2023.03.08 17:00
(C)2023 映画「Winny」製作委員会
2023.03.08 17:00
3月10日(金)より全国公開される東出昌⼤と三浦貴⼤のW主演映画『Winny』から、著名人17名からのコメントが公開された。
自主映画『Noise ノイズ』(2019年)や『ぜんぶ、ボクのせい』(2022年)で知られる若手監督の松本優作がメガホンをとった本作の起点となったのは、2018年に開催された「ホリエモン万博 CAMPFIR 映画祭」の“映画企画クラファン大会”でグランプリに輝いたことだった。企画考案者はスマートキャンプやHIRAC FUNDを立ち上げ、現在Web3・NFT領域で新たにNFIGUREを起業した古橋智史。以前から日本のテクノロジー発展に寄与したいという思いを持っていた古橋が、「出る杭が打たれない社会を」というテーマで本作を企画した。
2002年、開発者・⾦⼦勇(東出昌⼤)は簡単にファイルを共有できる⾰新的なソフト「Winny」を開発、試⽤版を「2ちゃんねる」に公開する。「Winny」は瞬く間にシェアを伸ばしていくが、その裏で⼤量の映画やゲーム、⾳楽などが違法アップロードされ、次第に社会問題へ発展していく。違法アップロードした者たちが逮捕されていく中、開発者の⾦⼦も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、2004年に逮捕されてしまう。サイバー犯罪に詳しい弁護⼠・壇俊光(三浦貴⼤)は、「開発者が逮捕されたら弁護します」と話していた⽮先、⾦⼦逮捕の報道を受けて急遽弁護を引き受けることになり、弁護団を結成。⾦⼦と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第⼀審では有罪判決を下されてしまう。しかし、運命の⽷が交差し、世界をも揺るがす事件へと発展する。
映画監督の瀬々敬久は「この映画はおもしろい。社会派な題材を扱っているが、裁判映画として⼗分におもしろいし、サスペンスとしても秀でている。実は極上のエンタテイメント作品なのだ。だけど、最も⼼動かされたのは被告⼈最終陳述。逃げも隠れもしないぞと、真正⾯からただ捉えただけの覚悟。応じた東出昌⼤の気概と迫⼒、素晴らしい。ある⼈⽣とその世界に迫る瞬間。おもしろい上に、凄い。実に⼿ごわい」とコメントしている。
また、俳優の吉岡⾥帆は「今⾒るべき題材。丁寧で真摯なつくりに⼼を持っていかれました。⽇本社会の闇と⽣き⾟さとは裏腹に、主⼈公の⾃分らしく⽣きたいと踠く姿からは圧倒的な光を感じました」と述べ、実業家の堀江貴⽂は「Winny事件が映画になった。実は随分と前に終了してしまった『ホリエモン万博』にて制作発表が⾏われた映画でもある。⾦⼦勇⽒とは⾯識はないが、Winnyは当時かなり先進的だったP2Pのファイル交換ソフトである。グローバルではNapsterやGnutellaあたりが有名だったが、国内では圧倒的に⽀持されていたように思う」と振り返った。
合わせて公開された<違法アップロード撲滅啓蒙動画>は、「Winny」を利⽤して違法アップロードをした⼈たちが、次々と摘発、ついには開発者であった⾦⼦も違法者と同様に逮捕される異常事態となった劇中シーンを切り取ったもの。⾦⼦が⾃⾝の興味の赴くままにひたすらプログラムを書き続けた結果⽣まれた「Winny」だが、⾦⼦の真摯な想いとは裏腹に、なぜこれほどまでに悪⽤されてしまうのか。「僕の開発早すぎたのでしょうか?」⾦⼦が訴える悲痛な想いが胸を打つとともに、違法アップロードに対する本作、そして⾦⼦の社会に対する毅然としたメッセージがこもった特別映像となっている。
著名人からのコメント全文は以下の通り。
家⼊⼀真(株式会社CAMPFIRE 代表取締役)
この不当逮捕が無ければ、ブロックチェーンの歴史は⼤きく変わっていたかもしれない。後に続くイノベーターのために、国家権⼒と戦い続けた⼀⼈の天才の物語。CAMPFIRE映画祭グランプリから約4年、いよいよ公開。
上⽥岳弘(作家)
Facebook社の創業にまつわる顛末を描いた映画『ソーシャル・ネットワーク』が、当時のアメリカを活写したように、⼀⼈の⼈物を描くことによって社会そのものを活写してしまうことがある。誰もが対等に、社会につながれるはずだという、テクノロジーの果たすべき素朴な理想を、素朴に追った⼀⼈の技術者の悲劇は、この国に根差した問題を浮き彫りにした。⾦⼦勇⽒が共有しようとしたものは、ファイルではなくて、テクノロジーの素朴な理想だった。
浮雲(株式会社ノックトゥーン 執⾏役員 CMO/クリエイティブプロデューサー)
「Winnyは私の表現なんです」
⾃分にとってのWinnyとは何か?という問いかけに対する⾦⼦勇のこの⾔葉を聞いたときこれまで出会った多くの“表現者”の顔が脳裏に浮かびました。私⾃⾝、ゲームやマンガの仕事をする中で、千の⾔葉を尽くすよりも⼀つの表現がすべてを伝えてくれる、そんな場⾯に幾度も⽴ち会っています。Winnyという表現を通して⾦⼦勇の意思や想いが伝わっていたからこそ、あれだけ多くのネットユーザーからの⽀援を得たのかもしれない。そう感じさせてくれる作品でした。
鎌⽥和樹(UUUM株式会社 代表取締役会⻑)
⽣きにくい世の中の縮図とも感じる作品に出会いました。「出る杭は打たれる」の⾔葉の向こう側に⼈の数だけの⼈⽣がある。そしてそう全てがうまくいくわけではないのだなと。「⼈⽣を賭して成し遂げたいことは何ですか」と、⾊んな⼈に聞いてみようと思ったほど、⾦⼦さんの決して器⽤ではない⽣き⽅に惹かれました。
菊地幸夫(弁護⼠)
盗撮犯⼈が逮捕された時、犯⼈が使⽤したスマホを開発した者も盗撮を助けたとして摘発されるだろうか。警察が無理筋の摘発でWinnyによる流出から本当に守りたかったのは何か。冤罪被害者がこの映画を御覧になれば「そう、こうやって冤罪は起きるのだよ」と教えてくれるだろう。被疑者を陥れる常套⼿段で責める警察・検察と、被疑者を奮い⽴たせ闘いに挑む弁護⼠の攻防も注⽬だ!それにしても、主演の東出⽒、実際の⾦⼦⽒に良く似ていること!
きゅんくん(ロボティクスファッションクリエイター・メカエンジニア)
技術者の端くれとしていい感じの有意義なコメントを書こうと思っていたのですが、 映画の中の⾦⼦さんの挙動が愛おしすぎるコンピュータオタクで可愛くて全てが吹き⾶びました。技術について語る⼝調はもちろんのこと、変なタイミングでニヤッとしたり、すぐ顔触ったり、初公判でスーツが⾝体にあってなかったり…。素敵なコンピュータオタクを⾒られて満⾜でした!!
瀬々敬久監督(映画監督)
この映画はおもしろい。社会派な題材を扱っているが、裁判映画として⼗分におもしろいし、サスペンスとしても秀でている。実は極上のエンタテイメント作品なのだ。だけど、最も⼼動かされたのは被告⼈最終陳述。逃げも隠れもしないぞと、真正⾯からただ捉えただけの覚悟。応じた東出昌⼤の気概と迫⼒、素晴らしい。ある⼈⽣とその世界に迫る瞬間。おもしろい上に、凄い。実に⼿ごわい。
林 仁奎 (LINE Xenesis株式会社 代表取締役CEO)
⾦⼦さんとビットコインの創始者「Satoshi Nakamoto」の姿が被りました。⾰命は既存の秩序をひっくり返すことを伴います。⾦⼦さんの遺志を継ぎ、P2P技術から発展したWeb3が社会に新しい⼀歩をもたらし、未来への⾰命を起こせるよう、あらゆる抵抗を超えていきたいと感じさせられました。とても濃い2時間をありがとうございました。
堀江貴⽂(実業家)
Winny事件が映画になった。実は随分と前に終了してしまった『ホリエモン万博』にて制作発表が⾏われた映画でもある。⾦⼦勇⽒とは⾯識はないが、Winnyは当時かなり先進的だったP2Pのファイル交換ソフトである。グローバルではNapsterやGnutellaあたりが有名だったが、国内では圧倒的に⽀持されていたように思う。
松原裕樹(株式会社Link-U 代表取締役)
圧倒的な技術⼒とビジョンを持つ、天才開発者の実話。開発したツールが悪⽤されてしまうことは制作した者の責任なのか。後に続く開発者が本件を機に萎縮しないよう、マスコミや警察にたたかれつづけても。正論を主張し続けるべきなのか。そのためには、⾃分のこみ上げてくる開発への探求⼼を押し殺すべきなのか。様々な問いを視聴者に投げかけ、ネットを使う⼈であれば誰もが⾃分ごととして没⼊できる内容を、事実を元に丁寧に脚本としてかきあげ、魂のこもった演技で届けてくれる素晴らしい作品。
松⼭周平(THINK AND SENSE部⻑/プログラマー・ヴィジュアルアーティスト)
⼀部の才能の「創造」が⼀般の⼈の「想像」を超えたもの⽣み出したとき科学技術が発展し、社会の発展につながったということは、歴史的の中でも数多く登場します。また、同時に歴史の中でもWinny事件のように、新しいものを受け⼊れられない体制によって、画期的な発明が阻害された例も多数あります。Winny事件は⽇本のIT技術の発展を妨げることにもなった事件されていますが、本作品の扱うテーマはITのみならずより⼤きな社会の在り⽅について問うような作品だと思います。
まつもとゆきひろ(プログラミング⾔語 Ruby 開発者)
⾦⼦勇さんとは、IPAの未踏ソフトウェア創造事業の同期だったり、共通の知⼈が何⼈もいたにもかかわらず、とうとう直接には会えずじまいでした。今回、改めて映画を通じて彼の⼈⽣を振り返ると、こんなにも優秀なプログラマーが、⽣涯をかけて愛したプログラミングを奪ってしまった残酷さや、裁判と早すぎる彼の死がなかったら⼈類が得られただろう成果を考えると呆然とします。そして、権⼒の無理解からの不幸は彼だけでなく⾃分にも降り掛かっていたかもしれないのです。
三上昌史(株式会社Gugenka 代表取締役 CEO)
Winnyを知らない若いエンジニアやクリエイターにこそ⾒てもらいたい作品。可能性が潰されるのか広がるのか。これからの⽇本の課題が凝縮されている。
村中悠介(合同会社DMM.com 最⾼執⾏責任者)
プログラムを武器にした社会⾰命家、⾦⼦勇。彼はなぜWinnyを作ったのか?違法ダウンロードが社会問題になることも予⾒していたのか?プログラマーに倫理観は必要なのか?⽇本中を巻き込んだこの事件。Winnyは多くの課題を抱えていたからこそ、”⾦⼦勇のWinny完成版”が作る未来が⾒たかった。今なお賛否が分かれるからこそ、映画を観て答えを⾒つけてほしいと思います。
森川亮(C Channel株式会社 代表取締役社⻑)
新しい技術は常にそれに対する⼈間の使い⽅が問われる。時には使い⽅を間違える事で社会にマイナスの要素を⽣み出すこともある。道具というものは常に⼈間の⽂化レベルが問われるものである。⽇本という国が成⻑した理由もモノ作りという新しい技術をポジティブに活⽤したから。今後新しい技術とどう向き合うのかで国そのものの成⻑の可能性が問われるなと感じた。
吉岡⾥帆(俳優)
今⾒るべき題材。丁寧で真摯なつくりに⼼を持っていかれました。⽇本社会の闇と⽣き⾟さとは裏腹に、主⼈公の⾃分らしく⽣きたいと踠く姿からは圧倒的な光を感じました。
若新雄純(プロデューサー/慶應義塾⼤学特任准教授)
前半は主役の圧倒的な演技⼒にドキドキし、後半は作品に描かれたあまりの理不尽さにモンモンとする。そして⾒終わったあとは、それらが混ざった濃厚な感覚を誰かと共有したくなる。しゃべりたくなる。そんな作品です。