11年磨き上げた俯瞰力で主演舞台『FFBE幻影戦争2』に挑む
初心を忘れず、自分なりのベストを積み重ねたい。M!LKリーダー・吉田仁人の人生哲学
2026.02.03 19:00
2026.02.03 19:00
飛躍の2025年から、初心の2026年へ。
「イイじゃん」「好きすぎて滅!」と立て続けにヒットを飛ばし、ボーイズグループの勢力図を塗り替えたM!LKのリーダー・吉田仁人は、熱狂の中にいながら、どこまでも真面目で、どこまでも冷静だった。
年末の音楽番組ラッシュを駆け抜け、迎えた新年。吉田のソロ活動は、主演舞台『FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE Ⅱ』からスタートを切る。
2024年に上演された第1作に続き、演じるのはリオニスの現国王であるモント・リオニス。再び主演を務めるが、吉田自身は自らを「主人公タイプではない」と分析する。一番星のようなスターが揃う芸能界で、自らの色を決して押し出さない吉田がなぜポジションを築けているのか。その強みは、徹底した俯瞰思考にあった。【記事最後にプレゼント情報あり】

座長として意識したのは、自分がいちばん謙虚であること
──まずは前作の振り返りから聞かせてください。あれだけ激しい殺陣というのはなかなか大変だったのではないでしょうか。
日本の刀とは違う、西洋の剣を使っての戦い方というのは今までやってこなかったので、本当に1からでした。素人的感想なんですけど、ただ振ればいいんじゃないんだなと。やっぱりステージ上でのアクションなので見せ方が大事。単に早く振るのではなく丁寧にラインを見せるとか、稽古ではそういうことを意識していました。
──しかもあの甲冑をつけてのアクションですからね。
甲冑もですが、難しかったのがマントです。あのマントが意外と重いんですよ。しかもファーもついているので、結構重心をとられそうになっちゃって。僕からするとマントをつけるなんて新鮮ですけど、モントにとっては普段から身にまとっているものなので、ちゃんと着慣れている感を出さなきゃいけない。
あとは姿勢ですね。僕が普段から猫背気味なんです。ちゃんとスッと立たないと威厳が出ない。そういう細かい体の動きも気をつけるようにしていました。
──しかも殺陣は一人で練習しているのと、実際に相手と合わせるのでは、また全然違ってきそうです。
アンサンブルの方は殺陣に関してもプロなので、僕はもうただただ合わせてもらっていた感じなんですけど、僕と同じようにあまり殺陣の経験がない方とやるときは本当にお互いひと苦労だったと思います。決められた型はあるものの、何かあったときにちゃんと柔軟に動けないといけない。だから、もし相手の動きがブレても咄嗟に合わせられるように余白を残すということは意識していました。
僕が普段やっているダンスはカウントがあるけど、殺陣にはカウントがないじゃないですか。だから、本当、息遣いとか、そういうところを見て合わせていかなきゃいけなくて。殺陣って見た目は派手だけど、実はすごく繊細なものなんだなと。単に勢い任せでやるんじゃなく、ちゃんと冷静に、今自分がどこからどう見えているか俯瞰して見るようにしていました。
──舞台で主演を務めるのも初めてでした。座長としてどんなことを心がけていましたか。
今まで僕もいろんな座長の姿を見させてもらって、どの方も圧倒的な座長感があった。僕にそれが務まるかというと、どう考えてもその器ではないので(笑)。だから、意識していたのは自分がいちばん謙虚であること。誰よりも深く学びに行こう、座組の全員に寄り添おう、ということを考えていました。
──謙虚という意味では、M!LKのYouTubeチャンネルにアップされた『ESCAPE それは誘拐のはずだった』の撮影裏側動画で、佐野勇斗さんからもう業界歴が長いのに「ずっと新人みたいな立ち振る舞いをしてる」とツッコまれていましたね。
歴関係ないですからね(笑)。現場に行ったら、現場ごとにその監督や制作陣の空気がある。僕は役者って駒だと思っているんですよ。初めてのチームにお邪魔するときも、自分を通すのではなく、いかにそのチームの空気に馴染めるかをいちばんに考える。特に『ESCAPE』の場合は2日しかいなかったので、さすがにアウェイすぎますよね。客人として行ってたという感じです、あれは(笑)。

──佐野さんとの距離感も、グループで一緒のときは違う感じがして、初々しかったです。
もちろん違います。彼は主演で、僕は出させてもらっている側なので、邪魔だけはしないようにしようと。わりとどの現場に入るときもリセット癖というか、1からスタートするということは心がけています。
──この現場でも謙虚であることを大事にしつつ、でも何かしらのタイミングで座長として士気を高める役割を求められることもあったと思うんです。そういうときはどうしていましたか。
たぶんそこだけ「やりましょう!」と言っても、誰もついてこないと思うんです。大事なのは、日頃の行いの積み重ね。普段からどれだけ自分が先頭に立って頑張っている姿を見せられるかだと思います。その上で真摯にみなさんと向き合って、ここぞというときに「最後までよろしくお願いします」と声をかけられる座長でありたいなというふうには思っていましたね。
──稽古場の雰囲気なんかも、座長のキャラクターによって結構変わります。
そこで言うと、僕はオンオフをはっきりしようというタイプでした。稽古が始まるぞってなったらバチッとスイッチを入れて、終わったら「はい、帰りましょう」みたいな。稽古の時間内にやるべきことを100%やり切って、あとはみなさんのためにすぐ帰るっていう。
──めっちゃ上司にしたいタイプですね(笑)。
それなりに芸歴というものを積ませてもらって気づいたことは、僕らがダラダラ残ってると、スタッフさんの帰りが余計に遅くなるんです。だから、みなさんのために早く帰る!メリハリはいちばん意識していたことかもしれないです。

──その他、前作をやってて大変だった思い出はありますか。
どう頑張ったって、徐々に体力も筋力も削られていくもので、そこのケアは難しかったです。剣を持つのが利き手じゃなかったというのもあって、後半は肩に関してはずっとテーピングをして電流を流していました。
──そうだったんですか。
成長期にダンスをやっていたのもあって、肩とか節々がカクカクいうんです。で、その部分が熱くなっていっちゃう。もちろん本番に影響を及ぼすほどのものではないんですけどね。そこが前回の反省だったので、今回、2回目ということで、少しでも対策をとれるように早いうちからトレーニングをしていました。
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