2025.01.15 18:00
2025.01.15 18:00
撮影のために外に出ると、空模様はまだまだ肌寒い曇り空。けれど、彼女が立つと、そこだけ光が射したように明るくなる。この圧倒的な透明感こそが、女優・稲垣来泉の魅力だ。
これまで演じてきた数々の役からピュアで可憐なイメージを持っている視聴者も多いだろう。けれど、趣味はサーフィンにスノーボード。好きなファッションもストリート系と、素顔はアクティブでボーイッシュで、1月5日に誕生日を迎えたばかりの14歳。
憧れの先輩たちの背中を追うように、未来のトップ俳優が今、スターへの階段を上りはじめる。
憧れの先輩は榮倉奈々さんと吉川愛さん
──稲垣さんは幼少期からこれまでいろんな作品に出演されてきました。この世界に入ったばかりの頃は、どんな気持ちでお仕事と向き合っていらっしゃったんですか。
ただただ楽しいという気持ちでした。当時は、まだ幼かったのでお仕事をしているという感覚がなくて。どちらかというと、習いごとに近い感覚だったと思います。現場の雰囲気を感じているだけで楽しくて、それが好きで現場に行っていました。
──どのあたりからお芝居することが楽しいという気持ちが芽生えはじめたのでしょう。
小学校に入学したくらいの頃にはもうお芝居が楽しいと思っていた記憶があります。中でも特に印象的だったのが、『TWO WEEKS』という作品です。
──よく覚えています。稲垣さんは三浦春馬さん演じる主人公の娘役を演じていました。
そのときに、三浦春馬さんが「普段の学校生活で感じた感情がきっと演技にもつながってくるよ」という言葉をかけてくださって。お仕事だけじゃなく、学校のこともきちんとしようと考えるようになりました。だから、お仕事もしていましたが、両立が大変だったという記憶は全然なくて。学校もお仕事も遊びも全部楽しい、という感じでした。
──そこから昨年、事務所を移籍されて、ガラッと環境が変わりました。お仕事への意識にも変化が生まれたところはありますか。
そうですね。小学生まではお仕事の現場にはずっと母が同行してくれていて。こうしたインタビューを受けるときも、母が事前に現場の写真を用意して、「こういうことがあったよね」と私が答えやすいようにヒントを出してくれていたんです。でも中学生になってから、現場には母ではなくマネージャーさんと行くようになって、現場での様子は私しかわからないので、ちゃんと自分で記憶をたどりながら考えて答えられるようにならなくちゃいけないと思えるようになりました。そういうところでも成長を感じてます。
──今年から雑誌「nicola」の専属モデルにもなられました。
最初はポージングだけで精一杯だったこともありましたが、今は少しずつ慣れてきました。普段のお芝居とはまた違って、どのようなポージングをするとお洋服が素敵に見えるかなど、気をつけないといけないところがたくさんあって。YouTubeの動画を観て勉強して、いいなと思うものを取り入れるようにしています。
──事務所には素敵な先輩がたくさんいらっしゃいますが、特に憧れている方はいますか。
移籍する前からずっと憧れているのは榮倉奈々さんと吉川愛さんです。榮倉さんとは『オールドルーキー』という作品で共演させていただきました。撮影中に私が思うような演技ができなくて悔し泣きをしてしまったとき、榮倉さんが「監督がOKと言ってくださったなら、それはもう素敵な演技なんだから」と励ましてくださって。親子役だったのですが、榮倉さんの作品や役柄に対する熱意を間近で感じる瞬間が何度もあって、本当に優しくてカッコいい方でした。それ以来、ずっと憧れの人として名前を挙げさせてもらっています。
吉川さんはふわふわとした可愛いキャラクターを演じることもあれば、最近は人を罵倒するような役も完璧に演じていらっしゃって。演技の振り幅がすごいなと思って、いつも見ています。私も将来どんな役でも演じられる俳優さんになりたいと思っているので、吉川さんも私にとって憧れの存在です。
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