ドラマ『未恋~かくれぼっちたち~』で4年ぶりに地上波主演
伊藤健太郎、27歳の解体新書 様々なキーワードで表裏なしの人生観に迫る
2025.01.16 18:00
2025.01.16 18:00
幼稚園のときに出会った先生が、今の僕をつくってくれた
──“ミスターリスク回避”のあだ名を持つ健斗は、元小説家の派遣社員・みなみと、売れっ子漫画家・ゆずという二人の女性との関わりを通じて自分と向き合っていきます。みなみとゆず、どちらの女性に伊藤さんは魅力を感じましたか。
みなみかな。僕、変な人というか、掴みどころのない人に魅力を感じるんですよ。みなみもゆずも、どっちも変なところがあって面白いなと思うんですけど、より一緒にいて楽しそうというか、飽きなさそうなのはみなみかなと。みなみは人に何かを伝えるときの言葉選びが鋭利で、何でもサクサク言ってくれる。そういうところが好きですね。
健斗としても、みなみは憧れだった人。尊敬の中に、女性として意識している部分もどこかにあったんじゃないかな。
──二人と出会って、無難な道ばかり選んできた健斗の人生が変わっていきます。伊藤さんの人生を変えてくれた人との出会いというと、誰が浮かびますか。
何だろう。いっぱいあると思うんですけど、今の自分をつくってくれたという意味では幼稚園のときに出会った先生かな。体操教室というのがあって、マット運動だったり跳び箱だったり、ドッジボールやバスケとかサッカーといった球技まで、とにかくスポーツ全般を教えてくれるんですけど、そこに幼稚園の3年間から小学校まで通っていたんですね。そこの先生との出会いは大きかったですね。
──それは、先生からどんなことを教わったからですか。
体の使い方ですね。役者の仕事って、作品によってはアクションがあったりスポーツをやらなきゃいけないこともあって、体を動かすことがすごく重要なんですけど、僕は器用貧乏というか、何でも大体ある程度のことまではなんとなくできちゃうんですよ。それは、体操教室の先生が自分の体のベースをつくってくれたからだと思います。
──まだ小さい伊藤さんに、きっと体を動かすことが楽しくなるようなことをしてくれたんでしょうね。
先生はいつも全力だったんです。ドロケイもドッジボールも、まだ僕が幼稚園児とか小学生なのに、常に本気。ドッジボールとかこっちが泣くくらい本気でしたから(笑)。
──大人げない(笑)。
そうなんです(笑)。だから全然勝てなくて。どの子どもにもそうだったわけじゃないんです。僕にだけめちゃくちゃ本気だったから、たぶんわかっていたんでしょうね、僕の負けず嫌いな性格を。かなわない方が燃える性格だとわかっていたから、あえてそうしてくれたんだと思います。おかげで体を動かすことが楽しいと思えるようになったし、負けん気もついた。自分のベースとなる部分を幼少期のうちにつくってくれたことには今でも感謝しています。
──確かに、きっと小さい頃の伊藤さんは子ども扱いされるのが嫌な子どもだったんだろうなという気がします。
そうなんですよ。もちろん先生の中では手加減してくれていたと思いますけどね。でも、少なくとも同じ目線でやってくれていた。負けるのが悔しくて、ひたすら泣きながらドッジボールをしていた記憶がありますね。
──もうさすがに今は先生とドッジボールはしないですよね(笑)。
ドッジボールはしないですけど、でも僕が作品に出させていただくたびにメールをくれて、全部観てくれて。そうやって20数年もつながっていられることがうれしいですし、ありがたいです。
──本作について「何も考えずに見られるような30分間だと思うので、日々の疲れの癒しの時間に、この作品がなってくれたらうれしいなと思います」とコメントされていました。伊藤さん自身の日々の疲れの癒しとなっているものは何ですか。
癒しか〜。何だろう。でもちょっと忙しくて「うわ〜!」となっている状態に対して気持ちいいと思っている自分もいるんですよね。
──そんなMっ気が(笑)。
あるのかもしれない(笑)。「うわ〜、やってるなマジで」って自分に思うのが好きなんです。で、そういう自分に対して「よしよし。やってるやってる」ってテンションが上がって、それがバネになってるところはあるんじゃないかな。
──すごいハードな日って家に帰ったらさっさとお風呂に入って寝ればいいんですけど、なんかそれで1日終わりたくないってことありません?
ありますあります! だから、僕はどんなに遅く帰った日でも家で自炊します。
──偉いですね。
仮に現場で夜ご飯に弁当が出たとしても、家でつくる。朝もちゃんとつくります。
──それは食べるのが好きなのか、それとも料理する工程に何か脳内が整理されるような感覚があるのか。
料理する工程ですね。リセットされるというか、スッキリしてくれる部分があるし。単純にトレーニング中というのもあって食事管理のためにやっているのもありますけど、そういうのが自分の中でリフレッシュになっています。
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