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INTERVIEW

架空のSNSを題材にしたW主演映画『鯨の骨』が全国公開

落合モトキ×あの、人として向き合った2人に聞く「本当の自分」の保ち方

2023.10.14 17:00

2023.10.14 17:00

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“無”を演じた間宮と“目”で演じた明日香

──落合さんは監督に「加害者・被害者・傍観者と全ての瞬間で三つの状態を同時に表現してほしい」って言われていたそうですが、これは大変だったんじゃないかなと思ったのですが。

落合 自分では意識してなくて、本を読み込んで、このシーンの間宮の心情だったらこう持っていくよなって考えて漠然とやったんですけど、さっき監督とインタビューを受けてて「光っていろんな色を入れると白になる」っておっしゃっていて、それが“無”の間宮であったのかなって。それがあったから監督の中でOKが出たのかなと思いましたね。自分でもその指示を意識してたらぐちゃぐちゃになって、プランが壊れてたと思います。

あと間宮って割と被害者面してるじゃないですか。その方が楽なんだろうなって思うところもあって。被害者は加害者に「なんでこうするの」って言えるし、被害者ぶって傍観してれば「どうしたの」って誰かが寄ってくるし。生き方的にはそういう方が楽なんだろうなって思ったりしました。

『鯨の骨』より ©︎2023『鯨の骨』製作委員会

──女優としてのあのさんは、『咲 Saki』のような割とカッ飛んだ面を出されがちな印象があったんですが、今回打って変わった役どころで、かつ主演という立ち位置になって「かましてやるぜ」みたいな気持ちはありましたか?

あの 「かましてやるぜ」までは思ってないですけど(笑)。『咲 Saki』は原作にどれだけ寄せられるかみたいな役どころだったけど、今回はお手本がなかったんで、明日香がどんな気持ちで“ミミ”の世界をやろうと思ったかとか、入り込んだかを考えたり。自分が前から直面するような、偶像の世界にも近かったので、それをなんとなく自分なりに乗っけられたらなと思いながらやってました。

──劇中あのさんの視線、カメラを正面から見つめて話すシーンなどとても印象的だったのですが、「目の使い方」で意識された部分などありました?

あの 自分の視線の先のものというか、“ここ”じゃなくて奥の人を見てる感じを意識しました。監督からも「目だけで演じて」って言われて、やったことなかったんですけど、自分なりにそこに憑依して、溶け込んでやった結果でした。

──ご自身の中で新しい武器を手に入れたみたいな?

あの どうなんだろう? 自己評価的にはできたのかできてないのかまで分かんなくて。でも映像見たら、こういう演技が自分にはできるんだって初めて知りました。

『鯨の骨』より ©︎2023『鯨の骨』製作委員会

2人が思うSNSとの適切な距離

──劇中に出てくる「ミミ」は一風変わってるSNSでしたが、お2人にとってSNSってどのような存在ですか? どう楽しんでいるか、どういう向き合い方をしてるかなど。

落合 自分はInstagramやっているんですけど、見ててどうですか?(笑)

──俳優じゃない、一人の音楽好きでお酒が好きでお風呂が好きで古着が好きな落合モトキくんが写っている感じがします(笑)。

落合 そうですね。日記とかメモみたいに使っている感じで、それで気になってくれる人がフォローしてくれればいいのかなって。賛美もいらないし「バカみたいに上げてるよ、日記みたいだな」って思われても全然いいし、少しでも自分のプライベートを知ってもらう環境があるっていうのは嬉しいことだから、まだ辞めようと思ってもないし。人物を載せるってなるとその人の許可が必要になってきたりとかするので、それ以外だと飯とかお花とか上げてる方がいいなって思いながら(笑)あとは番宣をしながらやってるところはあるかもしれないですね。

──あのさんはどうですか?

あの SNSと言ってもモノによって僕は全然違うんですけど。でも全体的にSNSがなかったら知ってくれてない人がめちゃくちゃいて、便利だなと。僕は情報とか「○○出ます」とか言ったり、そういう利用の仕方をしてるんですけど、普通にTwitter(現X)とかに自分の気持ちとか書いたりしちゃうんで……便利でもあるけど、良くも悪くも無数の意見とかいろんなのが飛んでくるんで、それでしんどくなったり、中には命を落とすような人もいますし。危ういなっていうか。客観的に見てもキラキラしたようなインスタグラマーさんとかいるけど、それって生活のほんの一部だったり、本当の姿でもないかもしれないので、嘘と本当が混ざり合っている感覚で見てて、受け取り側がちゃんと見極めなきゃいけないと思います。だから落合さんみたいな使い方が一番平和だなって思います。

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あの作詞作曲の主題歌が果たす役割

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作品情報

鯨の骨

鯨の骨

2023年10月13日(金)より渋谷シネクイント、シネマート新宿ほか全国公開
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
配給:カルチュア・パブリッシャーズ

公式サイトはこちら

スタッフ&キャスト

出演:落合モトキ あの
横田真悠 大西礼芳
内村遥 松澤匠 猪股俊明 宇野祥平

監督:大江崇允 脚本:大江崇允 菊池開人 音楽:渡邊琢磨
プロデューサー:近藤多聞 片山武志 エグゼクティブプロデューサー:後藤哲 スーパーバイジングプロデューサー:久保田 修 共同プロデューサー:田中美幸
撮影:米倉伸 照明: 高井大樹 録音: 阪口和 美術装飾: 田中智子 編集:西山理彦 助監督:山下久義 制作担当:福島伸司 スタイリスト:神田百実 ヘアメイク:風間啓子 サウンドエディタ―:野村みき リレコーディングミキサー:大保達哉

落合モトキ

アーティスト情報

1990年7月11日生まれ。東京都出身。近年の主な映画出演作に『ヒーローショー』(10)、『桐島、部活やめるってよ』(12)、『日々ロック』(14)、『甥の一生』(15)、『天空の蜂』(15)、『裏切りの街』(16)、『アズミ・ハルコは行方不明』(16)、『素敵なダイナマイトスキャンダル』(18)、『AWAKE』(20)、『FUNNY BUNNY』(21)、『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち』(21)、『背中』(22)、『美しい彼 eternal』(23)、『魔女の香水』(23)、『Gメン』(23)などがある。

ano(あの)

アーティスト情報

若い世代の女性を中心に人気を誇る「あの」。
2020年9月より「ano」名義でのソロ音楽活動を開始。
2022年4月TOY’S FACTORYよりメジャーデビュー。同年10月TVアニメ『チェンソーマン』第7話エンディング・テーマ「ちゅ、多様性。」が大抜擢。
2023年12月には初のフルアルバム「猫猫吐吐」をリリース。日本レコード大賞特別賞も受賞し、NHK紅白歌合戦にも出場。
2024年3月には映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」の主演声優と主題歌を担当。
音楽活動だけに留まらずタレント、俳優、声優、モデルとマルチに活動。

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