『青春18×2 君へと続く道』公開記念リレーインタビュー #3
「人はいくつになっても青春の中にいる」台湾の人気俳優シュー・グァンハンが旅を続ける理由
2024.05.06 17:00
2024.05.06 17:00
映画『青春18×2 君へと続く道』リレーインタビューを締めくくるのは、主人公・ジミー役を演じたシュー・グァンハン。
モデルとしてキャリアをスタートし、2015年から本格的に俳優に転身。『時をかける愛』の大ヒットによりその地位を不動のものとした、台湾のトップ俳優がついに日本のスクリーンにお目見えする。
少年らしい無軌道さと、大人の哀愁。対照的な表情を内在させた実力派の素顔に迫る。
18歳を演じる上で意識したのは“不確実性”
──現在と過去の演じ分けが素晴らしかったです。18歳と36歳の年齢差を表現する上で意識したことは何ですか。
36歳のジミーに関しては、今の自分と年齢が近い分、心境的にも想像しやすいところはありました。一方、18歳のジミーはある意味でチャレンジ。以前、別の作品(『時をかける愛』)でも18歳の若者を演じたことがあるのですが、やったことがあるからこそ、そのときと同じアプローチをしても面白くない。同じ18歳でも、まったく別のキャラクターとして生きる必要がありました。そこが今回の自分にとっての大きな試みの一つです。
──その違いを表現する上で、今回のジミーのコアになった部分は何ですか。
18歳のジミーには“不確実性”があるんですよね。
──“不確実性”?
自分自身の将来に対して、あるいはヒロインのアミへの気持ちに対しても、曖昧としていて、自分でもまた確かなものを掴めていない。その“不確実性”が、18歳のジミーのコアだと思いました。だから演じるときも、常に漠然として、不透明なものの中にいて、そこでもがいている雰囲気を取り入れようと意識していました。
──個人的には、18歳と36歳のジミーで目がすごく違うのが印象的でした。18歳のジミーの目は爛々として躍動しているんですけど、36歳のジミーの目は穏やかで寂しげな気がして。
そこは監督(藤井道人)の腕の見せどころですね。18歳と36歳のジミーを撮る上で、監督はすごく工夫をしてくださっていて。18歳のときは、できるだけ僕の顔の右側を、36歳のときは左側を撮るようにしてくださったんですよ。だから、顔の印象もちょっと違ったものになったんだと思います。
──なるほど。
演じ分けのアドバイスをするだけでなく、そういったところでも監督はいろんな面白いアイデアを取り入れてくださって。画のトーンも36歳のパートは青みがかった色調なのに対し、18歳のときは明るく温かいオレンジ。非常に細やかな演出で雰囲気に違いをつけてくれていたので、演じる僕たちとしても安心して監督の世界に身を委ねることができました。
──アミを演じた清原果耶さんの印象を伺えますか。
見た目はとても愛らしくて清らか。でも内面は非常に落ち着いていて、大人っぽいんですよね。そのギャップが非常に魅力的な方です。だから年齢を聞いたときは驚きました、「まだそんなに若いの?」って。
──清原さんとのお芝居だからこそ引き出された感情はありましたか。
(日本語で)全部です!
──清原さんも同じことおっしゃっていました(笑)。
(日本語で)ありがとうございます(笑)。
彼女は誰もが認める若手の実力派俳優。一緒にお芝居をしてみて、心が動く場面が何度もありました。彼女のお芝居について僕から説明するまでもありません。彼女とお芝居ができたことは、僕にとっても素敵な経験でした。
──そんな清原さんから質問を預かっています。「幸せを感じる瞬間はどんなときですか」とのことですが、いかがですか。
おいしいものを食べているときが幸せですね。日本のご飯ももちろん大好きです。お寿司にラーメン。もう挙げだしたらキリがないくらい(笑)。
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