共演には柴咲コウ、亀梨和也、木村文乃、北村一輝ら
綾野剛×三池崇史で衝撃のルポルタージュを映画化『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』6月公開
2025.04.02 06:00
©︎2025「でっちあげ」製作委員会
2025.04.02 06:00
第6回新潮ドキュメント賞を受賞した福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)が綾野剛主演で映画化され、6月27日(金)に公開されることが決定した。
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』として映画化される本作の舞台は2003年。小学校教諭の薮下誠一は保護者の氷室律子に児童・氷室拓翔への体罰で告発されたが、体罰とはものの言いようで、その内容は聞くに耐えない虐めだった。これを嗅ぎつけた週刊春報の記者・鳴海三千彦は“実名報道”に踏み切る。過激な言葉で飾られた記事は、瞬く間に世の中を震撼させ、薮下はマスコミの標的となり、一方で律子を擁護する声は多く、“550人もの大弁護団”が結成されて前代未聞の民事訴訟へと発展。誰もが律子側の勝利を切望し確信していたのだが、法廷で薮下の口から語られたのは「すべて事実無根の“でっちあげ”」だという完全否認だった。
監督を務めるのは、『悪の教典』(2012)や『怪物の木こり』(2023)の三池崇史。実話をもとに人間の静かな恐ろしさを描いた本作は三池の作品群の中でも異色となっており、自身も「余計な演出をできるだけ排除し、冷静に作り上げたつもりです。ですから、この恐怖は本物です」と自信をのぞかせた。
2024年にNetflixシリーズ『地面師たち』で社会現象を巻き起こした綾野剛が演じるのは、主人公・薮下誠一。「エンタメとルポルタージュの共存、共演者と芝居の総当たり戦。毎シーン呼吸を忘れるほどの魂の揺らぎ、各部署のとてつもない胆力。三池崇史監督の祈りを道標に、ただただ魅了された現場でした」と、2009年の『クローズZEROⅡ』以来実に16年ぶりとなる三池組での日々を振り返った。
保護者・氷室律子役には、『着信アリ』(2004)や『喰女 クイメ』(2014)に続く三池作品出演となる柴咲コウ。そして『怪物の木こり』で主演を務めた亀梨和也も鳴海三千彦役に決定した。さらに脇を固める木村文乃、大倉孝二、迫田孝也、光石研、北村一輝、小林薫ら実力派キャスト陣が、三池が語る「冷静な恐怖」を体現すべく【本気の演技合戦】を繰り広げる。
併せて解禁された特報映像は、小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)が児童・氷室拓翔(三浦綺羅)へ執拗かつ凄惨な虐めを行う描写から始まる。拓翔の母、氷室律子(柴咲コウ)は虐めに気づくと涙ながらに学校へ訴えるが、一転、人が変わったように体罰の疑惑を否定する薮下。謝罪の場となった保護者懇談会での追求の目と、これを嗅ぎつけた週刊春報の記者・鳴海三千彦(亀梨和也)から追われる日々。過激な言葉で飾られた記事は瞬く間に世の中を震撼させ、マスコミの標的となった薮下の日常が壊れていく様が心臓を締め付けるかのような不協和音とともに描かれていく。耐え難い緊張感と底知れぬ絶望感はどこまで続くのか。
また、ティザービジュアルには、綾野剛演じる薮下誠一の絶望、失意、緊張、混迷、あるいは解脱か、一言では言い表せない様々な感情を含んだ顔が描かれ、特報とともに見る者の想像を刺激するインパクトのあるビジュアルとなっている。
綾野剛(薮下誠一役)コメント
エンタメとルポルタージュの共存、共演者と芝居の総当たり戦。毎シーン呼吸を忘れるほどの魂の揺らぎ、各部署のとてつもない胆力。三池崇史監督の祈りを道標に、ただただ魅了された現場でした。ぜひ劇場で目撃して頂けたら幸いです。
三池崇史(監督)コメント
この映画は、現実に起こった事件に基づいている。
さらに正確に言うと、ジャーナリスト・福田ますみ氏による渾身のルポルタージュ『でっちあげ』を核にして作り上げたエンターテインメント。「殺人教師」にでっちあげられた男の、怒りと恐怖、そして、哀しみに包まれた人生の記録です。余計な演出をできるだけ排除し、冷静に作り上げたつもりです。ですから、この恐怖は本物です。何よりも恐ろしいのは、人ごとではなく明日、あなたの身に起こるかもしれない人災であるということ。被害者にも、いや加害者にも、あなたはそのどちらにもなり得るのです。
福田ますみ(原作者)コメント
「よくこんなリアリティゼロの下手な小説を書くな。いくら小説だからって、もう少し現実にありそうなストーリーを考えろよ。えっ、これほんとうにあったこと?マジか!」。ある読者が、拙著を読んで寄せた感想である。
そう、これは真実の物語だ。細部にまでこだわった迫力の映像が、学校現場で起きたありえない狂気を、そしてそこから増幅された社会の狂気をリアルに描いている。主人公が、たまりにたまった怒りを爆発させるシーン、綾野剛さんの鬼気迫る演技は鳥肌ものだ。観客にとっては、あっというまの129分だろう。
和佐野健一(企画・プロデュース)コメント
このルポルタージュに出会った瞬間、これは今すぐ映画にすべきだと確信しました。
誰かを糾弾するためでも、「真実とは何か?」という難解なテーマを投げかけるためでもありません。
三池監督、綾野さん、そして素晴らしい俳優陣の想いが、この作品をただひたすら純粋に、心の奥深くに突き刺さるエンターテインメントへと昇華させてくれました。