2024.07.30 18:00
2024.07.30 18:00
また一人、将来が楽しみな俳優が現れた。
未来のスター候補がひしめく10代の俳優たち。中でも瑞々しい存在感を光らせているのが、早瀬憩だ。6月に公開された映画『違国日記』で新垣結衣とともにW主演を務めたほか、今年だけで6本のテレビドラマに出演。初のホラー作品となった映画『あのコはだぁれ?』では、「あのコ」の恐怖に襲われる生徒の一人、三浦瞳を演じている。
武器は、スクリーンに映える透明感。だが、彼女のチャームポイントはそれだけではない。「忘れ物が多くて、よく母に怒られています」と明かす通り、素顔はマイペースで、ほんわかキャラ。
その名の通り、心休まる早瀬憩の自然体な魅力に、これからもっと多くの人が夢中になるはずだ。
怖がりながら楽しく勉強させてもらいました
──まずは『あのコはだぁれ?』の感想を聞かせてください。
めちゃくちゃ怖かったです。ほっと安心している暇もないほど、次から次へと恐ろしいことが襲いかかってくるので、ずっと驚きっぱなしでした。
あとは、映画のキーになっている呪いの歌がすごく中毒性があるんです。私も映画を観終わったあと、思わず口ずさんでいて。
──映画の内容を踏まえると、それはダメですね(笑)。
そうなんです(笑)。いつの間にか口ずさんでしまっていることに、私もハッとしました。そんなふうに観終わったあとも恐怖の余韻に浸れる映画だと思います。
──映画では、補習授業に関わった教師と生徒が恐怖に巻き込まれていきます。もし早瀬さんが本作の登場人物だったらどうしますか。
(即答で)逃げます! 怖いのが苦手なので、絶対に逃げると思います(笑)。真相を知りたいという好奇心より恐怖のほうが勝ちますね。今作のように、友達や大切な人が巻き込まれたら、勇気を振り絞って助けに行くかもしれないですけど、たぶん負けます(笑)。
──怖いのが苦手ということは、普段からホラー作品はあまりご覧にならない?
この作品に入るまで、ほとんどと言っていいほど観たことがなかったんです。なので、ホラー映画に出演するからには、やっぱり観ておかないといけないなと思って、衣装合わせのときに監督(清水崇)にオススメを聞いて。まずは『リング』から入って、あとは『シャイニング』や『オーメン』も観ました。
──観終わったあと、ひとりでトイレには行けましたか。
無理です(笑)。最初に観た『リング』が怖すぎて。怖かったシーンの情景が頭にこびりついて、2週間ぐらいは消えませんでした(笑)。監督に作品の感想をお伝えしたら、そのたびにそれぞれの作品の裏話的なことを教えてくださって、すごく面白かったんです。なので、それを楽しみに、怖がりながらも楽しく勉強させてもらいました。
──清水崇監督といえば『呪怨』を筆頭にJホラーの旗手と呼ばれる方です。早瀬さんから見て、どんな方でしたか。
監督は、面白い方です。撮影中は16歳だったので、昔の歌(『センチメンタル・ジャーニー』)にかけて「憩はまだ16だから」って言われたり。そんな感じで毎日のように監督からいじられていました。
あとはすごく愛のある方です。実は撮影中、一度も褒めてもらったことがなかったんですね。ホラーが苦手分野ということもあって、これでいいんだろうかとずっと不安なままでした。でも、私の最後のシーンを撮り終えたときに、監督が「素晴らしい」と言ってくださって。その一言がうれしすぎて、今までがんばってよかったって思わず泣きそうになりました。
──作品はホラーですけど、現場は明るくて愛に包まれた雰囲気だったんですね。
私もホラー作品がどういうふうにつくられているのかまったく知らなかったので、現場に入るまでは怖くて暗い感じだったらどうしようかなとちょっと心配していたんですけど、みなさん優しくて明るくて面白い方だらけで、「はっ! 怖くない!」と思いました(笑)。撮影中も本番前までみんなで笑い合っているようなことがよくあって。そこの切り替えははっきりしていた現場だった気がします。
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