映画『この本を盗む者は』で初主演飾る注目女優の思考に迫る
知らない自分に出会えるから、演じることへの興味は尽きない。片岡凜が人生で目指す表現の形
2026.01.15 18:00
2026.01.15 18:00
書き溜めている小説はいつか外に出せたら
──この作品は「本」がキーワードになっていますが、片岡さんのSNSを拝見していると日本語の使い方が素晴らしいなと思うんです。普段から本をよく読んでいるからなのでしょうか?
そうですね。本を読むのも好きですが、文章を書くのもすごく好きなんですよ。小説は小学校1年生くらいのときから書いています。

──読むのも書くのも好きなんですね。
でも実は、最初は書く方から入ったんです。今でも覚えているんですけど、最初に書いたのは『青い龍』というタイトルの長い物語でした。
──ファンタジーのような物語を自分で作るのがお好きだったんですね。今回の作品は片岡さんのような本好きや、物語を作るのが好きな人にとって響くものがありそうですね。
そうですね。本を読んでいると、その世界に入りたいと思う人もいっぱいいると思うんです。この映画ではそれがそのまま表現されているので、私にはドンピシャでした。
──小説を書くのは今でもコンスタントにやられているんですか?
はい、たまに書いています。いつか外に出せたらいいな……と思いながら書き溜めています。
──これまでネット上の投稿サイトや、ブログなどで発表することはなかったんですか?
やってなかったですね。ひたすら書き溜めて自分のパソコンのフォルダに入れていく、という感じです。読み返しもせず、どんどん溜まっていくんですよ。
──どのくらいの量が溜まっているんですか?
多分すごい量があると思うんですけど(笑)、完成していないものも多いです。ファンタジーで書いていても「これも入れたい、あれも入れたい」と思うとどんどん終わらなくなってしまって……そういうのがいっぱい溜まっています。

──でも表現の形としては、文章を書く方ではなく、“演じる”道を選んだ。それはなぜですか?
幼少期から「表現者になりたい」という思いはずっとあったんです。でもいざ自分の道を決めなければいけないとなったときに、「自分の体を使って、何か表現をして人に届けたい」という気持ちが最終的にとても強くあった。そこが決め手でした。
──表現者になりたいと思ったのは、何か身近にご家族などモデルケースがあったからですか? それとも自然発生的なものだったのでしょうか?
家族の影響では、父が観ていた海外ドラマ『ブレイキング・バッド』を一緒に観たのがきっかけですね。そこからやりたいことが明確になった、という感じです。自分が何をしたかったのかわかったと、心が揺らいだ感じがすごくあったので、そこの影響が強いのかな……と思います。
──文章だったり、他の表現方法を続けていることが演技の仕事に活かされていると思うことはありますか?
例えば本を読んでいても書いていても、登場人物の癖を考えることが多いんですよ。文字だけの世界でも、基本的にいろんなところにアンテナを張って読んだり書いたりするので、「この人はどんな癖があるだろう」と考えたりする。読みながらそういう発想のバリエーションを持っておくと、実際にお芝居をするときに「この人にこういう癖をつけたらいいんじゃないか」と思って活かすことができたりするんです。そういったところでとても役立っています。

──映画の公式Instagramで「好きな本」として歌野晶午さんの『葉桜の季節に君を想うということ』を挙げられていましたよね。ミステリーがお好きなんですか?
そうなんです! ミステリーやサスペンスが本当に好きで、そういう本ばかり読んでいます。
──他に、これまで読んで面白かった本や好きな作家さんを教えていただけますか?
伊坂幸太郎さんが好きですね。特に『ゴールデンスランバー』とか大好きです。
次のページ
