呉城久美、黒崎煌代らオールキャストも発表
MOROHAアフロ初主演映画『さよなら ほやマン』奇跡を想像させるビジュアル&特報予告解禁
2023.07.13 08:00
©2023 SIGLO/OFFICE SHIROUS/Rooftop/LONGRIDE
2023.07.13 08:00
11月3日(金・祝)より新宿ピカデリーほか全国ロードショーされる映画『さよなら ほやマン』からキャスト情報、ポスタービジュアル、場面写真、特報予告映像が一挙に解禁された。
主人公のアキラを演じるのはバンド・MOROHAのMCアフロ。音楽好きの若者から絶大な支持を得るMOROHAには著名人の熱烈なファンも多く、これまでドラマシリーズ『宮本から君へ』のエンディングテーマや、映画『アイスと雨音』では劇中に登場する形で熱のこもったパフォーマンスを繰り広げてきた。今回は制作側からの熱烈オファーと、映画の熱いメッセージ性に深く共鳴し、自分がやらねばと運命を感じて本作の初主演を決心したという。
豊かな海に囲まれた美しい島で、一人前の漁師を目指すアキラは、「ほや」を獲るのが夏の間の仕事。船に乗ることができない弟のシゲルと2人で島の人々に助けられてなんとか暮らしてきたが、今も行方不明の両親と莫大な借金で人生大ピンチに直面中。そんな折、都会からふらりと島にやってきたワケありっぽい女性、漫画家の美晴が兄弟の目の前に現れた。「この家、私に売ってくれない?」その一言から、まさかの奇妙な共同生活が始まる。3人のありえない出会い、それは最強の奇跡の始まりだった。
本作のヒロインで、都会から石巻の島にやってくるワケありの漫画家・美晴を演じるのは呉城久美。呉城がNHK連続テレビ小説や大河ドラマに数々出演し、舞台『裏切りの街』や櫻井翔主演のドラマ『大病院占拠』などで注目される若手実力派。初のヒロイン役に挑んだことについて「大切な作品に出会うことができました」と語る通り、充実の一作だったことを窺わせる。主人公アキラの弟・シゲルを演じるのは、本作が俳優デビューとなる黒崎煌代。2022年の役者オーディション“レプロエンタテインメント30周年企画『主役オーディション』”で合格を勝ち取り、趣里主演の2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブキウギ』に大抜擢された。本作では、生まれつき障がいを抱えながらも明るく生きるシゲルという難役に挑み、そのピュアな輝きで観客を魅了する。本作が俳優デビュー・映画初出演となったことについて、「とても誇らしく、有り難いなという気持ちでいっぱい」と語った。
そんなフレッシュな次世代のスターたちに加え、津田寛治、松金よね子といったベテラン名優陣が、若者たちを見守る島の住民に扮して作品世界に豊かな厚みを与える。そしてNHK『あまちゃん』『いだてん』の音楽を担当した大友良英が劇伴を担当。エンディングテーマはBO GUMBOSの名曲「あこがれの地へ」に決定した。
本作が長編デビューとなる庄司輝秋監督は、「ふるさとを育み、そして奪った美しい宮城の海に、この映画を思いっきりぶつけたい」と語る通り、故郷・石巻への熱い想いを胸に宮城県石巻市網地島オールロケ撮影で挑んだ。撮影が終わる頃には「登場人物たち同様に、監督である私も自分の人生を取り戻せた気がした」と、渾身の一作であることを窺わせる。製作をは『ぐるりのこと。』『だれかの木琴』『蝶の眠り』などのシグロと、『岸辺の旅』『子供はわかってあげない』『土を喰らう十二ヵ月』などのオフィス・シロウズが手掛けた。
解禁された30秒の特報予告は、パソコンのモニターに向き合った兄弟が何やら映像をアップしている様子が映し出される。大友良英の劇判音楽を背景に、島に現れた青髪の漫画家や謎の着ぐるみを纏ったキャラクターなど、断片的な映像が繋ぎ出されてゆく。
また、ポスタービジュアルはほや漁師の主人公アキラと弟のシゲルが大漁旗を持って跳ねているエネルギッシュな一枚。「ぼろっぼろだけど最高の愛」と書かれたコピーには、この兄弟と漫画家の出逢いがある奇跡を起こし、家族の再生を描いてゆく様が想像できる。デザインは『岬の兄妹』や、現在大ヒットを記録中の『リバー、流れないでよ』など邦画作品のビジュアルにも定評のある三堀大介が手掛けた。
呉城久美、黒崎煌代、庄司輝秋監督のコメント全文は以下の通り。
呉城久美(高橋美晴役)
昨年の夏、私はこの大切な作品に出会うことができました。映画に関われる喜びにみちみちた日々は、紛れもなく人生一番の幸せな時間で、なんだか生き返った気がしました。何度でもあの夏に戻りたくなって、いまだに寂しくなることもありますが、『さよなら ほやマン』があの時間をちゃんと残してくれてるんだろうと思うと、すごくほっとします。どうか沢山のひとに届きますように。
黒崎煌代(阿部シゲル役)
映画『さよなら ほやマン』阿部シゲル役の黒崎煌代と申します。本作は宮城県・網地島の方々の多大なるご協力のもと制作されました。約三週間の撮影期間ずっと島民の皆様の暖かさに感動していました。そんな暖かさで満ちた島の雰囲気がそのまま作品に投影されているように思います。また、本作は私の映画デビュー作であり、今後の活動の原点とも言える作品です。それが「さよなら ほやマン」だということがとても誇らしく、有り難いなという気持ちでいっぱいです。庄司監督の魂を先頭に色んな方々の魂が込もった作品となっています。私も込められる限り込めました。是非、劇場で観ていただきたいです。よろしくお願いします!
庄司輝秋(監督・脚本)
もがくような熱量が、主演のアフロはじめ、今作のキャストとスタッフにはあった。その熱量が役柄と一体となってこの映画に魂を宿らせたのだと思う。3週間にわたる宮城・網地島での合宿生活は奇跡的なエネルギーと出会いに満ち、ラストシーンを撮り終えた際には、登場人物たち同様に、監督である私も自分の人生を取り戻せた気がした。とても晴れやかだった。「理屈に合わなくても、無茶苦茶でも、誰に何と言われても、まずは自分のやりたいことをやる」それこそが人生の輝きを取り戻すきっかけになると私は信じている。この映画が“もがいてみる勇気”を観た人に与えられたのなら最大の喜びである。最後に、ふるさとを育み、そして奪った美しい宮城の海に、この映画を思いっきりぶつけたい。感謝と畏怖を込めて。