2024.06.10 08:00
(C)2024「私にふさわしいホテル」製作委員会
2024.06.10 08:00
のん主演映画『私にふさわしいホテル』が2024年12月に全国公開されることが決定し、ティザービジュアルが解禁された。
原作は2008年に単行本『終点のあの子』でデビューし、2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と高校生直木賞を受賞した柚木麻子による同名小説。『ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『あいにくあんたのためじゃない』など話題作を次々と発表してきた柚木の「いちばん危険な作品」ともいえる同著が、ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』や「TRICK」「SPEC」シリーズ、映画『20世紀少年』三部作などの話題作の演出を手がけてきた巨匠、堤幸彦により実写映画化される。
文壇の裏側に迫るリアリティとスピード感あふれる展開で、「文学史上最も不遇な新人作家」の逆襲を描く本作。激しくもチャーミングな主人公・加代子を演じるのは2022年『さかなのこ』で新たな魅力を発揮し、第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞するなど俳優、アーティストとして活躍するのん。本作でも新境地を見せる彼女は、堤監督とは今回初タッグとなる。
新人賞を受賞したものの、大御所作家・東十条宗典の酷評により華々しいデビューを飾ることなく、小説を発表する場も得られなかった不遇な新人作家・加代子(のん)。この恨み、晴らさいでおくべきかと決意しながら憧れの「山の上ホテル」に宿泊する加代子の部屋の上階に泊まっていたのは、なんと東十条だった。大学時代の先輩で編集者の遠藤の手引きによって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を見事落とさせる。だがここからが加代子の更なる不遇と試練の始まりだった。加代子VS東十条の因縁の対決は、誰にも予想できない方向へと突き進んでいく。果たして加代子は文壇に返り咲き、作家としての道を歩むことができるのか。
解禁されたティザービジュアルは、のん演じる加代子が小説を書いている1シーン。昭和を舞台にレトロな衣装に身を包み、デスクの前で思案するまるで“先生”のような一枚となっている。なお本作は2024年2月に惜しまれながら全面休館を迎えた「山の上ホテル」にて最後に撮影された作品で、タイトルロゴには山の上ホテルもあしらわれている。
公開決定に併せて主演を務めたのん、監督の堤、そして本作をいち早く鑑賞した原作・柚木麻子からコメントが到着している。
のん(主演)コメント
とてもやりがいのある作品でした。加代子の野心は手段を選ばない破天荒なもので、敵も味方も自分の目的のために仲間に取り入れていく姿はもはや清々しいと思いました。
この荒唐無稽で強引、爽快な物語はたくさんの人の元気と勇気を引っ張り上げる光になると思います。撮影は本当に楽しかった!加代子のような役柄は今まで演じてこなかった力強さがあり、無理矢理にでも自分の道をこじ開けて進むところは共感を覚えました。この作品を現場にいる全員が面白がって作っている充実感に満ちていて、映画の現場って本当に最高だな!と嬉しい気持ちでした。堤監督はカリスマ的存在だと思います。私も兼ねてより堤作品に出てみたいな、堤作品の中に入りたいなと願っていたので、夢のひとつが叶ったような感銘がありました。なのですごーーく緊張しましたし、浮き足立たないようにクールな自分を保ち、ポーカーフェイスで撮影期間を乗り切りました。台本で読んだシーンを色々な形で想像して臨むものの、思わぬ演出でびっくりさせられて毎日毎シーンわくわくしていました。P.S.現場で堤監督の駄洒落を聞けるのが楽しかったです。
堤幸彦(監督)コメント
原作が面白すぎるので、役者やスタッフと映画ならではの面白ポイントを探りながら、そしてなんとリアル山の上ホテルのロケとかがんばりながらわいわいとやっていたら、なんとも面白カワイイちょっと切ない映画ができてしまった!これはしかし主演ののんさんの力に拠るところも大きい。何を着てもどんな格好でも笑、のんさんは素敵な存在感の演技をする。こぼれそうなメヂカラ、大したマジックだ。ぜひ劇場でご覧あれ。いい気持ちになれますよ。
柚木麻子(原作)コメント
映画化のお話を聞いてとても嬉しかったのですが、加代子を演じても嫌われない俳優さんが日本にいるのかな?という懸念と、山の上ホテルさんから撮影許可がでるかという不安はありました。
けれどその不安は杞憂に終わり、のんさんの不敵な佇まい、そして山の上ホテル。デビューしたばかりの頃の自分を重ねて何度も泣きそうになりましたが、書店員さんの機嫌を必死にとる場面では、本当に涙がこぼれました。
山の上ホテルが休館となった2024年のクリスマスシーズンにぴったりな、華やかでちょっと苦くて、とびきりおもしろい文壇ピカレスクコメディになっています!