Bezzy[ベジー]|アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

アーティストをもっと好きになるエンタメメディア

INTERVIEW

空音央監督作『HAPPYEND』で鮮烈な映画デビューを飾る

栗原颯人×日高由起刀、人生と交差する物語で踏んだ俳優の第一歩

2024.10.07 18:00

2024.10.07 18:00

全ての画像・動画を見る(全26点)

そこは、決して遠くないXX年後の日本。

関心と無関心、友情と無情、多様性と差別。このままいくと“こうなるかもしれない”という未来を描いた映画『HAPPYEND』が10月4日(金)に全国公開を迎えた。

監督は、ニューヨークと日本を拠点に様々な映像やアート作品を手掛け、本作で初長編劇デビューを飾る空音央。主人公のユウタとコウには、若手では坂東龍汰や河合優実らを要する鈍牛倶楽部にこの春から所属する栗原颯人と日高由起刀が抜擢された。

9月にはヴェネチア国際映画祭のワールドプレミアで5分間もの喝采を浴びたこの作品で、初演技ながら友情の儚さをリアルに刻んだ二人の新人俳優。彼らは空音央監督が抱く危機感をどう受け止め、表現しようとしたのか。

栗原颯人、日高由起刀

二人にしかわからない心境が活かされた

——初演技にして初主演した映画『HAPPYEND』の公開を迎えて、今率直にどんな思いですか?

栗原 時間の流れが早すぎてびっくりしていて。「もう公開か」みたいな(笑)。去年撮影が終わって、試写があって、ヴェネチア出品決まって。頭がずっと追いついてないみたいな感覚で。でもすごい嬉しいことでもあるし、光栄だなって思います。そこは二人でずっと話していて。どんどん公開する劇場も決まっていて嬉しいです。

日高 こんなに大きくなるっていう想像もつかなかったので、そもそも俳優としての場数も踏んでなかったですし、スケールの大きさが掴めなかったんですけれど、二人だけにしかわからない心境を共有していくうちにすごくワクワクしましたし、楽しみな気分です。

映画『HAPPYEND』本予告編

——その「二人だけにしかわからない心境」は映画で活かされましたか?

栗原 そうですね、すごく活かされたと思います。

日高 そのままを映してくださって。自分たちがどう思うのかっていうことを尊重してくださったし、ワークショップだったりリハーサルだったりで、二人の掛け合いがどう重要なのかも監督から教えていただきました。より新鮮でフレッシュなセリフや反応を高校生らしく出せたかなと思います。

——二人の関係は幼馴染ですが、距離感を掴んでいったのはワークショップで?

栗原 そうですね。お互い初対面からなんとなくテンションとかテンポ感は合うんだろうなと思いつつ、リアルな年齢だと4個差があって、プライベートでも会う頻度も少なかったんです。撮影に入る2ヵ月前ぐらいからワークショップだったりで自然と会う頻度も増えて、自分の生きてきた背景とかの話をした段階からぎゅっと距離が縮まった感じでしたね。それで自然なテンポみたいなところは生み出せたのかなと思います。そこは音央さん含め、いろんな方のおかげで昔からの友達っていうグルーヴ感を出せたと思います。

栗原颯人

——日高さんはいかがでしょう。

日高 直接「仲良くなってほしい」と言葉にするのではなくて、そういう機会を設けてくださったんです。外身だけじゃなくて、内側の感情を共有できるような機会が多かったので、そういうのを重ねていくうちに、自然と昔から仲良かったメンバーで映画を作っているみたいになったのかなと思います。

——そもそもお二人はどういった高校生活を過ごしていたんですか?

栗原 高校生活は、僕らは全然違うタイプの人間だったんですよ。僕は高校の時はそれこそユウタみたいな、ずっと友達とバカやっているみたいな感じで。学校はちゃんと行っていたんですけれど、ずっと夜まで友達と一緒にいる生活をほぼ毎日続けている高校生でした。

日高 自分はずっと陸上競技をやっていて、有名な顧問の先生がいる高校に進学したり、陸上にずっと賭けてきた学生生活だったので、こうやって作品を通して青春を経験したり、彼(栗原)の話を聞いていたりすると、もうちょっとはっちゃけてもよかったのかなって(笑)。本当に良くも悪くも自分の好きなものには没頭するっていう性格で、校則があったり学校が遠かったりというのもあるんですけれど、自由にやらなかった部分があるので、すごく楽しかったです。

日高由起刀

——お二人のプロフィールには料理やビリヤード、そして映画のキーであるDJも共通の趣味としてありますね。

栗原 それは今作で触れさせてもらったっていう感じです。

日高 練習する機会もあったり、実際に知り合いのDJをやられてる方に直接指導いただいたりしていくうちに自分たちもDJやりたいってなりました。もともと音楽は好きだったので。

——新たな出会いだったんですね。

栗原 そうですね。

日高 なんとなく周りのモデル友達でDJ始めるっていう一連の流れが割とあるんです(笑)。でも僕らは尖りじゃないですけど、それに乗って始めたくないなと思っていたので、一番始め方かっこよくない?ってずっと話してます(笑)。

映画『HAPPYEND』よりユウタ(栗原)とコウ(日高)

——あるかもしれないですね。“ユウタ&コウ”でデビュー。

栗原 いつかイベントとかで回したいなって思ってます(笑)。

——映画観たら二人のDJユニット見たくなりますね。

日高 楽しかったよね。

栗原 うん。超楽しかった。

次のページ

二人のリアルを映した空音央監督の手腕

全ての画像・動画を見る(全26点)

作品情報

HAPPYEND

©︎ 2024 Music Research Club LLC

©︎ 2024 Music Research Club LLC

HAPPYEND

2024年10月4日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
日本・アメリカ/2024/カラー/DCP/113分/5.1ch/1.85:1/PG12
配給:ビターズ・エンド

公式サイトはこちら

キャスト&スタッフ

出演:栗原颯人 日高由起刀 林裕太 シナ・ペン ARAZI 祷キララ 中島歩 矢作マサル PUSHIM 渡辺真起子/佐野史郎
監督・脚本:空 音央
撮影:ビル・キルスタイン
美術:安宅紀史
音楽:リア・オユヤン・ルスリ
サウンドスーパーバイザー:野村みき
プロデューサー:アルバート・トーレン、増渕愛子、エリック・ニアリ、アレックス・ロー アンソニー・チェン
製作・制作: ZAKKUBALAN、シネリック・クリエイティブ、Cinema Inutile

1999年12月29日生まれ、新潟県出身。抜群のスタイルを活かしモデルとして活躍。多数のCMやMVにも出演中。オーディションで大抜擢され、映画『HAPPYEND』でスクリーンデビューを果たす。特技はボクシングと卓球。

日高由起刀

アーティスト情報

2003年9月30日生まれ、大阪府出身。韓国語が堪能で、日本と韓国の2拠点でモデルとして活躍中。演技未経験ながら映画『HAPPYEND』のオーディションで大抜擢され、スクリーンデビューを果たす。特技は陸上。

RANKINGランキング

RELATED TOPICS関連記事

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram
  • YouTube

COLUMN & SPECIAL連載&特集

ALL SERIES

RANKINGランキング

OFFICIAL SNS

  • Twitter
  • instagram
  • YouTube