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INTERVIEW

ヨーロッパ企画の新作舞台で感じた役者人生初の楽しさとは?

新しい現場には、いつも初心で。金子大地がマイペース主義でも“挑戦の道”を選ぶ理由

2026.01.05 18:00

2026.01.05 18:00

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俳優にとって、眼差しほど武器になるものはない。ただ、画面に現れただけで、心を射抜かれる。自然とその奥に閉ざされた感情を覗き込みたくなる。類い稀な瞳の翳りを持った金子大地は、俳優になるべくしてなった人だと思う。 

けれど、本人は謙虚というよりも、むしろ自信がなさそうに「全然です、まだ」とかぶりを振る。自分の芝居に対し、納得も満足もしてない。普段は「ずっと家に引きこもっている」と恥ずかしそうに笑う。芸能人特有のきらびやかさとはまるで無縁の人だ。 

そんな金子大地が挑むのが、人気劇団・ヨーロッパ企画の新作舞台『インターネ島エクスプローラー』。謎の孤島に迷い込んだ冒険家たちの物語で、エリート冒険家を演じる。 

が、当の本人は冒険心はまるでないと言う。でも、役者という果てのない道を選んだ時点で、もうすでに冒険家みたいなものだとも思う。2015年、ドラマ『カサネ』で俳優デビュー。もがいて、あがいて、苦しんで、その中で光を掴んできた金子大地の10年の冒険の日々を振り返ってもらった。 

みなさんのエチュード慣れが半端じゃない

──金子さんにとっては初のヨーロッパ企画ですが、作・演出の上田誠さんとは以前、『魔法のリノベ』というドラマでご一緒でしたね。

はい。そのときの僕の感じを面白いと思ってくださって、今回呼んでいただきました。オファーのときに上田さんからお手紙をいただき、そこに「何回も巻き戻して観るくらい面白かった」と書いてくださっていて、うれしかったです。ただ、『魔法のリノベ』のときは(演出の)瑠東(東一郎)さんが面白く演出してくださったからできたというところもあるので、今回ちゃんと期待に応えられるかなって、ちょっとまだドキドキしています。

──今回の稽古場では、なんでもエチュードをしながら台本をつくっているそうで。 

そうなんです。エチュードの稽古自体初めてでした。やっぱりヨーロッパ企画のみなさんはエチュード慣れが半端じゃないんです。僕が頭真っ白になりながらやっているところも、全部劇団のみなさんが拾ってくださって、本当助けられてばかりです。だんだん少しずつ慣れてきて、ようやく最近のびのび自由にできるようになってきた気がします。

──エチュードは何かお題が出るんですか。

“未踏の謎の島がある”、“その中にはこういうものがある”という設定と、“こういう流れにしていくつもりです”というおおまかな展開をいただいて、あとはもうじゃあやってみましょうと。で、僕たち役者が実際に動きながらつくっていくのを見て、ちょっとブレてるところがあったら上田さんが「そこはこういうふうに言ってみて」と指示をくださるという感じです。

──役者としては丸腰で放り出されるような緊張感がありますね。

自分の引き出しの中から全部出していかなきゃいけない難しさはあります。ただ、無防備ではありますが、ズレてたら上田さんが直してくれるという安心感があるので、不安要素がなく、むしろ結構楽しいです。何よりヨーロッパ企画のみなさんの雰囲気がアットホームなんです。なんでも自由にやっていいよという優しい空気が流れているので、僕も気を遣わず勇気を出して試せているんだと思います。

 ──それぞれ役の性格というか、基本的な設定みたいなものは決まっているんですよね。

はい、僕はエリート冒険家で、すごい英才教育を受けてきて今まで何不自由なく育ってきた設定です。与えられているのはそれくらいで、あとはもう自由にやらせてもらっています。

『インターネ島エクスプローラー』より金丸慎太郎、金子大地
(撮影:井上嘉和)

──事前に台本がある普段のお芝居とはまったく役のつくり方が違うと思います。そのあたりはやっていていかがですか。

あ、だから稽古をやるたびにちょっとキャラが変わったりしています。今日はこういう感じでやってみよう。と、毎日同じことをやるのではなく、いろいろとパターンを試しながら、その中で面白いものを選んでいくというつくり方はすごくいいなって、やりながら実感しています。

──どうですか。今のところ上田さんのツボにクリーンヒットできた手応えはありますか。

(小声で)いや、ちょっとわからないです(笑)。上田さんはどう思っているんだろう……。実際の台本で僕がエチュードで言った台詞がそのまま使われていたら、上田さんにヒットしたということだと思うんですけど。まったく使われていない可能性もあるので、そのときは「あ、面白くなかったんだな」ってなると思います(笑)。

──ヨーロッパ企画といえば個性派の俳優さんが揃っています。その中でもひとり特にこの方が面白いという人を金子さん目線で選ぶとすると?

難しい! 本当にみなさん面白いんですよ。みんな面白くて選べないんですけど、強いて選ぶなら金丸(慎太郎)さんかな。今回、金丸さんはほぼ出ずっぱりになると思うんです。入れ替わり立ち替わり出てくるいろんなキャラクターに対し、エチュードでも見事な返しをされていて。すごいなと思いながら、稽古を見させてもらっています。

──金子さんとしてはアウェーの環境なわけですが、もうヨーロッパ企画のみなさんと仲良くなれた実感はありますか。

ありがたいことに初日で距離はなくなりました。とにかくみなさん優しいんです。一緒にご飯も行かせてもらったり、僕が緊張しないように接してくださるので、本当みなさんに助けられているという感じです。

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これまでで一番「冒険」したと思う仕事

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作品情報

ヨーロッパ企画 第44回公演『インターネ島エクスプローラー』

ヨーロッパ企画 第44回公演『インターネ島エクスプローラー』

【東京】2026年1月7日(水)~25日(日) 本多劇場
【仙台】1月28日(水) 仙台銀行ホール イズミティ・21 小ホール
【魚津】1月31日(土)、2月1日(日) 新川文化ホール 小ホール
【大阪】2月6日(金)~8日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
【広島】2月11日(水祝) JMSアステールプラザ 大ホール
【北九州】2月14日(土)、15日(日) J:COM北九州芸術劇場 中劇場
【高知】2月18日(水) 高知県立県民文化ホール グリーンホール
【横浜】2月21日(土) 関内ホール
【名古屋】2月25日(水) 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)大ホール
【倉吉】3月1日(日) エースパック未来中心(鳥取県立倉吉未来中心)大ホール
【札幌】3月7日(土) 札幌市教育文化会館 大ホール

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

作・演出:上田誠
音楽:王舟

出演:石田剛太 金丸慎太郎 酒井善史 角田貴志 諏訪雅 土佐和成 中川晴樹 永野宗典 藤谷理子 / 呉城久美 金子大地

1996年生まれ、北海道出身。'15年に俳優デビュー。近年の出演作は初主演ドラマ・NHK「腐女子、うっかりゲイに告る。」('19)、テレビ朝日「おっさんずラブ」('18/'24)、NHK「大河ドラマ 13人の鎌倉殿」('22)、NHK BSプレミアム「犬神家の一族」('23)や、初主演映画『猿楽町 で会いましょう』('21)、『手』('22)、『Winny』('23)、『52ヘルツのクジラ』('24)、『ナミビアの砂漠』('24)などに出演。
受賞歴/コンフィデンスアワード・ドラマ賞 新人賞('19)、TAMA映画賞 最優秀新進男優賞('21)

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