共演ドラマ『ペンション・恋は桃色』3シーズン目が配信開始
リリー・フランキー×斎藤工の間にある信頼 もの作りの“パートナー”として惹かれ合う魅力とは
2025.01.14 19:00
2025.01.14 19:00
吾郎さんのお芝居の輪郭が引っ張ってくれた
──それにしても、リリーさんが演じるペンションのオーナー・シロウも、そこにふらりと現れる斎藤さん演じるヨシオも、このドラマのお2人の役が本当に合っているというか、いいなと思います。互いの役をどう思われていますか?
リリー 工君のヨシオは、冷静に考えたらすごく不思議な人間ですからね。なかなか誰でもできる役ではないというか、工君じゃないと説得力が難しい。普通に考えたら、結構適当なやつなだよね。
斎藤 まあ、信頼はできないですよね。
リリー そう。なのに、すごく信頼されてる体になってるんですよね。その説得力というか。だって、season1のど頭のヨシオの登場のシーンからして、ねえ。
斎藤 バイトをクビになって、ばらまかれたお金を拾って……基本的には「愛せないやつ」の登場の仕方なんですよ。
──season1ではヨシオはその場面がきっかけで、ペンションに住み込むようになるんですよね。
斎藤 でもヨシオは多分、シロウさんとハルのあのペンションの空気にある意味恋をしているんですよね。実家より実家だと思ってるわけです、ヨシオからすると。ヨシオはシロウに憧れてる部分もあるし、恋愛だったりとかも、シロウが体験することをヨシオは少し疑似体験しているんですよね。シロウさんには恋愛を成就してほしいけど、反面失敗もしてほしい、みたいな、なんか自分の未来を見ているような近さがあるんじゃないかなと。そんな役をリリーさんが演じてくれていることは、僕にとってすごく意味がありますね。
──seasonが深まって関係が長くなってくると、恋愛に落ちたときのシロウの反応とかも変わってきますよね。
斎藤 でもだいたい事後報告なんですよね。
リリー あとシロウも、ドラマの中でも歳を取ってるから、恋愛の仕方が前と変わってきてるよね。前は一瞬にして盛り上がっちゃってたけど、今回は少し分別がついてるというか。
斎藤 確かに。特に今回はそうですよね。
──シロウという役は観ていてもリリーさんにぴったりだなと思いますし、演じられていて楽しいのではと思うんですけど、どうですか?
リリー そうですね。何か、シロウみたいに生きられたら楽しいだろうな、というのは思いますよね。だから相当ファンタジーなんですよ、あの人は。でも今回はシロウだけじゃなくてハルの恋愛を描いてますから、そこが見どころとしてすごくいいんですよ。しかもSNSの中で知り合って、初めて会う場面が描かれるという。
──今回、ハルがSNSで知り合った相手として現れる「ケイタ」ですが、演じられているのが稲垣吾郎さんというのも驚きました。撮影現場ではどうでしたか?
リリー いや、凄かったですよ。
斎藤 最高でしたよね。
リリー なんで(オファーを)受けたんだろうね(笑)。
斎藤 この作品に騙される要素がなにかあるんですよ、きっと。
リリー でもさ、吾郎さんのケイタを見ちゃうと……もうほかにこの役を演じられる人はいないんじゃないの? って思うよね。吾郎さんの持ってる凄さと天然さみたいなものが、ケイタという役にうまくマッチするように仕上げたというか。悪気がないんだよね、ケイタって。
斎藤 そう、悪気がないんですよ。あと品位みたいなものもすごく必要だったし。
リリー 吾郎さんのお芝居の輪郭みたいなものが、現場全体を引っ張っていってくれた感じはあります。
──シロウが恋をする相手としてMEGUMIさんもゲスト出演されていますが、現場全体の雰囲気はいかがでしたか?
斎藤 この作品は、もし自分がゲストとして参加するとしたら相当構えてしまうと思うんですよ。カロリーが高い作品というか……だってseason3まで曲がりなりにも行っていると、もう作品が出来上がってるところに入るわけじゃないですか。
リリー そうじゃなくても僕らが普段から現場でキャーキャー言ってるのにね。だって、今NewJeansに入れって言われたらきつくないですか? それと同じですよ、出来上がってるものの中に入っていくみたいなものですから。
──NewJeans、ですか?
斎藤 ゼロじゃないですからね? 可能性は。
リリー 僕なんかいつ呼ばれてもいいように踊りだけは練習してるからね。
斎藤 それはハードル高すぎでしょう(笑)。
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