金子大地、西野七瀬、真飛聖ら追加キャストも発表
杉咲花主演『52ヘルツのクジラたち』本予告解禁、主題歌はSaucy Dog「この長い旅の中で」
2023.12.25 07:30
『52ヘルツのクジラたち』本ポスター ©︎2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
2023.12.25 07:30
2024年3月1日(金)に全国公開される杉咲花主演映画『52ヘルツのクジラたち』の本ポスターと本予告、主題歌情報が解禁された。
町田そのこによる原作「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)は、2021年の本屋大賞を受賞し、すでに85万部を売り上げるベストセラー小説。「52ヘルツのクジラ」とは、他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに、何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。
杉咲が演じるのは、自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚(みしま・きこ)。ある痛みを抱えて海辺の街に越してきた貴瑚は、そこで母親から「ムシ」と呼ばれ、声を発することのできない少年(桑名桃李)と出会う。彼との出会いが呼び覚ますのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、今はもう会えない安吾(志尊淳)との日々だった。愛を欲し、誰にも届かない声で泣く孤独な魂たちの出会いが生む、切なる愛の物語は、『八日目の蝉』『銀河鉄道の父』の名匠・成島出(なるしま・いずる)がメガホンを取った。
解禁された本ポスターの写真は、気鋭の若手写真家・八木咲が撮影。東京から海辺の街に移り住んだ杉咲花演じる貴瑚の自宅の広い海を望む象徴的なテラスで、貴瑚を中心に安吾と少年が3人で静かにたたずみ群れている、海中を思わせるような幻想的な青が印象的な美しいビジュアルとなっている。
海と空の境で、穏やかな表情を浮かべる3人。貴瑚と少年は1つのMP4から流れる音をイヤフォンを共有し聞いており、安吾は貴瑚を優しく見つめ、貴瑚は安吾の方を見ているが、目線は交わしていない。彼らの3人の関係性が何を意味しているのだろうか。そこには「その声は、あなたに届く。」というコピーが添えられている。
併せて解禁された本予告は、海中で鳴くクジラの声から始まる。「これは、クジラの声?」と尋ねる貴瑚の問いに、「この〈52ヘルツのクジラ〉の鳴き声は、他のクジラたちには聴こえない。世界で一番孤独なクジラって言われてるんだ」と答える安吾。映し出される映像は、岬に立つ貴瑚、見つめる先には、髪の長い少年の後ろ姿が。
続いて、虐待を受けながらもヤングケアラーとして家族を支える貴瑚の過酷な日常と、虐待の跡を持ち「ムシ」と呼ばれる少年の悲しみがオーバーラップしていく。痛々しい傷を抱え、ふらふらと道路へ歩き出す貴瑚を間一髪救い出したのは安吾。「何で死のうとしたの?」と問う安吾に、「お母さんが、お父さんじゃなくて私が死ねって、お前が死ねって、だから私死のうと……」と、尋常でない様子で応える貴瑚を思わず抱きとめたのは、貴瑚の高校時代からの親友・牧岡美晴。安吾は優しい笑顔で「三島さん、新しい人生を生きてみようよ」と語り掛け、貴瑚は「生きたい……!」と堰を切ったように泣き出す。
転調して流れ出す切なくも明るい主題歌に乗せ、「もう貴瑚さんを自由にしてあげてください」と貴瑚の母に、柔らかい言葉で、でもキッパリと決別を告げる安吾。貴瑚に笑顔が戻る。「人はきっと生まれ変われる。切ない痛みの先で人はもっと優しくなれる。」というナレーションの間に差し込まれるのは貴瑚を優しく抱きしめる宮沢氷魚演じる上司の新名主税の姿と、涙を零す安吾の横顔。切ない表情で貴瑚に「僕は、キナコの幸せを祈ってる」と告げる安吾。「その声はきっと届く」希望につながる力強いメッセージを受け、「私、覚悟を決めたんだよ。聞かせてよ。あんたの声を。私が守るから」と、少年を守る決意に満ちた貴瑚の顔には、かつての弱々しい面影はない。
本作で主題歌を担当したのは、若い世代を中心に人気を博すSaucy Dog。本作のために書き下ろした主題歌のタイトルは「この長い旅の中で」。楽曲手掛けた石原慎也(Vo/Gt)は 〈僕自身、心から信頼する事がどうも苦手で「どうせ裏切られるかもしれない」「本来の自分を見てくれる人はいるのか?」と思いながらややこしく生きているんですが、そんな自分を1人の人間として見てくれる人が実は沢山いて、ちゃんと怒ってくれたり、心配してくれたり。そんな人を「信頼したい」という思いから作りました。〉とコメントを寄せている。
さらには第4弾の追加キャストも解禁。貴瑚の家の修理を手掛け友人となった村中真帆(むらなか・まほろ)に金子大地、「ムシ」と呼ばれる少年の母・品城琴美(しなぎ・ことみ)役に西野七瀬、貴瑚の母親・三島由紀(みしま・ゆき)役に真飛聖、少年を可愛がっていた元隣人の藤江(ふじえ)役に池谷のぶえと、脇を固める実力派たちの出演が明らかになった。
Saucy Dog 石原慎也(Vo/Gt)コメント
僕自身、心から信頼する事がどうも苦手で
「どうせ裏切られるかもしれない」
「本来の自分を見てくれる人はいるのか?」
と思いながらややこしく生きているんですが、そんな自分を1人の人間として見てくれる人が実は沢山いて、ちゃんと怒ってくれたり、心配してくれたり。
そんな人を「信頼したい」という思いから作りました。
最後のサビの「例えば君がペテン師でも君を信じて後悔したい」というのはそこから来ている僕の感情そのものです。