©YAMAONNA FILM COMMITTEE
2023.04.12 12:00
福永壮志監督の最新作『山女』が6月30日(金)より全国順次公開されることが決定し、山田杏奈、森山未來、永瀬正敏、福永監督のコメントが公開された。
第35回東京国際映画祭コンペティション部門への出品で話題を呼んだ本作は、柳田國男の名著『遠野物語』から着想を得たオリジナルストーリー。大飢饉に襲われた18世紀後半の東北の村で先代の罪を負った家の娘・凛は、人々から蔑まされながらも逞しく生きていたが、飢えに耐えかねた父の伊兵衛がある日盗みを働いてしまう。父の罪を被った凛は自ら村を去り、禁じられた山奥へと足を踏み入れる。そこで伝説の存在として恐れられる“山男”と出会う。
監督・脚本を務める福永壮志は『リベリアの白い血』『アイヌモシリ』で民族やルーツにフォーカスを当ててきた。共同脚本には、放送中のNHK連続ドラマ『らんまん』の長田育恵が名を連ねる。
『樹海村』『ひらいて』『彼女が好きなものは』など出演作が続く山田杏奈は、過酷な運命に翻弄されながらも、逞しくひたむきに生きる主人公の凛を演じた。また、森山未來は“山男”を、永瀬正敏は凛の父親・伊兵衛を演じ、そのほか二ノ宮隆太郎、三浦透子、山中崇、川瀬陽太、赤堀雅秋、白川和子、品川徹、でんでんら実力派俳優たちが集結した。
山田は撮影について「ひとり分の人生を生ききったような疲労感と達成感のある撮影期間でした」とコメント。森山は「山の神秘に助力を請いながら、大いに楽しませていただいた」と振り返り、永瀬は「山田杏奈さんの佇まいと瞳が僕にとっての道標であった気がします」と述べた。また、福永監督は「自分の居場所を求めて、逆境の中を進み続ける凛の姿を通して、観た人の心に何かを残せることを願います」と劇場公開への喜びを語った。
山田杏奈(凛役)コメント
ひとり分の人生を生ききったような疲労感と達成感のある撮影期間でした。彼女を取り巻く環境、人びと、それぞれの生きる強さに打たれながら演じていました。
森の中のしんとした空気に匂い立つ青臭さ、静かながら力強い映像から伝わることを願ってます。これからより多くの方に見ていただけると思うととても楽しみです!
森山未來(山男役)コメント
これまでにも人非ざる存在を舞台、映像などで演じてきたが、今回も成り立ちの諸説ある大それた役柄を映像に落とし込むべく、福永さんとディスカッションを重ね、山の神秘に助力を請いながら、大いに楽しませていただいた。遠野物語を原典としている「山女」。映画館に訪れる方々は、この物語をあくまで遠い昔の民話だとして鑑賞されるのだろうか。
永瀬正敏(伊兵衛役)コメント
今でも山形での撮影の日々を思い出すと
熱いものが込み上げてきます。
現場スタッフの皆さんの卓越した技と思い
山田杏奈さんの佇まいと瞳が
僕にとっての道標であった気がします。
福永壮志監督 コメント
「山女」を劇場公開できることをとても嬉しく思います。この映画で何より描きたかったのは逞しく生きる人間の姿です。主人公の凛をはじめ、登場人物それぞれが葛藤を抱えながらも必死に生きています。自分の居場所を求めて、逆境の中を進み続ける凛の姿を通して、観た人の心に何かを残せることを願います。