映画『この本を盗む者は』で初主演飾る注目女優の思考に迫る
知らない自分に出会えるから、演じることへの興味は尽きない。片岡凜が人生で目指す表現の形
2026.01.15 18:00
2026.01.15 18:00
女優としてのデビューは2022年。そこから連続テレビ小説『虎に翼』、日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』などの注目作で印象に残る役を演じ、Xでの独特の文章でも常に話題を呼ぶ片岡凜。そんな彼女が声優初挑戦にして初主演を務めたのが、本屋大賞ノミネート作を長編アニメーション映画化した『この本を盗む者は』だ。
2026年も話題のドラマ・映画への出演が次々と決定し、一気に注目の存在へと躍り出た片岡だが、SNSの印象からもその“素顔”が気になる人は多くいるのでは? 今作における挑戦と彼女の“表現”に対する考え方が垣間見える、そんなインタビューをお届けする。

『コブラ』で声優の仕事に興味を持ちました
──俳優としては着々とキャリアを積まれていますが、今作では「声優」に初挑戦ですよね。もともと声優には興味があったのでしょうか?
はい、すごく興味はありました。実写のお芝居とは違う表現方法に挑戦したかったので、お話をいただいて「ぜひやらせてください!」と。
──声優の仕事に興味を持った理由やきっかけは何だったんですか?
小さいときからアニメをよく観ていて……『コブラ』ってわかります?
──『コブラ』!
あと『あしたのジョー』とか。そういう作品をよく観ていて、声優さんの仕事ってどういうものだろうという興味がありました。
──いやわかりますけど、まさかの作品の名前が出てきてちょっと動揺してます。それはお父様の影響ですか?
そうです。そんなにたくさん観ていたわけではないんですけど、観るとしたらそういう昭和のアニメとかが多かったんです。そこから興味を持つようになりました。

──実際に初めてアフレコを経験されると、同じ「演じる」でも勝手が違ったりはしませんでしたか?
いやもう、全然違いました! 普段は美術さんが用意してくださったセットの中で、現場の空気感の中で演じることが多いんですけど、アフレコでは自分でその世界に入り込まないといけない。それがまず大変でした。声のトーンも普段よりオーバーにしなければいけなかったり、本当に180度、全て違いましたね。
──後半の方はアニメ―ションがまだ完成していない状態で声を当てなければならなかったと聞きましたが。
そうです。途中からはラフな画面のまま声を当てていたので、表情が見えなかったりしたんですね。どんな顔をしながらこの子が喋っているんだろう? というのを常にいろんなパターンを考えながらやらせていただいていました。
──悩んだり難しいなと思う場面はありませんでしたか?
もちろんたくさんありました。でもその度に、監督と音響監督の皆さんが、アドバイスをくださったり、一緒にいろいろ考えてくださったりして。そこはとても心強かったです。
──最初に原作を読まれたとき、この作品としての魅力はどんなところに感じられましたか?
文字だけでどこまで想像できるのか、と……想像の可能性が無限大にどんどん広がっていくような感じがして、そこが素晴らしいなと思いました。また、文章に出てくるいろんな表現の仕方が好きで。例えば夕日を「溶かしたバターのよう」と表現したり。そういうところが素敵だなと思いました。
──今回演じた深冬というキャラクターについてはどう思われましたか?
原作と台本、両方を読ませていただいて、ちょっとツンツンしているような……普通の女子高生ではあるんですけど、少しトゲがあるような子だなという印象を持ちました。その最初の印象を大事にしながら演じていきました。

──監督とは、深冬のキャラクターについてすり合わせていったり、話し合いはあったのでしょうか?
結構ありましたね。面倒くさがっているような声を出すということや、結局面倒見はいいので、ちゃんとケアしてあげるところとのギャップとか。そういうところは監督と常に相談しながら演じていきました。
──そういう深冬のキャラクター部分は、収録前に監督としっかり決めていった感じですか? それとも現場で一緒に作っていった感じだったのでしょうか。
現場での調整が多かったですね。リハーサルで事前に声を出しながらのお芝居の指導を1回だけ受けたんですけど、そのときに全て固めたというよりは、毎回毎回の収録ごとに作っていく感じでした。主人公なので可愛い部分は感じていただきたかったので、冷たすぎる印象を与えないように、高校生らしい可愛さとの割合を調整しながら演じるのは意識していきました。実際、自分と年齢もそんなに離れていなかったので、違和感なく演じられる役柄だったのはありがたかったです。

──(劇中、一緒に行動する真白役の)田牧そらさんとずっと2人で収録されていたと聞きました。
そうなんです! 最初から最後まで、ずっと2人でアフレコをやらせていただきました。 その空気感がすごく心地よくて。一緒に収録しているうちに掛け合いもどんどんなじんできて、そのおかげでより収録しやすくなっていったような気がします。
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