……。

──おお!
私のことに気づかれていたわけではなかったので、「ドラマに出てくる金髪のギャル、あれ私です」って言ったりして。最初は冗談だと思われていましたけど、最終的にはちゃんと信じてくれてハンドメイドのお守りを下さりました。その出来事をきっかけに、改めて「日常の中に朝ドラがある方が多いんだな」と感じました。たくさんの方に観ていただけるということは、作品のメッセージが多く伝わるということなので、またご縁があれば国民的な作品にも挑戦したいなと思っています。
──その気づきも素敵ですが、隣のおばあちゃんとご飯を食べることになるというコミュケーション能力もすごいですね。
私、知らない人と仲良くなりたくなっちゃうんですよ。舞台挨拶や顔合わせなどで、キャストが一堂に会するときは緊張してあまり喋れないんですが、知らない人とは話したくなっちゃって。

──そうなんですね。ここからは舞台『黒百合』について伺います。出演するにあたって、ありがたいご縁があったと「近距離ラジオ+」にてお話しをされていましたが、話せる範囲でその縁や経緯を教えてください。
今回の劇場は世田谷パブリックシアターです。シアタートラムでの公演には立たせていただいたことがあったので、今回もそのときにご一緒したスタッフさんも多くて。私はそういう、昔の作品でご一緒した方とまた新しい作品を作らせていただける機会が多く、今回もそういう大切なご縁を感じながら「ぜひやりたいです」というお話をさせていただきました。
──岡本さんご自身が縁を大切にしているからこそ、きっと縁が巡ってくるんですね。
そうだといいですね。あとは、世田谷パブリックシアターの芸術監督を務めている白井晃さんとのご縁もあって。私が本格的に演劇の舞台に立たせていただいたのが、白井さん演出の作品『春のめざめ』だったんです。その時に立ち方や、発声の仕方など演劇の基礎を0から教えていただいて。数年後、世田谷パブリックシアターのワークショップでひさしぶりにお会いした時、「お芝居が変わって、良くなってるね」と言っていただいたことがあり嬉しかったです。それを経ての今回『黒百合』の出演です。きっと白井さんもご覧になられるだろうなと思うと、私にとってはちょっと保護者参観のような気分です。演劇界の父なので(笑)。お客様の前に立つのとは違う緊張感もあります。

──世田谷パブリックシアターという劇場に対する思い入れや思い出もありますか?
もちろんです。高校生のとき、当時の限られたお金のなかで演劇を観るとなったら三茶に行っていたし、何度も観劇に救われたことがあります。いつかはこの劇場に立ちたいと思いながら、足を運んでいたので夢のようですね。今回、素晴らしい作品、素晴らしい役で出演させていただき身が引き締まる思いです。
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