2024.05.10 07:00
映画『まる』ティザービジュアル(メイン)©︎ 2024 Asmik Ace, Inc.
2024.05.10 07:00
堂本剛27年ぶりの主演映画『まる』が2024年10月に公開されることが決定し、2種類のティザービジュアルと特報映像が解禁された。
KinKi Kidsとして2024年にデビュー26周年を迎え、ソロでも独自の道を切り開く堂本剛。近年では音楽活動が中心となっていた堂本だが、監督と企画プロデューサーから約2年間の熱烈オファーを受け、「自分が必要とされている役なら」と心を動かされ出演に至った。
1997年に公開された『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』以来の主演映画で堂本が演じるのは、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配もなければそんな気力も失い、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっている。そんなある日、沢田は通勤途中に事故に遭い、腕の怪我が原因で職を失う。部屋に帰ると床には蟻が1匹。その蟻に導かれるように描いた○(まる)を発端に、彼の日常は○に浸食され始める。これまで自らストーリーを進めていく役柄が多かった堂本だが、本作では不思議な事態に巻き込まれていくキャラクターを演じ、27年ぶりの主演作で新境地を魅せる。
監督は『彼らが本気で編むときは、』(17)で第67回ベルリン国際映画祭・観客賞と審査員特別賞を受賞し、『波紋』(23)で第33回日本映画批評家大賞・監督賞を受賞するなど、数々のオリジナル脚本で国内外で高い評価を得る荻上直子。本作では、円熟の域に達した荻上監督の作家としての神髄が凝縮されたともいえるテーマで堂本と初タッグを組む。
解禁されたメインのティザービジュアルは、沢田が住む街を背景に撮り下ろした写真を使用。巨大な○に飲み込まれそうな堂本演じる沢田の上に、「ある日突然、○が迫ってきた」という言葉が微妙に歪んだ形で添えられている。もう一つのキャラクターVer.のティザービジュアルでは沢田は虚無感のある表情を浮かべ、背後には複数の迫る○が映されている。本ビジュアルのデザインは大島依提亜が担当。『ミッドサマー』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』などA24作品の日本版ビジュアル、荻上直子監督の初期の名作『バーバー吉野』『めがね』『トイレット』などを手掛ける大島が、グラフィカルで普遍的な〇の形を日常的な実写風景、人物と組み合せる事で不思議な作品世界を表現した。
併せて解禁された特報映像には、日常が○に浸食されはじめ、いつしか○に囚われ始める沢田の様子が映し出されている。最後には襲い掛かる奇妙な出来事に対して「すごっ」とどこか他人事のような沢田の一幕もあり、いつの間にか観ているこちらの心までぐるぐる回り出すような、不思議な世界観を纏った特報となっている。
なお、年始から始まった本作の本編撮影は終了し、現在は仕上げ作業中。公開決定に伴い主演の堂本と監督・脚本の荻上からコメントも到着した。
堂本剛 コメント
主演でお芝居させていただくのは久しぶりです。寝不足で誰のために何のために働いているのかも考えられない毎日を過ごしている主人公の沢田。だから顔色も良くはない、目の下にはクマ、顔の筋肉も動いていない。自分本来の心で人生を柔らかく生きて描きたいままに画を描くこと。これが叶えば良いだけなのに、人は自分を誰かと比べ、審査し、点数のようなものを付ける。孤独だということをそれこそ理解できずにそうしてしまう人も多いのだろう。孤独を感じていなければ人はそうならないだろう。頼んでもいないのに人は人の生き方や道にそうする事で我が身や我が心が安心するのだろう。ならばそれに付き合うこともまた人生か?と、沢田なりに人々の孤独に漂ってみている。きっと正しくないしもはや楽しくもない事はわかっているが、いらぬ優しさがそうさせてしまうのかも知れない。そんな沢田を演じるうえでいろいろを整えることをやめて崩すイメージで演じさせていただきました。
共演者の皆様がとても優しく接して下さいました。荻上監督をはじめスタッフの皆様も大変優しく接して下さいました。そのことがいちばん嬉しくて幸せでした。「人は人に優しく生きることができる」を叶え合い大切な一日を繰り返し完成した作品『まる』。
まるという言葉や文字を皆様はどう捉えてこの作品を楽しんでいただけるか興味深いところです。
劇中でもたくさんまるを描きました。細部に渡る隅々まで。たくさんたくさん描きました。世の中が平和を諦めずに平和を作ることへ時間や命を繋げてほしいと想いを込めて「。」
荻上直子 コメント
撮影中の1ヶ月間、純度の高い無色透明な塊、みたいなもののそばにいるような気持ちでした。もし彼のタマシイが見えたら、きっとそんな感じなのだろうと思う。混じり気のないどこまでもどこまでも透明な珠(たま)。