2023.05.08 18:00
©田中聖太郎写真事務所
2023.05.08 18:00
ようやく海外渡航ができるようになった1年半の間に、2回ものワールドツアーを敢行したATEEZ(エイティーズ)が、2度目のワールドツアーのアンコール公演「ATEEZ WORLD TOUR [THE FELLOWSHIP : BREAK THE WALL] ANCHOR IN JAPAN」を開催。他国の公演とは少し異なる、日本での新曲初パフォーマンスを含めたスペシャルなステージを展開し、世界を股にかけ活躍する自信と、それを裏付ける実力、そしてメンバーたちの熱い絆が見えるライブを見せてくれた。
ATEEZは、HONGJOONG(ホンジュン)、SEONGHWA(ソンファ)、YUNHO(ユンホ)、YEOSANG(ヨサン)、SAN(サン)、MINGI(ミンギ)、WOOYOUNG(ウヨン)、JONGHO(ジョンホ)の8人からなる2018年にデビューしたK-POP第4世代ボーイズグループ。デビュー前からパフォーマンスに定評があり、デビュー後は“海賊”をコンセプトにした独自の楽曲とパフォーマンスで話題となり、ボーイズグループがパフォーマンス対決するサバイバル番組「KINGDOM : LEGENDARY WAR」でもそのパフォーマンス力と独自の世界観でグローバル人気を高めた。
今回の「WORLD TOUR [THE FELLOWSHIP : BREAK THE WALL] ANCHOR IN JAPAN」は、昨年12月に千葉・幕張メッセ2Daysで3万人を動員した「WORLD TOUR [THE FELLOWSHIP : BREAK THE WALL]」の日本アンコール公演。ツアー自体は昨年10月のソウルからスタートし、アメリカ、日本、ヨーロッパを回っている。冒頭でも述べた通り、これは2度目のワールドツアーで、2022年には「THE FELLOWSHIP:BEGINNING OF THE END」も開催し、18万人を動員した。
その日本公演ではアリーナでスタンディングが採用されたほかに、全編スマホでの撮影可というスペシャルな試みも行われ、日本にいながら海外公演の雰囲気が味わえた。
5月3日の有明アリーナ公演のオープニングは赤い光が溢れる中に、「HALAZIA」のMVに登場する巨大案山子がステージに出現。メンバーたちは黒マントに包まれて、怪しげなムードを醸し出し、「HALAZIA」のスタートとともにマントを脱ぎ捨てた。声出し解禁となった今回は、ファンの大きなコールも響き渡り、たちまち熱狂の渦が巻き起こる。
パフォーマンスが終わると、「昨日に続き、今日も東京に錨を下ろします」と言う、キャプテンのHONGJOON(海賊コンセプトのATEEZは、リーダーをキャプテンと呼ぶ)。いかついパフォーマンスを見せるATEEZだが、HONGJOONのじゃべり口は穏やかで優しく、日本語が丁寧なのもギャップだ。SEONGHWAは「これまでのライブとは違う、新しいところを楽しみにしてください!」と語りファンの期待を高めると、これまで日本でしかパフォーマンスされていない「paradigm」の口笛のイントロで客席のテンションも急上昇。そして「HALA HALA」まで、ATEEZらしい辛口で刺激的なパフォーマンスを見せた。
VCRを挟むと、「Dazzling Light」、「Mist」と歌を聴かせる曲でムードを変える。そしてなつかしい「Aurora (Japanese Ver.)」と、3月にリリースされた日本の新曲「DIAMOND」と「Limitless」をサプライズプレゼントしてくれた。HONGJOONは、「セットリストをどうするか悩んだのですが、ATINY(ATEEZファンの総称)が“見たい!”と言っている曲にしようと思って「Aurora」を入れました。練習しながら昔を思い出したし、喜んでくれるATINYを想像しました」という。「ATINYと会えることが幸せで夢みたい」というJONGHOは、SANと2人で「夢か? 現実か?」という小芝居を演じてファンを笑わせた。
中盤に入るとフロアに大きなバルーンがいくつも放たれ、ファンタジーのような空間で「Illusion」が始まると、来日前から足を痛めていたというWOOYOUNGは、ここから大事をとって椅子に座ってのパフォーマンスとなったが、ことあるごとにメンバーたちがWOOYOUNGのところにやってくる。「Wave」までの2曲は、振り付けなしで自由にステージ上を練り歩き、ファンとのコミュニケーションを楽しんでいた。
「長い旅をして、ここに錨を下ろしましたが、なぜここに戻ってきたか実感できました」というMINGIに、SEONGHWAが「僕たちATEEZは、何度も挑戦して冒険して、ぶつかって成長して力をためてまた進んで……そんな旅が続いていますが、大きなモチベーションが必要。そんなとき、ATINYが僕たちの一歩一歩になってくれています」と続けると、SANが「様々な国のATINYに会って、皆さんと一緒に過ごすために錨を下ろしました。また出航しましょうか」と問いかける。そのままHONGJOONの「船員ども、位置につけ~!」という号令でメインステージのLEDの映像が船上に切り替わる。
ステージに大きな舵が登場し、「WIN」の激しいリズムとダンスで荒れた海へ出航。そして白い世界に包まれたドラマチックな「Horizon」から、HONGJOONのアジテーションのようなラップに乗せて「WONDERLAND」へ突入。彼らの人気を押し上げたドヴォルザークの「新世界より」とマッシュアップされたKINGDOMバージョンの「WONDERLAND」に、ファンも大興奮の様子。SEONGHWAが剣でフラッグを切り裂くと、船は炎に包まれ、ダンスブレイクでクライマックスに。ATEEZらしいダイナミックな演出に、会場はこの日一番の盛り上がりを迎えた。
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