2025.03.19 18:00
2025.03.19 18:00
無理しなくていいんだ、と最近気づいてきた
──こうやってお話ししててると、天然な部分がとても多いというか、のんびりしているりえ子役とのギャップを感じるのですが(笑)りえ子という役は実際に演じていていいかがでしたか?
難しかったですね……! 喋るスピードも結構独特で、「独り言にしてはゆっくり過ぎないか!?」と思うくらい自分の世界観の中に浸りつつ、ぽん太と会話もしたい、という感じだったので、そのスピード感を守るのが一番難しかったです。私が普段生きているスピードとはちょっと違うな、と(笑)。

──原作自体もすごく独特のテンポ感がある作品ですよね。実際に映像になったものを見ていると、とても忠実に再現されていると思いました。
それは、監督がすごく大事にしたいと仰っていた部分でした。細かく話し合いながら撮影しましたね。
──りえ子という役に関して、演じるうえで大切にされていたところは?
喜怒哀楽がそんな激しくないんですよね。わりとむすっとしていたりとか、真顔だったりすることが多くて。監督からも「一定の感情を崩さずにやってください」みたいな感じの指示だったので、感情の波をあまり感じさせないように意識していました。

──役柄として共感できる部分はありましたか?
どうでしょうね!? でも、りえ子ほど突拍子もない感じではないし、あの妄想とか発想はりえ子ならではかもしれないですが、私も、勝手に物事を関連付けて1人で面白くなっている、みたいなことはたまにあるので(笑)わからなくもないというか、共感できたりしました。
──りえ子、いいキャラクターですよね、勉強嫌いだったり。
ほんと、めちゃくちゃ勉強が嫌いですよね(笑)。どれだけ勉強したくないんだ、と。それで何度も戻ってきて、ぽん太にちょっかいかけて。早く勉強しろよ、って現場でもみんなツッコんでいました(笑)。

──りえ子みたいに独り言を言ったりします?
どうでしょう……独り言って、言ってても覚えてないような気がしますね……あ、でも、テレビとか観ているとツッコんじゃいます! これ、本当にやめたいんですけど(笑)。あと何かにぶつけたときとか、余韻でずっと「痛ったー!」って言っていますね。周り誰もいないのに。あ、家の中で一人で歌ったりとかはしているかもしれない。こう考えると結構独り言、言っていますね(笑)。
──このドラマをどんなときに、どんな方に観て欲しい、というのはありますか?
どんな方にでも、ですね。観たときに何かクスッと笑えて、ワンちゃんとりえ子にほっこりしてもらえれば。仕事終わりで疲れたけど、見たらクスッてできた、面白かったな、と少し思ってもらえれば、それが一番嬉しいです。

──ちなみに新谷さんは本格的に俳優業を始められてから今年で6年ぐらいだと思いますが、これまでキャリアを重ねてきたなかで、演じることへのアプローチだったり、考え方の変化などはありましたか?
そうですね……俳優という仕事は「自分とは全く別のものにならなきゃいけない」と思っていた時期がありました。でも結局、今まで演じてきた役は全部、自分の実体験をもとに、そこから広げたものでしか演じていないんです。そのことを最近、「それでいいんだ」と思えるようになってきて。それがやっぱり一番しっくりくるし、自分の経験をもとにしてそこから紐付けて、それこそりえ子じゃないけど、いろんな想像を膨らませて作っていくことの方が信憑性もでたり、観ている人も気持ちがわかるんじゃないかなと。「自分自身がわかってないと、観ている人はもっとわからない」ということに気づいてきたというか、無理をしないようにしよう、と考えるようになってきました。
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