『アンダーニンジャ』で初参加した福田組で得たものとは?
ターニングポイントを重ねて大きな夢に、山本千尋が語る“できることをする”という喜び
2025.02.07 18:00
2025.02.07 18:00
3歳から始めた中国武術で、子供の頃には世界ジュニア武術選手権大会をはじめとするいくつもの大会で金メダルを獲得。その後、俳優に転身。2014年に映画『太秦ライムライト』でヒロインに抜擢され映画デビューを飾ると、同作で「ベストアクション女優優秀賞」を受賞するなど、独自の道で活躍の場を広げる山本千尋。
そんな山本は1月24日に公開された映画『アンダーニンジャ』にも出演しており、作中では学園のマドンナ的存在だが、どこか掴みどころのない性格で周りを翻弄する山田美月を演じている。念願の福田雄一組への初参加となった本作での撮影エピソードはもちろん、自身の経歴を活かして積み重ねてきたキャリアについてなど、たっぷり話を聞いた。

福田組に新しい引き出しを開けてもらった
──最初に映画『アンダーニンジャ』に出演が決まった際の感想を教えてください。
もともとマンガも読んでいましたし、アニメも見させていただいていて。花沢健吾先生のシュールな笑いと攻めた内容が好きでした。それをまさか福田雄一監督が撮るなんて。そこにすごく興味と面白さを感じました。ずっと福田組の作品に出たいと思っていたので「こんなチャンスはない!」と思いました。とても楽しみでしたし、ワクワクしました。
──福田組に出たかったのはどうしてだったのでしょうか?
福田組に出られている周りの先輩方から「福田組は楽しい」と聞いていましたし、作品の中で俳優さんたちが楽しそうに演じられているのを見させていただいていましたので、その姿に憧れがありました。あとはコメディが好きなので。
──コメディは見るのがお好き? 演じるのがお好き?
見るのも好きなんですけど、演じるのもすごく好きです。
──福田監督の作品で特に好きな作品を挙げるなら?
好きな作品ばかりですが、やはり『銀魂』は特に好きですね。ドラマも好きです、『今日から俺は!!』とか。ドラマでも面白さを生み出せるし、映画でもダイナミックな中に面白さも出せるというのは福田監督のすごさだなと思っています。
──実際、福田組の撮影はいかがでしたか?
初めてだったからこそ、今回は何も構えずに行ったのですが、それが正解だったかなと自分では思っていて。福田さんもすごくアイデアを出してくださるんです。自分にはない引き出しを開けてもらったなという感覚がありますね。それは今まで私が経験したことのない現場の空気で楽しかったです。
──福田監督からの提案で印象的だったものがあれば教えてください。
面白かったのは、手でハートをするシーンでいろんなハートの形を試したこと(笑)。あとは単純に「バイバイ」って言うだけのシーンなのに「めっちゃ走ってみて」と言われて。それが私のクランクインの日だったのですが、その日はアクションシーンの撮影はなかったので準備体操をしていなくて。全力ダッシュをすることになって「ちょっと待ってください」って言ってアキレス腱を伸ばして(笑)、ダッシュしました。そしたら「さすが!早いね」と言ってもらえて。運動してきてよかったと思いました。
──さすがですね。
演技自体については任せてくださったところも多くて。私も、福田組ということで、普段よりもテンションを一段階上げる意識で演じていたのですが、それを福田さんもいいと思ってくださったみたいで、うれしかったです。

──もともと『アンダーニンジャ』の原作やアニメをご覧になっていたということですが、映画の脚本を読んだときはどのような印象を受けましたか?
映画になると時間の関係で原作よりもギュッとされてしまうのは付きものだと思うのですが、原作を知っているにもかかわらず、続きが気になる終わり方になっていて素敵だなと思いました。あとは、私が絶対に演じたかったシーンも残っていてうれしかったです。
──演じたかったシーンというのは?
……鼻をほじるシーンです!(笑)すごく楽しみにしていました。しかもセリフを増やしていただけるという、期待を超える私がいたんじゃないかなと胸を張っております。

──出演が決まった際のコメントでも「原作で大好きな場面が実際に出来るぞ!やったー!」と思ったとコメントされていましたが、まさか鼻をほじるシーンだったとは(笑)。
準備稿の段階で入っていて、「絶対にこのシーンはなくならないでほしい!」と思っていたら、決定稿にもちゃんとあったからうれしかったです。
──そのシーンが楽しみだったという話は監督にはお伝えしたんですか?
伝えました。監督いわく「こんなにうれしそうにする女優は初めてだ。もうちょっと恥じらいあったほうがよかった」って言われました(笑)。
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