2023.01.19 17:00
2023.01.19 17:00
2023年1月よりMBS 毎日放送「ドラマ特区」で放送中の不倫サスペンスドラマ『あなたは私におとされたい』。
本作で、先にインタビューを公開した鶴嶋乃愛と共にダブル主演を務めるのが俳優・村井良大。宇垣美里演じる妻・夏菜がいながら鶴嶋演じる若い女性部下・ノアにグイグイと迫られる、なんとも羨ましくも(!?)困った役を演じている。これまでも映像、ストレートプレイ、ミュージカルと幅広く活躍している彼が「落ちそうで落ちない役」を演じるにあたり求められた繊細なアプローチや、キャリアを重ねた“今”思うことを聞いた。
既婚者の役がちょっとずつ増えてきた
──今回のドラマ出演のオファーが来たときの感想は。
不倫は、世間ではいろいろ騒がれたりするじゃないですか。でも結局、ドラマとかフィクションの世界ではみんな見たがっているのかな? というのをすごく感じました。実は「不倫もの」の作品に出演するのは、初めてなんです。だからお話をいただいたときは最初は驚きつつも、どういった人間模様が描かれてるのかな……と楽しみでした。
──驚いた理由は題材ですか?
「不倫をさせたい女と不倫をしない男」ですよ?(笑)その戦いを皆さんにどういう風に見ていただけるのか、楽しみだな、と。
──初めて「不倫もの」でオファーが来たということに対しては。
僕のイメージが「そういうことをしなさそうな人」ということなのかな、とは思います。このテーマだと「絶対不倫しちゃいそうだな」というイメージの人には話が来ないでしょうし。
──たしかにそうですね(笑)。でもテレビドラマでこういった「等身大のサラリーマン」の役を演じられるの、ちょっと久しぶりではないですか?
確かにそうかもしれません。あと撮影していて思ったのは、既婚者の役が最近ちょっとずつ増えてきたな、と。結婚指輪をして撮影するというのが段々馴染んできたというか、そういう年齢になってきたんだな、という実感はあります。特に今回は「自分はおじさんだから」みたいなセリフが結構あるんですが、そういうふうに自分自身も変わってきたのかなあと思います。「自分、もうおじさんなんで」って普段でも言ってるんですけどね(笑)。だからある意味、自分に近い感覚を持った役でした。
──相澤直也という役は、ちょっと素の「村井良大」に近いと。
この作品では直也は鶴嶋乃愛さん演じるノアちゃんからとにかくさまざまな「ドキドキするようなアプローチ」を受けるんですけども、既婚者で「自分は不倫しないぞ」という人は、自分がそもそも恋愛対象になると思っていないというか……簡単に言うと「恋愛」という試合に対して、自分は打席にすら立ってないと思っているんです。試合の「外」にいるから、女性から何かを仕掛けられてきても「最近の若い子はこうやって人と近づくんだな」とか、「最近はみんな距離感が近いんだな」と客観的に見てしまう、そこが非常にリアルだなとも思いました。すごく共感を得られやすい台本なんです。リアルだからこそ「そういう気持ち」になってしまうのもわかる、でも「気持ちはわかるけど駄目だよね」というところもついてくる。いろいろドギマギしながらドラマを見られると思います。
──直也の年齢では、周囲に独身の人もいてもおかしくないですしね。
だから突然ノアちゃんみたいな「自分を恋愛対象として見てくる」人が現れると、あれ? となる。またノアちゃんがなかなか強くてですね(笑)、もうあの手この手で仕掛けてくるんですよ! だから僕はこの作品、どちらかというとホラーだと思っています。お化けとかそういうのが出てこないホラーだと思ってください!「人間が一番怖い」という話なんです。そういう意味で「不倫サスペンス」と表現されてるんだろうなと。多分この作品は、直也目線で見られる方が多いと思うんですが、もちろんノアちゃん目線でもいいし、女性は特に直也の妻である夏菜さん目線でも見ることができる。そういうところもぜひ楽しんでいただきたいなと思います。
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