2023.08.13 20:00
aespa 2023年8月6日 東京ドーム公演より(写真:上飯坂一)
2023.08.13 20:00
第4世代K-POPボーイズグループのドーム公演決定のニュースが続く中、第4世代K-POPガールズグループの中で最初に東京ドームに到達したのが4人組メタバースグループaespa(エスパ)だ。しかもまだ、日本デビュー前。韓国デビューからも2年9ヵ月という海外アーティスト史上最速での東京ドームだ。8月5日・6日の2日間、東京ドームで開催された「aespa LIVE TOUR 2023 ‘SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN -Special Edition-」は、両日ともにソールドアウトし、2日間で9万4000人を集めた。本記事では、8月6日のライブの模様を核に、aespaの魅力と今回の東京ドーム公演の見どころを振り返る。
メタバースグループとしての世界観の妙と、それを具現化するテクノロジー
aespaは2020年11月に韓国でデビューした、KARINA(カリナ)、WINTER(ウィンター)、GISELLE(ジゼル)、NINGNING(ニンニン)からなるメタバースグループ。「メタバースグループとは?」と疑問を抱くと思うがが、aespaのデビューの何が衝撃的だったかというと、1番はそのメタバースを用いた世界観だ。
「自分のもう一人の自我であるアバター(ae)に出会い、新しい世界を経験する」ことを提唱し、メタバース空間でae-aespaというアバターとaespaが対となる。事務所であるSMエンタが仕掛けた「SM Culture Universe(SMCU)」の考え方をもっとも明確に表現するアーティストがaespaだ。SMCUを象徴する場所、韓国語で荒野を表す“KWANGYA”をデビュー曲「Black Mamba」で初めて登場させ、後にNCTやEXOの曲にも取り入れられた“KWANGYA”は、謎解きの興味をそそられる場所となった。
MCでWINTERが公演タイトル「HYPER LINE」の意味を「aespaはオンラインでae-aespa(アバター)と出会い、オフラインでMY(aespaファンの総称)と出会う。そしてaespaとae-aespaとMYの3者が出会う空間が、HYPER LINEです」と説明してくれたが、このHYPER LINEで、aespaはae-aespaとMYとSYNKした。
まずは、ae-aespaとのSYNK。オープニングからビルのように巨大なスクリーンにae-aespaが登場しダンスを始めると、スクリーンが開いてゴンドラに乗ったaespaが東京ドームに降臨し、「Girls」からライブがスタートした。aeとの競演ともいえるダンスパフォーマンスが目を引いたのが、KARINAのソロ曲「Menagerie」と「Illusion」だ。「Menagerie」ではKARINAのアバターであるae-KARINAが登場し、シンクロしたパフォーマンスで客席を沸かせた。続く「Illusion」ではaespaが透明なOLEDモニターに映し出されるCGとシンクロし、その後にOLEDモニターに等身大のae-メンバーたちが登場。まるで生身のaespaとの8人グループのような動きで、aespaの真骨頂、本ツアータイトル「HYPER LINE」を具現化するパフォーマンスを見せてくれた。本編ラストの「Salty & Sweet」からaespaの世界観を歌う「Next Level」では、再びae-aespaが登場。巨大なスクリーンに映し出されたae-aespaとのシンクロパフォーマンスで会場を圧倒した。
そして、MYとのSYNK。4万7000人の歓声とコールが、とにかくスゴかった。1曲目の「Girls」から曲中のコールが大きく響いていたが、「ænergy」と「YEPPI YEPPI」での歌と合わせた「aespa!」という掛け声、そしてアンコールでのaespaコールも完璧! 新曲「Spicy」での息の合ったコールまで……、その熱はきっとaespaに届いていたはずだ。
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