現代のラッパーたちの影響力に疑問を示す
ラップのパイオニア、Melle Melのエミネムやケンドリック・ラマーに対する発言が物議を醸す
2023.03.07 21:00
By Fuzheado - Own work, CC BY-SA 4.0
2023.03.07 21:00
先月Billboard/VIBE誌が「最も偉大なラッパートップ50人」のリストを公開し、ヒップホップファンの間で話題になっている。
Billboard誌はジェイ・Zを1位として選んでおり、2位にはラッパーとして初のピューリッツァー賞を受賞したケンドリック・ラマー、3位には過去にはジェイ・Zとビーフしていた天才リリシストのナズがランクイン。4位には社会的なメッセージを込めたリリックで世界中のファンの心を掴んだ2Pac、5位には白人ラッパーとしてヒップホップの境界線を広げたエミネムが選ばれている。そんななか、Grandmaster Flash and the Furious Fiveのラッパーとして1970年代後半から活躍し、「MC」という言葉を作ったとも言われているラップのパイオニアMelle Mel(メリー・メル)の発言が物議を醸している。
Billboard誌のリストにて48位にランクインしたMelle Melは、Grandmaster Flash and the Furious Fiveの一員としての楽曲「The Message」で特に評価されており、社会問題についてラップした初のラップ曲としての功績も讃えられている。そんな彼は先日出演したThe Art Of Dialogueのインタビューにて、Billboard誌のリストに物申しており、エミネム、ケンドリック・ラマー、リル・ウェインについてコメントしている。
エミネムについては「彼はラップスキルも悪くないし、セールス的にも誰よりも上だ。ライムスタイルもあるけど、彼は白人だ!もし彼が白人じゃなかったら、5位にはなってなかっただろう」とコメントしている。また、ケンドリック・ラマーに関しては「良い曲を作ったかもしれないけど、ヒップホップのストリートの部分がない。ケンドリック・ラマーのそういう曲は知らないし、1〜2曲しか知らないけど、クラブとかでも彼の曲は流れていないと思う。誰もケンドリック・ラマーやエミネムのようにラップしようとは思わない。2Pacとビギーの真似をしていたやつは多い」と、2位に相応しくないと語った。
さらにリル・ウェインに関しては、「オートチューンをかけているやつは1位にはなれない。そいつの本当の声がどんなものなのかわからないし、本当にそいつの声かもわからないからな」とコメントしている。この発言を受けて、多くのヒップホップファンはリル・ウェインはオートチューンがかかっていない曲も多数リリースしていると指摘しており、「リル・ウェインの音楽を聴いたことがないのでは?」とのコメントも多数ついている。