2023.08.13 20:00
aespa 2023年8月6日 東京ドーム公演より(写真:上飯坂一)
2023.08.13 20:00
宇宙の頂点に君臨する超1軍女子と、普通の女の子とのギャップ
メタバースという世界観もさることながら、aespa最大の魅力は、やはり4人のメンバーだ。我々と同じ量の臓器がちゃんと格納されているのだろうかと疑いたくなるスリムは肢体、そして4者4様の美しさがあふれ出たビジュアル。アバターである2次元のae-aespaと3次元の彼女たちにまったく遜色はない。aespaは宇宙の頂点に君臨する、超1軍女子なのだ。
そんな圧倒的な美しさを持つ彼女たちが、血、汗、涙がにじむ努力を重ねて立っている場所が、この東京ドームというステージだ。「東京ドームでの初単独公演。こんなにたくさんのMYと一緒で嬉しい!」と喜ぶGISELLE。NINGNINGは「東京ドーム公演は、私の人生の歴史的な瞬間になりました。多くの皆さんと一緒にこの瞬間を過ごすことができて、感謝しています。本当に幸せでした。20年経ったときに今日の映像と、思い出を振り返って胸がいっぱいになると思います」と感動と感謝を伝え、KARINAは「『Welcome To My Wolrd』を歌って本当に胸が熱くなりました。私たちの世界に来てくださって、ありがとうございます。これからも一生懸命がんばって、愛される資格のあるaespaになりたいです。大勢いるアーティストの中で私たちを選んでくださって、ありがとうございます。その気持ちに応えられる歌手になります。これからも見守っていてください」と言ってファンを前に涙を見せたが、鉄壁ビジュアルのKARINAの人間らしさに大きな歓声が上がったのも理解できる。
WINTERが「カッコいい女」を名乗るように、パフォーマンスをするaespaは、圧倒的にカッコいい。しかしそんなWINTERが「今は夏ですが、私は冬子です」と自己紹介したり、間違いを臆さずに積極的に日本語を話す努力を見せてくれるのも嬉しいし、日本公演では、GISELLEが大きな声で「ただいま~!」と言ってくれるのも嬉しい。
パフォーマンス中の手が届かなそうな彼女たちと、MCでのかわいらしさとのギャップにも心を掴まれてしまう。
GISELLE自作の日本語曲初披露、メンバー各人の魅力爆発のソロが大充実
そんな4人の魅力が存分に発揮されたのが、ソロ曲だ。各セクションの冒頭をソロ曲が飾ったが、KARINAの「Menagerie」は、ae-aespaとのSYNKの導入に。「Menagerie」はKARINA自身が作詞を手掛けた曲。まずはKARINAと同じ衣装のダンサーが彼女の影のように対となって踊ったすぐ後に、透明なOLEDモニターにガラスを割る映像が映し出されるとae-KARINAが登場。今度はae-KARINAと対のダンスを見せるという、幻想的で激しいダンスパフォーマンスが見どころになっている。
GISELLEは、アリーナツアーではラップが際立つヒップホップ曲「2Hot4You」を歌ったが、東京ドームのために自作の日本語曲「Keep Going」を用意してきてくれた。「2Hot4You」とは真逆のポジティブなバラード曲で、本人曰く「MYのために書いた」というが、ボーカルパートはMYに向けて、ラップパートは自身のことを歌っていたのが印象的だった。
WINTERもソロ曲を変えてきた。今回のドームでは、カラフルな映像と共に事務所の先輩BoAの日本語曲「Shine We Are!」カバーをキュートに歌った。アリーナツアーではバラード曲「Lips」を歌い上げたけに、そのギャップには驚かされた。
NINGNINGのソロは、「Wake up」。メインボーカルでありながらダンスもラップも上手い彼女の全部乗せともいえるヒップホップナンバーで、NINGNINGのセクシーな魅力を際立たせた。
こうしてソロを見ると、グループとしての魅力や、メタバースグループとしての面白さもさるものながら、歌、ダンス、ラップ、ビジュアルのすべてが揃ったメンバーたちが集まったグループであることを実感する。ソロでこれだけできるからこそ、たった4人で、この東京ドームを制圧してしまう魅力とパワーがあるのだ。
次のページ