2024.09.05 12:00
©︎2025映画「金子差入店」製作委員会
2024.09.05 12:00
丸山隆平の主演映画『金子差入店』が第29回釜山国際映画祭に出品されることが決定し、併せて場面写真が解禁された。
本作の監督は、オリジナル脚本も自ら手掛けた古川豪。構想から11年の歳月をかけて完成させた初長編監督作で描いたのは、「差入屋」を営む家族の絆。「差入屋」とは厳しい審査や検閲がある刑務所や拘置所に収容された人に差入れをする仕事で、様々な事情から面会に行くことができない人たちに代わって面会室へ出向くこともある。本作はそんな差入店の店主・金子真司が罪を犯した人々やその家族と対峙し、人間の可笑しさと切なさ、ダークサイドから希望に満ちた光までを追いかけるヒューマンサスペンスとなっている。
『泥棒役者』以来8年ぶりに映画で主役を演じる丸山隆平は、近年ではジョン・キャメロン・ミッチェル演出のブロードウェイミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(22)や、三浦大輔の作・演出による『ハザカイキ』(24)に主演し高く評価された。本作では人に言えない過去を抱え、息子のために生き直そうとする男を、これまでの丸山のイメージとは一線を画す演技で情感豊かに体現した。
金子の妻・美和子役には、2013年に日本アカデミー賞の助演女優賞と主演女優賞をW受賞し、今泉力哉監督とタッグを組んだ『アンダーカレント』(23)も記憶に新しい真木よう子。本作では世の中の価値観に惑わされず、自らの信念を静かに貫く美和子の姿を、芯に強さのある柔らかさで表現した。また、二人の息子の和真は、NHK大河ドラマ『光る君へ』に藤原道長の長男役で出演し注目される子役・三浦綺羅が演じる。
3人と一緒に暮らす金子の叔父、星田役には寺尾聰。2016年の主演ドラマ『仰げば尊し』の現場で制作スタッフだった古川豪の才能に触れ、本作の出演を決めたという寺尾は、要所要所で家族を支える星田を飄々とした優しさで演じている。
10月2日(水)から11日(金)に開催される第29回釜山国際映画祭は世界中から約300本の作品が集まるアジアを代表する映画祭で、『金子差入店』はメインコンペティション部門の一つであるNEW CURRENTS(ニューカレンツ)部門に出品される。同部門ではアジアの新鋭監督による初長編監督作または第二長編監督作が対象となり、今年は10本の映画が選出。昨年には森達也監督の『福田村事件』(23)が出品され、最優秀作品賞にあたるニューカレンツ賞を受賞している。
『金子差入店』は2025年に全国ロードショー。解禁された場面写真は丸山、真木、寺尾を映した3枚で、釜山国際映画祭への出品について丸山と古川監督からコメントも到着している。
丸山隆平(主演)コメント
この映画の登場人物たちは、家族の中の小さいけれど大事な出来事から、社会で起きた大きな事件まで、同時進行で向き合っています。それは今この瞬間も、世界中の人々が直面していることではないでしょうか。言葉や習慣の違う国で、どんな風に受け止められるのか、とても楽しみにしています。国境を越えて、一人でも多くの方々に、この作品が届くことを願っています。
古川豪(監督・脚本)コメント
率直に嬉しいです。どこか夢なのでは?と思うほどに、作品成立までの道のりがギフトをいただきっぱなしだったので、まだこんなに素晴らしいことが起こるのかと、どこか実感が湧かない側面も正直あります。長編作品を世に送り出すことが初ですので色々と不安だらけでしたが、ある一定数評価されたからこその結果だと思えば、喜びもひとしおです。改めて素晴らしい俳優陣と優秀なスタッフ陣に感謝です。引き続き、『金子差入店』をよろしくお願いいたします。