コメントと特報到着、ズリーン国際映画祭への出品も決定
呉美保監督×高田亮脚本『ふつうの子ども』大人キャストで蒼井優、風間俊介、瀧内公美が出演
2025.05.05 08:00
©2025「ふつうの子ども」製作委員会
2025.05.05 08:00
監督・呉美保と脚本・高田亮のタッグによる完全オリジナル新作で、9月5日(金)より全国公開される映画『ふつうの子ども』の大人キャストとポスタービジュアル、特報映像が解禁された。
二人にとって『そこのみにて光輝く』(14)、『きみはいい子』(15)に続く3作目のタッグとなる本作は、シリアスなサスペンスからラブコメディまで手がける高田が「ずっと前から書きたいと思っていた」という子ども同士の人間ドラマ。自身の周りで目にする生身の子どもたちの姿に魅了され、小学校への取材を重ね、オリジナルのストーリーを書き上げた高田と、出産・育児を経て「ありのままの子どもを思いっきり描きたい!」という思いを長年温めていたという呉監督。そんな二人によって、今の日本に生きる子どもたちと、彼らと同じ時間に向き合う大人たちにフォーカスした「ありそうでなかった子ども映画」が誕生した。
主人公は、10才の上田唯士(うえだゆいし)。いたってふつうの小学4年生である唯士は、環境問題に高い意識を持ち大人にも臆せず声を挙げる三宅心愛(みやけここあ)が気になり近付こうと頑張るが、心愛はクラスの問題児である橋本陽斗(はしもと・はると)に惹かれている様子。そんな3人が始めた“環境活動”は思わぬ方向に転がっていく。
唯士を演じるのは、映画『LOVE LIFE』(22/深田晃司監督)や『アンダーカレント』(23/今泉力哉監督)、ドラマ「それでも俺は、妻としたい」(25/足立紳監督)など、気鋭の監督たちに愛されてきた嶋田鉄太(しまだ・てった)。呉監督の作品には昨年の『ぼくが生きてる、ふたつの世界』に続く出演となり、平凡な小学生の日常に訪れた刺激的な冒険の日々をまっすぐに演じきった。唯士が恋心のようなものを抱く大人びた同級生の心愛役には、本作で初めての本格的な芝居に挑戦する瑠璃(るり)。また、二人と一緒に“環境活動”を始める陽斗役を、土曜ドラマ『3000万』(NHK)や日曜劇場『VIVANT』(TBS)に出演し、映画の公開待機作も多く控える味元耀大(みもと・ようた)が演じる。メインの3人に加え彼らのクラスメイト役は全てオーディションで選ばれ、ワークショップを通して共通の時を過ごしながら呉監督と共にそれぞれのキャラクターを創り上げていった。
そして今回新たに発表されたのは、そんな子どもたちを取り巻く“大人たち”のキャスト。育児に悩みながらも、我が子を信じ褒めて伸ばそうとする唯士の母・恵子役に蒼井優。30人の生徒たちと日々向き合う唯士の担任教師・浅井役に風間俊介。登場シーンは限られていながらも、強烈な印象を残す心愛の母・冬役を瀧内公美が演じる。

©2025「ふつうの子ども」製作委員会
併せて解禁されたポスタービジュアルは、心愛の隣に座り話しかけようとする唯士と、そんな彼に見向きもせず環境問題の本を熱心に読む心愛を捉えたもの。2人の表情のコントラストが物語の始まりを想起させる場面に“いつだって、世界は「好き」で、まわってる”というコピーが添えられており、さらに唯士とクラスメイトたちの日常風景を切り取った特報映像も解禁となった。
加えて、本作が世界最古の子ども向け映画祭の一つである第65回ズリーン国際映画祭長編映画部門インターナショナル・コンペティション子供部門に正式出品されることが決定。5月29日から開催される同映画祭のワールドプレミア上映には呉監督も参加予定で、そのほか第24回ニューヨーク・アジアン映画祭などの海外の映画祭への出品も決定している。
キャストコメント一覧
蒼井優(唯士の母・恵子役)
台本に詰まっている、夏のにおい、陽射し、足音、湿度、勢い。これらを全て映画館で体感できたらと思いました。完成した映画は、台本で感じた以上の夏でした。
スクリーンに映る彼らの夏であり、30年前の私の夏であり、娘の未来の夏だと思いました。
ご覧になるみなさんがどんな夏を感じられるのかとても楽しみです。
風間俊介(唯士の担任教師・浅井役)
子ども達が生き生きと撮影に臨んでいたのがとても印象的でした。
物語の為に集まったのではなく、子ども達が集まった結果、物語が紡がれていった様に感じる、『そのまま』が詰まった映画だと思います。
その空気を澱ませないようにと心に決め、現場に向かっていた作品です。
子ども達の映画ですが、大人にこそ観てもらいたい映画です。
瀧内公美(心愛の母・冬役)
ひと夏の思い出が紡がれていく様を映像が残していく。
子どもたちの記録映画のような中で、お邪魔しないように注意を払いながら現場にいたことを覚えています。
子どもたちと呉美保監督、時に呉美保先生とのやり取りがとにかく可愛くて愛おしくて、純真なこころに何度も触れました。
あの瞬間にしか切りとることのできない、瑞々しい日々がみなさんにも届きますように。
嶋田鉄太(主人公・上田唯士役)
僕が今回の撮影で印象に残ったことは、駐車場の撮影のシーンです。
車に排気ガスを出すな!などの、貼り紙をするのですが、衣装を自分で決めて良いと言われ、調子に乗り、夏場で暑いのに、『冬でもきねぇよ』と言われてしまうぐらいの服装にしてしまい、死にそうになりました。
さらにもう1つ印象に残っているシーンがあり、それは、心愛を探しに図書館に行き、見つけた心愛が神のように輝いて見えるという、図書館でのシーンです。ぼくは図書館の雰囲気が嫌いなのかとても気持ち悪くなり、少し寝込んでしまい、撮影が中断してしまいました。あの記憶はとても苦い思い出ですが、大変なこともあったけど、みんなと仲良く楽しく、良い映画が作れたと思います。
瑠璃(三宅心愛役)
私はこの映画が初めての映画出演でした。
私たち子どもにとって、普通の日常が映画になっただけなのに、とっても面白くて感動して映画ってすごいなぁって思いました。
撮影が朝から夜までの時は集中力が切れないように3人でお昼寝したことも思い出です。
たくさんの人に支えてもらって、この映画に出れたのをとても誇らしく思っています。
こんな大切な役に私を選んでくれて、指導までしてくれた監督やスタッフのみなさんにとても感謝をしています。
味元耀大(橋本陽斗役)
橋本陽斗役の味元耀大です。
夏休み中の撮影は毎日とても暑く、みんなの顔が真っ赤になっていることも多かったのですが、スタッフさんがアイスや氷嚢を用意してくださり、とてもありがたかったです。
ずっと一緒に撮影していた唯士役の鉄太くん、心愛役の瑠璃さん、監督、プロデューサーさんをはじめ、すべてのスタッフの方々と過ごした夏休みは、僕にとってとても大切な時間になりました。
『ふつうの子ども』というタイトルですが、年齢を問わず、たくさんの方々に観てもらいたい作品です。