上演中の『マリー・キュリー』で初共演した互いの印象は?
「本読みでこんなに感情が高ぶったのは初めて」昆夏美と鈴木瑛美子が語る“寄り添える”ことへの感謝
2025.11.04 17:00
2025.11.04 17:00
マリーは「守られる役」と「守る役」両方のアプローチで演じていきたい
──鈴木さんはアーティスト活動もされていますが、ご自身で歌う歌とミュージカルでの歌、それぞれのギャップや影響はありますか?
鈴木 影響はかなりあって、ミュージカルで学ぶ芝居の感情の作り方を自分の曲にも持ってきたりします。でも歌い方とかそういうのはあまり変わらないんですけどね。ただ、もうちょっとウェイウェイしているか……ポップにウェイウェイしているか、真面目に芝居しているかの違いです。鈴木瑛美子か、演じる役か、というだけの差。

──ウェイウェイしている……?
鈴木 そうなんです。これは、私のライブを観に来られた方はわかりますよ。ウェイウェイしてるんですよ(笑)、お客さんを煽ったりもしますし。ただ、スタンディングじゃないタイプの会場なので、お客さんは座って見守ってくれる感じです(笑)。
──お二人にとって、今作『マリー・キュリー』の音楽はどう思われますか?
鈴木 いやもう、とんでもないです!音楽オタクが作ったんじゃないかというぐらいの(笑)、リズムだったり音階の飛び方だったり……こだわりがとにかくヤバいです!
──……大変ということですかね?
鈴木 大変! でも本当に、すんばらしい! 本当にすごいんです。
昆 本当にそうなんですよ。本当に難しい、難しいけど本当にいい曲! 聞けば聞くほど素晴らしいんですよ。そこもぜひ、初めて観る方は楽しみにしていただきたいです。
──昆さんは今回マリー役が「挑戦」であるように、キャリアを重ねてきたことでオファーされる役柄も変化があるのではと思います。ご自身の中では、役への向き合い方やアプローチの変化はありますか?
昆 役によってアプローチは変えなきゃいけないな、というのは思っています。役の年代というよりも、例えば若い時に演じていた役だと「誰かに守られる役」が多かったりするけれども、大人になってくると「誰かを守る役」になったりする。そういう違いがあると、当然アプローチを変えなくてはと思いますし。実は今作に関しては、最初は「マリーの物語だな」と思ったんですけど、稽古を進めるうちに、マリーはアンヌやピエールにもすごく守られている女性だなと思うようになり。でもマリー自身も、科学でみんなを守りたいという思いがある。今まで「守られてきた役をやってきた自分」と「守ってきた役をやってきた自分」、その両方をエッセンスとして取り入れながら演じていけたら、と思っています。

──そういえば夏にInstagramで韓国に行かれたことをアップされていましたが、『マリー・キュリー』の韓国版は観られたのでしょうか?
昆 実は観てないんですよ。この前行った時は韓国版も上演してたんですけど、それを観ることで「こうしなきゃいけない」という先入観が入ってしまうような気がして……日本初演版は観ているので、それでいいかなと。他の作品と、おいしいものを食べるのがメインの旅行でした(笑)。
──鈴木さんは写真撮るのがお好きだと過去のインタビューで言われていましたが、今も続けていますか?
鈴木 変わってないです。私、写真撮るのも趣味なんですよ。バイクもなんですけど、それこそ写真撮るためにバイクでちょっとどこかに行く、なんてのもします。あと絵も。最近はスマホで指で描いていることが多いんですけど、ほんとはもっとちゃんとした画材で描きたいなと。
昆 えー、凄い!
鈴木 いや、勉強ができなくてアートに全振りっていうだけなんですよ(笑)。国語力は頑張らないと、って思ってるところで……数字はもう二桁の足し算からギリギリ。
昆 いやでも、今は電卓もあるしね(笑)。
鈴木 お釣り計算も苦手で……ただ、5円玉を作るのは得意です! これは神社に行くためなんですけど。財布の中が5円玉になるように。家にも5円玉用財布があります。
昆 私、5円玉集めたことないや。
鈴木 私の財布の中、こんな感じですよ(注:小銭入れから2〜30枚以上の大量の5円玉を出しながら)
昆 えー、すごっ!? えっ、そんな数いる!?
鈴木 神社もこんなには行けないのに、なんかもう、癖になっちゃって。集めなきゃっていう。
昆 え、だってものすごい数あるよ……ここまであったら100円玉に替えた方が良くない?
鈴木 100円は100円で必要なのよ。5円玉と組み合わせてお賽銭にするから。

──昆さんは本業以外の表現活動や、人に言える趣味みたいなものは何かありますか?
昆 ないですね……料理は好きですけど、「私の趣味です」って語れるものは本当にないかも。だから今聞いて「すごいな」ってなってます。
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