2025.12.14 17:00
2025.12.14 17:00
寺西さんの登場があまりにもシュールでNGを出してしまいました(笑)
──「母親らしくいよう」という考えを捨てたのはどうしてですか?
今の私が「母親らしくいよう」と思って母親をしても、結局はそれって嘘になるんじゃないかなと思って。翔真くん役の上村駿介くんは撮影も初めてだったので、“母親になる”とかそういうことよりも、ただただ駿介くんが撮影に来るのが楽しみになる日々を過ごそうということをテーマにしていました。現場ではなるべく手を握らせてもらっていたり、本当のお母様ともコミュニケーションを取らせていただいて、好きなゲームを聞いて一緒にゲームをしたり。撮影期間中に私の誕生日があったんですが、駿介くんがお手紙とプレゼントをくれました。すごくうれしかったです。

──大原さんの「駿介くんが撮影に来るのが楽しみになる日々を過ごそう」というテーマは実現できたんですね。
そうだといいですね。駿介くんは私のことを「凪ママ」と呼んでくれて。仲良くなれたと思います。
──役作りを含めて、大原さんのなかで固めていったものが多かったと思いますが、諸江亮監督の演出や声かけで印象的だったものはありますか?
衣装合わせのときに凪という人物の生い立ちをとても細かく文字に起こしたものをくださって。その詳細をいただいて現場に入れたので、軸がしっかり出来上がった上で現場に入れたのは非常にありがたかったですね。現場では、基本的に自由にやらせていただきました。温かく受け入れていただいたような感覚でした。
──主演の寺西拓人さんなど、共演者のお芝居や現場の居方で印象的なものはありましたか?
1番多かったのは寺西さんとのシーンでしたが、寺西さんはすごくおおらかで、フラットに現場にいらっしゃる方でした。どんなにシリアスなシーンでもいつもと変わらない姿でいらっしゃって。すごく穏やかな現場でした。

──特に印象的だったやり取りを挙げるなら?
(笑いを堪えながら)あの……凪と宇佐美が出会うシーンで……。ネタバレになってしまうので詳しくは言えないのですが、寺西さんがあることをしながら登場するのですが、それがあまりにもシュールで。ここ最近で1番笑ったんじゃないかというくらい笑ってNGを出してしまいました(笑)。でも監督は何にそんなに笑っているのかわからなかったようで困惑させてしまいました。
──台本を読んでいるので、その姿で登場するのはわかっていたと思うのですが、それでも面白かった?
はい。想像以上にシュールで。ご迷惑をおかけしました(笑)。

──良い雰囲気での撮影だったんだろうなということが伝わってきます。先ほど、お母様と撮影中に会ったというエピソードを教えてくださいましたが、そのほかに撮影で印象的だった出来事はありますか?
鹿児島の夏の風物詩と言われている実際のお祭り「おぎおんさぁ」に参加して撮影したことです。この作品はシリアスなシーンやちょっとしたアクションシーンなどもあるので、穏やかなお祭りのシーンは良いスパイスになったなと思いました。
──ご自身がヒロインの映画で、地元のお祭りに参加できるというのは喜びもひとしおだったのでは?
そうですね。先日鹿児島に帰ったんですが、鹿児島の至る所に映画のポスターが貼ってあって。鹿児島の方がとても盛り上げてくださっているんだなと感じたことも、すごくうれしかったです。
──撮影期間はご実家から通われていたということですが、ご実家から撮影に通うのはいかがでしたか?
撮影の現場にいる時間が長くて、帰ってもお風呂に入ってすぐ寝るみたいな生活ではあったんですが、その中でも家族がフルーツを用意してくれていたり、誕生日を祝ってくれたりして。すごく思い出深い撮影期間になりました。

──そんな和やかな気持ちで撮影した『天文館探偵物語』ですが、大原さんが本作から受け取ったメッセージはどのようなものですか?
「守りたい人たちがいる。その想いが勇気になる。」というキャッチコピーが付いている通り、登場するキャラクターそれぞれに、守りたいものや人がいる。私が演じる凪にとって守りたい存在は翔真で、その気持ちを原動力にいろいろな人と交わっていく姿がとても人間らしくて素敵な作品だなと感じています。それと、鹿児島県民の方はちょっとドキッとするくらいリアルな鹿児島が描かれています。いろいろな面で発展していく鹿児島市ですが、変わらないでほしいと願う景色が鹿児島にもあって。それが映像にもちゃんと残っています。これが鹿児島だけでなく、全国の方に届いていくということがうれしいです。
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