笑顔満開で『それいけ!ゲートボールさくら組』公開を迎える
“大好き”を頑張り続けるために 本田望結が真摯に向き合う未来の自分
2023.05.14 16:00
2023.05.14 16:00
映画『それいけ!ゲートボールさくら組』が5月12日に全国ロードショーを迎えた。本作は76歳の織田桃次郎(藤竜也)が、学生時代に青春を謳歌していたラグビー時代の仲間たちと、当時のマネージャー・木下サクラ(山口果林)が経営しているデイサービス「桜ハウス」の危機を救うため、ゲートボール大会での優勝を目指すという笑いあり、希望あり、感動ありのスポ根人情コメディだ。
そんな“ジジイたち”にゲートボールの魅力を教える女子高生、嶋田七海を演じているのが本田望結。自身もフィギュアスケーターとしてスポーツに熱中する彼女に、本作の魅力やゲートボールというスポーツの魅力、そして自身を夢中にさせているものについて聞いた。
何歳でも出会いは奇跡
──最初に映画『それいけ!ゲートボールさくら組』出演の話を聞いたときはどう思いましたか?
お話をいただいたのが2年くらい前で、ちょうどコロナ禍真っ只中の高校生のときでした。同世代の役を演じられるのがすごくうれしかったし、藤竜也さんと共演できるというインパクトも大きかったので、「ぜひ出演させてください、台本を読ませてください」とお伝えしました。台本をいただいたときに「いくつになっても何かを始めることに遅いということはないんだぞ」というメッセージを込めた映画にしたいということも聞きました。私が演じる嶋田七海役という役が、藤竜也さんをはじめとするさくら組の皆さんにゲートボールの楽しさを教える役だったので、まずは私自身がこの競技についてしっかり知ろうと思いました。
──今おっしゃったように、本田さんが演じる嶋田七海はさくら組の皆さんにゲートボールを教える役で、かつ自身の所属する部活内ではキャプテンとしてチームを引っ張っていく役どころ。嶋田七海をどのような人物だと捉えましたか?
勝つことがすごく好きな女の子だなと思いました。監督には「望結ちゃん、こんな口の悪い役いける?」と心配されたほどでしたが(笑)、私はこういう女の子を演じてみたかったのでうれしかったです。七海はみんなを引っ張っていくうえで言葉が強くなっちゃうだけで、別に誰かを傷つけたくて言っているわけではないじゃないですか。私自身、学級委員をやっていたこともあってリーダーになりたいと思う方なので、七海みたいな子がクラスにいたら声をかけて仲良くなるだろうなと思います。あとはゲートボールのスティックを持つと豹変するところもあるので、どう撮ったら、『豹変する』というのが見せられるかなというのは、監督とたくさん話し合いました。
──藤竜也さんをはじめとした大御所の方々との共演はいかがでしたか?
先輩方と共演できるというのが素直にうれしかったですし、皆さん、私を全然子供扱いしないでくださいました。正面からお話をして、正面からぶつかってきてくださったのですごくうれしかったです。
──劇中ではそんな先輩たちを叱る場面もありますが、緊張はしなかった?
役に入ってしまえば緊張は一切ないです。ただ、皆さんが「本当の望結ちゃんはどれだ」となってしまわないように、オフのときはいつも以上に言葉遣いに気をつけていました(笑)。「普段はこんな子じゃない」というのをちゃんと伝えないとと思って(笑)。
──先ほど、「いくつになっても何かを始めることに遅いということはない」というメッセージを伝える映画にしたいという話を聞いていたとおっしゃっていましたが、本田さんご自身はこの作品からどのようなメッセージを受け取りましたか?
完成した映画を観て、その通り「いくつになっても何かを始めることに遅いということはない」というのがすごく伝わってきました。私自身もこのメッセージはすごく好きです。どの世界においても、スタートは若ければ若いほどいいと思われがちですよね。私は今18歳ですけど、18歳だともう遅いと言われるスポーツもある。特にフィギュアは、今だったら16、17歳がピークだと言われていますし、お芝居も小さい頃からやっていたほうがいいという意見もある。
だけど私はそんな風には思わなくって。何歳で始めようが出会いって奇跡だし、頑張って続けていけば奇跡が必然になっていくと思っています。むしろ「始めたのが遅い」というのは言い訳でしかないなと思う。始めたのが遅いということをプラスにするのは、もしかしたら難しいかもしれないけど、プラスにする方法が、この映画には描かれているんじゃないかなと思います。
次のページ