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INTERVIEW

映画『か「」く「」し「」ご「」と「』主演俳優の素顔に迫る

奥平大兼はどういう人?隠さず語る等身大の胸の内

2025.06.04 18:00

2025.06.04 18:00

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奥平大兼は、とても正直な人だ。どんな質問にも包み隠さず答え、自分をよく見せようという自意識がまるでない。きっと俳優であることよりも、まず一人の21歳の人間としてどうありたいかを大切にしているような気がした。だからこそ、彼は作品ごとに自然と役に溶け込み、姿を変えてしまうのだろう。

最新主演映画『か「」く「」し「」ご「」と「』で演じたのは、クラスの人気者・三木直子に密かに恋心を寄せながら、「自分なんかただのクラスメイトでいい」と想いを隠している高校生・大塚京。

隠しごとはゼロ。むしろ「もっと自分の素を思い切り出していきたい」と言う奥平大兼の等身大の素顔とは──。

奥平大兼

仲の良い子のことはわかりたいし、わかってもらいたい

──作品を拝見しましたが、すごく細かい所作までキャラクターの作り込みができているなと思いました。たとえば学食のシーンでは貧乏ゆすりをしていましたよね。ああいうのって、なかなか他では見ないので。

あそこはその前のシーンで、三木さんから思ってもみないことを言われて、京くんとしてはちょっと動揺していたんですよね。それで、ちょっとやってみたんですけど。

──役を演じるにあたって、そういうキャラクターの癖づけってするほうですか。

あんまり癖をつけるという意識でやることはないんですけど、自分だったらこうするだろうなっていう自分の癖が役に反映されることはあるかもしれない。

──京くんは、手と手をこすり合わせているような仕草も多かった気がします。

確かに。そこも僕が普段から落ち着かないときとかに無意識にやってる仕草かもしれません。

映画『か「」く「」し「」ご「」と「』本予告

──走り方も特徴的というか。腕を真下に下ろしたまま、あまり振らない。

最初は腕を下ろしたまま足だけで走るみたいな感じでやっていたんですけど、終盤で京くんが本気で走るシーンがあって、そこは監督からちょっと腕を振った方が急いでる感が出るからと言われて。ただ、いきなり振ると変だから、あんまり慣れない感じでぎこちなさを出すことで、うまく馴染むようにしました。

──奥平さんもですが、この映画、メインの5人がみなさん演技が自然なんですよね。聞くところによると、なんでもクランクイン前にエチュードをされていたとか。そのあたりがお芝居に出ているのかなと思いました。

最初のエチュードで 5人の空気感とか、5人がそれぞれどういうポジションなのかを掴めたのはありがたかったです。僕の記憶だと出口さんが結構自由にやる感じで、(佐野)晶哉もこっちが何を仕掛けても許容して返してくれるタイプの人でした。そういうのもあって、結構撮影ではアドリブが多くて。台本に書かれていることに縛られすぎず、その場その場で対応みたいなことが多かった気がします。

映画『か「」く「」し「」ご「」と「』より

──あと、印象的だったのが、夜道でエルと話すシーンです。そこで京くんは自分の胸の内を吐露するんですけど、背中からのバックショットで顔だけエルに向いてる。とても面白い撮り方だなと思って。

撮り方に関しては、監督のこだわりをすごく感じました。そのシーンは商店街を二人でずっと歩いてて。途中でエルだけ立ち止まるんですけど、エルは街灯の光が当たって明るくて、京くんのほうはちょっと暗いんですよね。それも監督がこだわりを持ってやっていたところで。

体の向きも監督はいろいろと計算されていました。話しているのはヅカだけど、そのシーンではヅカの後ろ姿しか見せない、みたいなところもあって。この作品は視点がどんどん他の人に切り替わっていって、本人の視点になることで初めて何を考えているかわかる、という仕掛けになってるんですよ。だから、そこまで何を思っていたか曖昧にするために、あえて顔を映さないみたいな撮り方は結構あった気がします。

──たとえば正面から撮られるのと、背中から撮られるので、演技者の芝居に変化はあるんでしょうか。

そこは変わらないですね。あくまでお芝居は相手に向けてやるもの。カメラ位置によって僕の芝居が変わることで、相手に影響しちゃうのは良くないなと思うので、僕としてはどこから撮られても、単にその角度から切り取られているだけという感覚です。

──映画を見て、人の考えていることがわかるってどういうことなんだろうと考えました。奥平さん自身は相手が何を考えているのか、ちゃんと知りたい人ですか。

僕は別にみんなのことを深く知りたいとは思わないので、人の心が見えなくていいし、見えるようにしてあげるよって言われても大丈夫ですって言います(笑)。

ただ、本当に仲の良い子に関してはわかりたいし、僕のこともわかっていてほしいかな。やっぱりうれしいじゃないですか、自分のことをわかってもらえているって。だから、現場とかで仲良くなりたいなと思う子がいたら、いろいろ話しかけたりして、どんな人か知る努力はします。

それが全員にできるかと言ったら、その余裕はないなというだけで。ちゃんとお互いを理解し合うことは、人と深い関係を築く上では必要なことだと思います。

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もっと世間に知られてほしい自分の一面

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作品情報

か「」く「」し「」ご「」と「

©︎ 2025『か「」く「」し「」ご「」と「』製作委員会 ©︎ 2017住野よる/新潮社

©︎ 2025『か「」く「」し「」ご「」と「』製作委員会 ©︎ 2017住野よる/新潮社

か「」く「」し「」ご「」と「

2025年5月30日(金)全国公開
配給:松竹

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

主演:奥平大兼 出口夏希
出演:佐野晶哉(Aぇ! group) 菊池日菜子 早瀬憩
監督・脚本:中川駿
原作:住野よる『か「」く「」し「」ご「」と「』(新潮文庫刊)

2003年9月20日生まれ。2020年に映画『MOTHER マザー』で俳優デビュー。第44回日本アカデミー賞 新人俳優賞など、数々の新人賞を総なめにする。
同年のドラマ『恋する母たち』で連続ドラマ初出演。
その後も映画『マイスモールランド』(22)、『ヴィレッジ』(23)、『君は放課後インソムニア』(23)、ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(23)など数々の話題作に出演。2023年には第15回TAMA映画賞「最優秀新進男優賞」を受賞した。
2024年はNetflix映画『パレード』、映画『赤羽骨子のボディガード』『Cloud クラウド』などに出演。2025年1月期のTBS日曜劇場『御上先生』が現在放送中。

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