大阪で開催中の企画展では限定特典付ムビチケを販売
80年代の坂本龍一を記録した『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』4Kレストア版公開日決定
2025.09.16 11:00
©Elizabeth Lennard
2025.09.16 11:00
坂本龍一の幻のドキュメンタリー『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』4Kレストア版の公開日が1月16日(金)に決定し、本ポスタービジュアルが解禁された。
本作は、写真家でもあるエリザベス・レナード監督とフランス国⽴視聴覚研究所(INA)が1984年に制作したドキュメンタリー。ニューヨーク生まれのマルチメディア・アーティストであるレナード監督は、ジェリー・ルイスやシャンタル・アケルマンのポートレート撮影を手がけ、アンディ・ウォーホルやポール・シュレイダー監督作『三島由紀夫の四季』(1985)の撮影現場にも関わった。1983年、レナード監督がカンヌ国際映画祭で『戦場のメリークリスマス』のプレミア上映を観たことがこのドキュメンタリー制作のきっかけになり、坂本が4枚目のソロアルバム『音楽図鑑』を制作し始めた1984年5月頃、東京で1週間という短期間で撮影が行われた。
わずか60分余りの16mmフィルムには、スタジオでのレコーディング⾵景やインタビューを通して、当時30代だった坂本が価値観、⾳楽哲学、⽂化について語る姿が収められている。また、坂本が⾳楽を担当・主演した⼤島渚監督作『戦場のメリークリスマス』(1983)、YMOの散開コンサートやプロモーションビデオの映像に加えて、かつて新宿にあったアルタや渋⾕のスクランブル交差点など生き生きとした1980年代の東京の⾵景も映し出され、「坂本の⽬と、彼のポートレートを通して⾒た東京の⾳」(レナード監督)を体感することができる貴重な作品となっている。
公開当時、何よりもまず坂本龍一の日常をフィルムに収めた初めての映画として注目を浴びた本作は、フランス国内でテレビ番組として放送され、1985年2月にオランダのロッテルダム映画際で大絶賛を浴びた。同年4月にはニューヨーク近代美術館主催のフィルム・フェスティバル「ニュー・ディレクターズ、ニュー・フィルムズ」から上映招待を受け、全出品作のうち唯一ソールド・アウトを記録。さらにロカルノ映画祭、サンパウロ国際映画祭で上映され、日本では同年6月9日に第1回東京国際映画祭でのみ公開された。その後発売されたVHSとDVDは入手困難な状況が続いたが、最近になって倉庫に眠っていた16mmフィルムが発見され、修復を経てデジタル化が実現。今年1月17日、坂本の誕生日に開催された「坂本龍一|Birthday Premium Night 2025」で特別上映が行われた際には、チケットがわずか2時間で完売した。
解禁されたポスタービジュアルを手掛けたのは、デザイン&アートユニットGOO CHOKI PAR。80年代ポップを思わせるデザインコンセプトについて、GOO CHOKI PARは「ある時代、ある創作の日々。そのかけがえのない瞬間をすくい取るように、ポスターデザインは新聞のレイアウトを想起させる構成で、記録と記憶の描写を静謐に表現したいと思いました。さらに音の波を思わせる粒子状のグラデーションを組み合わせて、日々音楽に満ちた坂本さんの時間の連なりを視覚的に描き出しています」と語っている。
なお、大阪で行われている初の大規模企画展「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」では、明日9月17日(水)より会場限定のムビチケ前売券(カード)の先行販売も決定。購入特典のポストカードは、大阪会場でしか手に入らない限定版仕様となっている。

©Elizabeth Lennard