2023.07.15 12:00
気がつけば涼しい風なんてどこかへ行ってしまい、シャワーを浴びてさっぱりしたはずの髪を乾かしている間にもう汗をかいているのは私だけでしょうか。エンドレスシャワー、恐るべし夏。本格的にこの季節がやってきました、子供達にとっては天国のような、お母さんお父さんにとってはきっと悪魔のようなそんな夏休みが始まりますね。
夏休みと言えば、宿題にプールにそうめん、時々旅行、そんな子供時代でした。小学生の頃を思い浮かべると、覚えているのは夏休み明けの教室で宿題を終わらせていた自分の滑稽な姿。
“学校に行かなくていい”と言うパワーワードに大喜びするくらいで、3日もすると意外とやることもなくて1日ってこんなに長いのかあ、と絶望に似た何かを感じていた気がする。
家にいてもゴロゴロしてたら怒られることだし、私はもっぱら祖父祖母の家で毎日を過ごしていた、なんだか落ち着くのは、きっと私がその家で産まれたからなんだろう、記憶力の悪い私だが、今でも鮮明に思い出せるのはそこで過ごした時間が圧倒的に多い。畳に寝転がって見ていた天井の景色や、祖母がお昼ご飯を作っている時の流しの水の音、祖父が新聞をめくっている紙の音、ただただ時間が過ぎるあの空間が、堪らなく好きだった。
それを入れる為だけにあるような涼しげなお皿に氷が入ったそうめん、私は絶対に入れない薬味のネギを、毎度入れないのか聞いてくる祖母、分かりづらいジョークを挟んでくる祖父も、匂いも、座っていた場所も全部が私の胸をキュッとさせる思い出だ。
とはいえ、やはり夏の休みは良いもので、大人になって感じるのは、暑い中で飲むビールはうまいということ。エアコンで冷え切った部屋で飲むより、テラスのじんわりした空気の中で飲むビールの方が俄然美味しいという七不思議。
両親に連れられた旅はもちろん良い思い出ばかりで、よく分からずついて行っていた場所は父の運転する車の後部座席で、隣に座る兄より幅をとって寝ているうちに目的地についていて、やはり楽しかった。
だけど、自分のお金で行く旅行の楽しさや大変さを知って、確実に時間と見える景色をより大事に思えるようになった、これが大人になるということなのかもしれない。
ここ数日ずっと見たい映画があって「アバウト・タイム」というバケーションにぴったりの神映画なのですが、夏に見たくなる映画は沢山あっていいですよね。季節によって見たくなる作品って、きっと一生語り継がれる良い作品なんだろうなあと思う。私がよく映画を見たくなるタイミングは、夏とエイプリルフールとクリスマス、この3択です。夏に関しては多すぎて難しいけど、「君の名前で僕を呼んで」とか最高に今見たい作品。エイプリルフールは「エイプリルフールズ」この一択だけど、「トゥルーマン・ショー」とかジム・キャリーの映画を見たくなるんですよね。クリスマスはもう安定の「ホーム・アローン」です。
きっと私はこのエッセイを書き終わってそのまま映画を見てしまうでしょう。
皆さんも、映画とお酒と落ち着く場所で、素敵な夏休みをお過ごしください。
PS.前回のエッセイから続けて酒の話をしていて、書き終わってから気づき、無性に恥ずかしくなってきましたが、今更引き返せない。笑