2025.07.26 12:00
©︎2025 A Pale View of Hills Film Partners
2025.07.26 12:00
9月5日(金)より全国公開される映画『遠い山なみの光』から広瀬すずと二階堂ふみの新場面写真が解禁された。
原作は、2017年にノーベル文学賞を受賞した小説家カズオ・イシグロの鮮烈な長編デビュー作。日本人の母とイギリス人の父を持ち、大学を中退して作家を目指すニキ(カミラ・アイコ)は、長崎で原爆を経験した後イギリスへ渡った母・悦子(広瀬すず/吉田羊)の半生を作品にしたいと考える。ずっと口を閉ざしてきた悦子は娘に乞われ、戦後間もない長崎で出会った佐知子(二階堂ふみ)という女性とその幼い娘と過ごしたひと夏の思い出を語り始める。ニキは初めて聞く母の話に心揺さぶられるが、次第にその物語の食い違いに気づいていく。
解禁されたのは、戦後復興期の活気溢れる長崎で夫と共に暮らしている主人公・悦子と、ミステリアスで凛とした強さを放つ佐知子、その幼い娘の万里子を捉えた場面写真7点。時代を感じさせるレトロな街並みの中、万里子が夏祭りの射的で当てた一等賞を手にし、嬉しそうに歩く3人のリラックスした笑顔カットや、ひときわ華やかなスカーフを首に巻いたモダンな装いで佇み、悦子と万里子を静かに見つめる佐知子の意味ありげな表情を捉えている。さらに、楽しげな夏祭りとは打って変わり、佐知子の家で神妙な面持ちを浮かべて話す悦子と佐知子の姿はただならぬ雰囲気を感じさせる。

佐知子役の二階堂ふみ、娘役の鈴木碧桜、悦子役の広瀬すず
また、悦子が綺麗な和服を装い、出先で何かを気にするかの様に上に眼差しを向ける姿や、街で日傘をさし幸せそうに微笑むカットも。佐知子が青いバンダナを頭に巻いて働き真剣な表情を浮かべて何かを見つめる姿や、万里子の腕に何かを見つけ驚いたような表情を見せる悦子など、この時代を自分の信念に基づき懸命に生き抜く2人の女性の姿が切り取られている。

キャスティングに関して、石川慶監督が最もこだわったのは“当事者性”で、長崎パートの悦子役は20代後半の女性である必要があった。そしてその世代の俳優の中で傑出しており、企画全体の重心になるような求心力を持つ存在として広瀬すずの名前が真っ先にあがり、石川監督がその気持ちを手紙に綴って広瀬から快諾を得たという。撮影現場での広瀬について、石川監督は「これだけ周りに存在感と演技力を兼ね備えた役者さんが揃っていると、少し埋もれてしまったり、もしくは埋もれないように力が入ったりするものだと思うのですが、広瀬さんは本当にベテランのようなオーラを放って、中心にいらっしゃった。焦ることもなく、引くところは引いて、最終的には強い印象を残す。すごい方だと感服しました」と絶賛した。

また、佐知子役は、広瀬と誰の“対決”が観たいかという観点からキャスティングが始まった。悦子から見た佐知子は、その時の自分にないものを持ち、圧倒的に自由で希望を胸に自身の足で前へ進む女性である。そんな悦子がある種の憧れを抱く人物として二階堂ふみが適任だったという。二階堂について石川監督は「二階堂さんは、佐知子という存在の“違和感”を芝居の中に落とし込んでくれました。声の質から佇まいまで、この映画に必要な佐知子の異質さは、脚本だけでも美術や衣装だけでも難しかった。やはり、二階堂さんが持ち込んでくださったものが大きかったと痛感しています」とコメント。
広瀬と二階堂の初共演について、福間プロデューサーは「キャスティングの時から、あの二人が並んだらどうなるのだろう、間違いなく異次元の反応が起きるだろうと、全員が期待していました。撮影中も、二人のツーショットの画の強さは圧巻でしたね」と振り返った。
映画『遠い山なみの光』 場面写真 ©︎2025 A Pale View of Hills Film Partners