2025.11.24 12:00
©︎2025「君の顔では泣けない」製作委員会
2025.11.24 12:00
11月14日(金)より全国公開中の映画『君の顔では泣けない』より、SNSでも話題の本編シーンが解禁された。
主演に芳根京子、共演に髙橋海人を迎えた本作は君嶋彼方による同名小説の実写映画化。これまで数々の名作が生まれてきた“入れ替わりもの”に「15年も入れ替わったまま」という独自の設定を加わった新たな物語で、2021年9月に発売された原作は第12回「小説 野性時代 新人賞」を受賞するなど大きな注目を集めた。
キャストには、入れ替わってしまう坂平陸(さかひら りく)と水村まなみを初共演の芳根京子と髙橋海人が演じるほか、高校生時代の陸とまなみを西川愛莉と武市尚士がフレッシュな魅力で表現。さらに注目俳優の中沢元紀、前原滉、林裕太がそれぞれ入れ替わる二人に密接に関わるキーパーソン役として出演し、大塚寧々、赤堀雅秋、片岡礼子、山中崇が陸とまなみの両親役として物語を支える。『決戦は日曜日』(22)の坂下雄一郎が監督を務め、入れ替わったまま大人になっていく二人の時間を切なく、瑞々しく描き出した。
15歳から入れ替わった人生を過ごしてきた陸(芳根京子)とまなみ(髙橋海人)は、誰にも言えない秘密を抱えながらも互いを励まし合い15年、互いの体で様々なライフイベントを経験していく。苦しい時も辛さや苛立ちをぶつけることはせず、明るく振舞うまなみにいつしか支えられていた陸だったが、陸の“本当の”父親が亡くなってしまうことで、これまでどこにも吐き出せなかった気持ちが堪えきれず溢れ出してしまう。自らの父親を本当の姿で看取ることも、一番辛い時に母親に寄り添うこともできず、本当の息子であるのにも関わらず、他者として接する母親はまなみと肩を寄せ合って悲しみを共有していた。そんな状況に耐えきれない陸は、「本当の坂平陸は俺だ」ということを家族に伝えたいとまなみに言い出す。
今回解禁となったのは、そんなやけくそにも思える陸の提案から、二人が初めてお互いの感情をぶつけ合うシーン。冷静になってやめたほうがいいということを伝えようとするまなみだが、「幸せそうに生きてるやつには分からない」と陸が攻撃的に畳みかけられたことで、まなみも「坂平くんは私の人生に関わろうとしすぎなんだよ」と言い返す。ついに陸が「ショックだわ。“運命共同体”みたいなもんじゃないの、俺ら」「お前さ、元に戻る気ないだろう?」と踏み込んだ冷たい言葉を放つと、まなみは「戻りたくないわけないでしょ」と感情を露わに。そして陸の「俺の顔で情けなく泣かないでくれる?」という台詞で映像は終わる。
まなみが発する「戻りたくないわけないでしょう」という台詞は、感情が昂って言葉に詰まったテイクが敢えて本編に使用されており、このシーンについて坂下監督は「よりリアルに感じた」と髙橋を絶賛。さらに、演じた芳根も「2度と言いたくない」と思ったという「俺の顔で情けなく泣かないでくれる?」と冷たく突き放すような言葉も印象に刻まれるものとなっており、観客の心を強く揺さぶるシーンとなっている。
公開直後から「入れ替わりモノの一つの頂点と言ってもいい映画」「久々に映画館でドカ泣きしてしまった」など絶賛の本作。映画通たちの評価も高く、その切ない15年の物語に多くの口コミが寄せられている。
