太宰治の没後75年を記念し隠れた名作を映画化
窪塚俊介が戦争に引き裂かれた教え子を思う、映画『未帰還の友に』特報&場面写真解禁
2023.09.21 14:00
©️GEN–YA FILMS 2023
2023.09.21 14:00
12月15日(金)より公開される窪塚俊介主演映画『未帰還の友に』からキービジュアルと特報、場面写真が公開された。
太宰治の没後75年を記念し、太宰治が戦争を描いた隠れた短編名作『未帰還の友に』を福間雄三監督が映画化した本作。出征したまま未だ帰って来ない年少の友の身の上を思い、太宰を思わせる先生が懐かしく、にがく回想し、教え子の切ない恋愛と戦争によってちりぢりになってしまった二人のはかなさを描く。主人公の先生を大林宜彦作品などで異彩を放つ窪塚俊介、教え子・鶴田を土師野隆之介が演じ、そのほか清水萌茄、萩原朔美、水島裕子などが脇を固める。
小説家の先生(窪塚俊介)は学生たちに慕われているが、中でも鶴田に特別に友情を感じていた。そんな中、鶴田(土師野隆之介)は出征が決まり、一時先生と酒を交わす時間が取れる。常連の居酒屋の娘で新宿ムーランルージュの舞台に立っていたマサ子(清水萌茄)と鶴田との恋は手紙のやりとりで続いていた。だが出征が決まった鶴田は苦しみながらも彼女との別れを決心し、先生にそのことを告げるのだった。そして時代は戦争の泥沼の中で、多くの若者たちの犠牲を強いていく。
太宰の作品としては珍しくストレートに反戦をテーマにしている点や、何度も取り上げている恋愛や友情を並行して描いている点が特異な作品であり、福間監督はそこに当時の風俗として歴史に名を残している新宿ムーランルージュのエピソードを付け加えて、映画としてのオリジナルな物語を作り上げた。
解禁されたキービジュアルには、戦争によって恋人と切り離された鶴田が出兵前にデートした淡い初恋の思い出の一場面が描かれている。