日本版ポスターのコピーは「おとぎ話?ううん、現実。」
今年カンヌで最高賞、21世紀の“アンチ・シンデレラストーリー”『ANORA アノーラ』予告解禁
2024.11.26 07:00
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2024.11.26 07:00
第77回カンヌ国際映画祭の最高賞となるパルムドール受賞作で、2025年2月28日(金)に公開される『ANORA アノーラ』の日本版ポスタービジュアルと日本版予告編をが解禁された。
本作の監督はショーン・ベイカー。多くの国際映画祭で喝采を浴びた『タンジェリン』(15)、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(17)など、幾度となくアメリカ社会の「声なき声」をすくいあげ、丁寧かつユーモラスに描写してきた。そんなベイカーが最新作『ANORA アノーラ』で描くのは、自らの幸せを勝ち取ろうと全力で奮闘するロシア系アメリカ人の若きストリップダンサー、アノーラの等身大の生きざまだ。ニューヨークを舞台に、身分違いの恋という古典的なシンデレラストーリーを21世紀風にリアルに映し出す。
主役のアノーラ(通称アニー)を演じるのは、新星マイキー・マディソン。監督は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)と『スクリーム』(22)での演技を見てマディソンを抜擢。そしてアノーラに夢中になるお調子者のロシア新興財閥の息子イヴァンに「ロシアのティモシー・シャラメ」の愛称で親しまれるマーク・エイデルシュテイン。また、『コンパートメントNo.6』で強烈な印象を残し、数々の賞を受賞したユーリー・ボリソフが2人の結婚を阻止しようとする男の1人を好演する。
今回解禁されたポスターは、満面の笑みを浮かべ抱き合うアニーとイヴァンの姿を大きく描いたもの。ネオンカラーのロゴも華やかで一見多幸感たっぷりだが、下部はひび割れに覆われ、アニーの不穏な未来を暗示しているかのような「おとぎ話?ううん、現実(ルビ:リアル)。」というコピーが配されている。
併せて解禁された予告編は、アニーが大富豪の御曹司イヴァンと運命的な出会いを果たすシーンから始まる。イヴァンの契約彼女になり、『プリティ・ウーマン』ばりに買い物をし、ラスベガスで豪遊、ついには結婚式をあげて超高価な結婚指輪もゲット、とんとん拍子にことが運ぶ。しかし、彼らの結婚を無効にしようと2人の男が自宅を訪ねてきたことから雲行きはどんどん怪しくなっていく。予告に挿入されているVariety評 「『プリティ・ウーマン』がディズニー映画のように見えてくる」や、カンヌ国際映画祭審査員長を務めたグレタ・ガーウィグのコメント「真実味がありつつも予想だにしない作品」が、シンデレラストーリーのその先を行くー筋縄ではいかない物語を予感させる。
本作はセックス、美、富というパワーゲームの中で利用されながらも、自らの幸せを求め続ける人間たちへの賛歌をユーモラスに、そして真摯な眼差しで描く“アンチ・シンデレラストーリー”。アメリカでは10月18日に6館で先行公開されると1館あたりの興行収入が今年公開作の週末館アベレージNo.1を記録し、現在では北米1500館まで拡大し絶賛上映中だ。