素晴らしい演技を引き出すとんでもない“エクササイズ”とは
ペネロペ・クルスが鬼畜な鬼才監督に?『コンペティション』本編映像公開
2023.03.09 14:00
©2021 Mediaproduccion S.L.U, Prom TV S.A.U.
2023.03.09 14:00
3月17日(金)より公開される映画『コンペティション』から本編映像が公開された。
本作はスペインを代表する俳優、ペネロペ・クルスとアントニオ・バンデラスが母国の映画で共演を果たし、現代映画界を爽やかに皮肉った業界風刺エンターテイメント。監督は『ル・コルビュジエの家』『笑う故郷』など、スタイリッシュな映像とシニカルなユーモアで構築された独自の世界観を誇る映像作家ガストン・ドゥプラットとマリアノ・コーン。本作では、知られざる映画製作の過程や、裏側で本当に繰り広げられているかもしれない天才監督と人気俳優2人の三つ巴の戦いを臨場感あふれる手法で描く。
個性的でわがままな女性監督には、アカデミー賞助演女優賞を獲得した経験をもつペネロペ・クルス、うぬぼれたスター俳優には、ハリウッドを始め国際的に活躍しカンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞したスペイン人俳優のアントニオ・バンデラス、老練な舞台俳優には、『笑う故郷』でベネチア国際映画祭最優秀男優賞を受賞したアルゼンチンの大御所俳優オスカル・マルティネスがそれぞれ扮する。世界中から評価を受ける演技派大物俳優陣が意地の悪い役柄をド直球に演じ、全力の小競り合いを華麗なドラマに仕立て上げる。
解禁された映像は、ローラがふたりの俳優に仕掛けるとんでもない“エクササイズ“を捉えている。このシーンでは、映画賞を総ナメにする鬼才監督ローラが生み出したエキセントリックな演出にベテラン俳優たちもたじたじになってしまう。「何だ?」と頭上を見上げるフェリックス(アントニオ・バンデラス)に、「外的要素の力を借りるの。緊張を高め、恐怖を増大させる。岩は2人にのしかかる法の重みの象徴よ」と興奮気味に説明するローラ(ペネロペ・クルス)。「私は必要ない」と拒否するイバン(オスカル・マルティネス)だが、ローラは「そんな問題じゃない。エクササイズなの」と強制する。観念した俳優ふたりはクレーンで吊り下げられた5トンの岩の下に着席、シリアスなシーンを演じるための恐怖の読み合わせが始まる。
このシーン以外にも数多くのローラの“エクササイズ”が本編の中に待ち受けているが、メガホンをとったドゥプラット監督とコーン監督は、「ローラのやり方には全く共感しません。共感ゼロです!」と口を揃える。さらに、ドゥプラット監督は自身の経験から得た最も優れた監督メソッドは「監督が何をすべきか、はっきり理解すること」だと明かし、「監督がしっかりと方向性を示すことができていれば、あらゆることを乗り越えられると思います。なぜなら、俳優たちを抑圧するようなことをしてしまったとしても、監督が何をしたいのかが理解できていれば俳優たちも落ち着いて対応します」と持論を展開している。「映画で描かれる数々のシーンのように、監督という立場の力を用いてパワーハラスメントまがいのことをする監督は現実にもたくさんいますよ。極端で、エキセントリックな経験から、奇抜で狂気じみたものを作り出すことはできますから。ただ、私が役者だったら耐えられないでしょうね」と笑っている。
ローラを演じたペネロペ・クルスは「自らの発言に注意を払わず、自分が思っていることが一番賢いことだと信じている人を演じるのは楽しかった! ローラは他の人たちが変で、自分が普通だと思っているんですよ」とローラ役を存分に楽しんだようで、「監督であるローラが極端なことを役者にさせるけれど、次々にエスカレートする様子を見て観客は『限界はどこなの?』と彼らのことが気になって仕方なくなるでしょう」とローラのエクササイズの面白さを語っている。